決戦のとき (クロニクル千古の闇 6)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784566024168

作品紹介・あらすじ

「もう待てないんです!あの女に立ち向かうのは、ぼくの定めなんです」-最強の"魂食らい"イオストラと対決するため、トラクは決死の覚悟で幽霊山へと入っていく。あとを追うレンとウルフ。イオストラの恐ろしい企みとは?!全世界注目のシリーズ、圧倒的な感動をよんで、ついに堂々の完結。

感想・レビュー・書評

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  • 今までの巻よりも読むのに時間がかかったけど、後半は止まらなかった。何度も、トラクが死ぬ雰囲気があったし、この物語はトラクがいなくなっても成立してしまうんじゃないかと思ってたから心配だった。いよいよトラクの身近な人、しかも大事な人たちにも被害が出始めて、最初からショックの連続だった。ほとんどの謎は解けたと思ってたけど、そういえば〈歩き屋〉のことがわかっていなかった!まさか魂食らいだったとは。最後のフィン=ケディンの説明で納得がいった。白い男の子が出てきたときは、トラクを助けるために出したキャラクターかなと思ったけど、最後の最後で重要な登場人物なんだとわかった。魔導師の素質ね。そのおかげでレンはトラクと一緒になれたし。
    とりあえずトラクとレンが最高だった…。命がけでいくときのトラクのキスとか本当最高。これで本当に死んじゃうんじゃないかと思った。あと、白い男の子にトラクがレンを紹介するところ。あれはやばかった。両思いだと当たり前かのように言うなんて…!
    イオストラは結局謎だった。どの魂食らいも普通の人間なんだと改めて思った。魔術は使うけど、高いところから落ちたり刺されたりして死ぬってことは普通の人なんだよね。
    ウルフと黒毛がまた会えてよかった。子供が一匹生きているだけで進んでいく気がして本当にショックだった。
    こんなに綺麗にハッピーエンドになるとは思っていなかったから嬉しい!トラクとレンはつがいになったのか?まぁ幸せならそれでいい!
    フィン=ケディンは最後までかっこよかった。フィン=ケディンは魂食らいと結構知り合いだったんだね。やっぱりすごい人だ!
    トラクとお父さんも丸く収まったし!感動だった。でも、最後までお父さんの名前が出てこなかった。それが出てくることでまた感動的になるのかなとも思ったけど。
    今まで読んだ本の中で一番と言っていいほど面白くて最高のシリーズだった。

  • クロニクル千古の闇、完結。
    <魂食らい>最大の敵、イオストラが自分をおびき寄せることを知っていながらトラク。
    今までもそうだったけれど、レンがついてくることで彼女に危険が及ぶことを良しとしないトラクは彼女の留守の間にワタリガラス族の野営地から旅立った。
    最大の敵、と言われながらも、扱うものが魔術なだけにイオストラの強さははっきりしなくて、ウルフとレンの助けもありイオストラを斃したのは予定調和な感じだった。

    ただ、木漏れ陽の零れる森の中、ウルフたちの群れの姿。
    トラクは愛する人を護ろうとする、立派な青年に、
    レンは凛とした、素敵な女性に、それぞれ成長し、
    シリーズを通して、理想的な大人だったフィン=ケディンとの別れ。

    壮大なファンタジーの大団円のラストシーン。
    このシリーズを読み終えることが出来た私は、幸せ者だって思う。

  • 「もう待てないんです!あの女に立ち向かうのは、ぼくの定めなんです」――最強の"魂食らい"イオストラと対決するため、族長フィン・ケディンに引き止められながらも、トラクは決死の覚悟で幽霊山へと入っていく。あとを追うレンとウルフ。一方、フィン・ケディンは唯一イオストラに立ち向かえるであろう人に助けを求めるため、ワタリガラス一族から離れ行動を開始する。イオストラの恐ろしい企みとは?!全世界注目のシリーズ、圧倒的な感動をよんで、ついに堂々の完結。

    読み終えたとき、心の底からほっとできました。最後の最後まで、トラクとレンが生きて戻れるのか、一緒にいられるのか、幸せになれるのか知りたくてドキドキして、まるで彼らと一緒に旅しているような気持ちを味わえました。最終巻だけあって、迫力もすごい。トラクとウルフの絆もしっかりと感じられて、この後も自分で想像したくなります。このシリーズはおよそ六千年前の世界で生きる人間たちを描いた異色の作品ですが、よくここまで詳細に書けるなあと思う。当時の生活がそのままあるかのように読めて、とても幸せでした。

  • シリーズ最終巻。シリーズ全体として、星5つ。
    トラクとレン、ウルフの長い苦しい旅が、やっと終わった。
    幕開けから謎だらけだったが、それらが見事に回収された。トラクとレンの生まれながらの宿命も、それぞれきちんと乗り越えられた。
    トラクの父と母も、それぞれに辛かったんだろうな。父親はトラクの宿命と自分への追手が来ることを知りながら、自分の罪を自覚して、一人での暮らしを選んでいたのかもしれない。
    両親の代わりになったのが、ワタリガラス族の族長であるフィン=ケディンだったが、トラクの母に恋をして、父に嫉妬と妬みと恨みを持ちつつ、弟の呪われた子であるレンを愛し、トラクを保護し、息子にしてくれた。彼が一番、人間らしい人だったと思われる。

