夢幻花(むげんばな) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569765600

感想・レビュー・書評

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  • さすがスルスル読ませる。

    あっという間に読了しました。

    犯人と殺害理由がわかった時、お爺さんがとても気の毒で…

    ラスト、原発を学んでいるとしていた理由を、とてもうまくまとめているなぁと感心しました。

    負の遺産ね。

  • 積読してたけどやっと完読〜!
    本離れしてたからなかなか没入できなかった…

    刑事ら大人たちが事件解明に奔走する中、ある殺人事件遺族の少女とその中で関わることになった少年が、どんどん真相に近づいていくシーンは読んでいてとてもワクワクしました!

    また東野作品読み直そうかなと思った作品でした!

  •  皆さん、花に興味ってありますか。
     私はさっぱりです。おっさん、まあまあ都会育ち、便利な生活大好き。そんな輩には、日常で花がその位置を占めることなぞ、これまでの人生では皆無でした。花といって思い出すのは、嫁さんにプロポーズした時に一万円くらいの花束を買ったのと、(なぜか)以前名古屋の鶴舞公園で花見をしたことくらいです。

     そんな花が、本作のモチーフとなります。
     花を愛でる老人が殺害されますが、その真相がまた東野氏らしくよくもまあ考えたなという展開をします。全く花に興味がない私でしたが、一日で読了しました。

     一風変わった家に生まれた中学生。その子が、大学院も博士課程までいって悶悶としている時に