    でも、トラクは氏族なしとなったが、ウルフとウルフの家族、レンと、新しい一つの「群れ」になった。いずれ、新しい家族も増えていくだろう。
    通して一気に読了して、大満足の6冊だった。

  • 遂に最終話。
    最強の魔導師と”生霊わたり”の決闘を期待したけれども、決戦という割には期待外れかな? そもそも、生霊わたり自身が戦う能力とは別物だったのかもしれない。(何を期待していたのだろうか?)

    「〈すべての始まり〉では、人間は、ほかの生き物の魂を知っていたという。今は、知る者がトラク一人になってしまった」と魔導師が語る。その〈生霊わたり〉が、最後まで、曖昧なままなのは少し心残りかな。今までは、トラフが頑張って一人で立ち向かってきたのが、今回は一人きりにさせられる展開に。しかし、最後はトラフだけではなく森全体で、そして魔導師としての戦いに持ち込んだことが勝因なのかと、考えてしまいます。

    最後は、トラクとレンが旅立つ?さまようかな、というエンディングは予想外でした。また、新魔導師はちょっと、無理があるような気がするけど、世代交代は意外とこういうものかもしれないと思わせる。そして、森にさまよう二人を除いて、太古の世界は、定住へそしてもう少し大きな集団へと向かっていくのかもしれない、と。

  • 5巻で1番ほっこりしたところをどん底に叩きつけられる気持ちになる事態で気が気じゃない。
    トラクも相当だけど、ウルフもかなりよ…
    そのように生まれついたさだめなのか、とことんまで過酷すぎる。とずーーーんとした気持ちを拭えず読み進めて光が見えたときの開放感!落として落として落としてからのあげかたは感無量です。めでたし…!みんな仲良くね…!

    全巻を通して、古代の暮らしや、様子がすっ。と想像できるのは作者さんと、そして訳者さんの力…
    森や海や山、住む土地土地に寄り添い、敬い、生きる。
    お供物をしたり、精霊や神々を怒らせぬよう、死を重く儀式で鎮める。
    歪んでしまった者たちは恐ろしい考えを持っているけれど、その恐ろしい考えは、このトラクたちの時代とほど遠い現代となった今、形や思いは違えども、常に常にそこにあるような気持ちもする。
    それぞれの氏族はどうやってバラバラになっていったのだろう。トラクが氏なしのように、レンが寄り添ったように、だんだん自然に消滅していったのかな。
    今の技術は、この歴史がないと生まれてない。形を変えて受け継がれて、今があるのだなあ…

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00559910

  • 人類が農業を発明していなくて、まだ狩猟でだけで生計を立てている時代のヨーロッパが舞台。オオカミの言葉がわかるトラクと、トラクを「兄貴」と慕うオオカミのウルフ、そしてトラクの友達レンたちの古代冒険ファンタジーの最終巻。
    最後まで、トラクはトラクだった……!(笑)もー、トラクはダメ男くんでなにかやるとたいてい裏目に出て、一人で何かしようとするとつかまったりで結局レンやらウルフがいないと何もできないんだなー。(でもそうするとレンとウルフが活躍できて嬉しい。特にウルフ。)今回もウルフがかっこいー!きゃー!と一人で叫んでいました。あんなことになったのにダメ兄貴を助けるウルフがたまらなくステキ……!
    レンもがんばったねえ。そして、実力はあるのに、自分が助けちゃうと話にならないからか、常に不遇なフィン=ケディンはラスト……ちょっとはむくわれたね!(ちょっと涙ぐんでしまったよ)あ~ん、ほんとにフィン=ケディン視点がよみたい~!二次創作する人の気持ちがちょっとわかったしまった。フィン=ケディン分が足りないよ~(笑)。
    雪の冷たさや、ここではないどこかのしっかりとした生活描写がよく伝わる物語でした。「精霊の守り人」レベルの描写を求める人であればおすすめです。あ、ダメ男くんに耐性がある人であれば(笑)。最初はこどもだから許せたけど、何回も毎巻同じこと繰り返すトラクにはあきれたけど、ウルフとレンとフィン=ケディンのおかげで最後まで楽しく読めました。ハードカバーはちょっとしきいが高いだろうけど、面白いです。おすすめ。

  • ラストバトルって、タイトルだけで疲れてしまう。(RPGゲームのやりすぎ)
    内容も期待を裏切ることなく、重く苦しい戦いとなっていた。
    でも最後は私の大好きなハッピーエンド。
    トラクとレンもしっかりおさまるところにおさまる。
    出るため息の質が途中と最後で変わるのを感じられた。

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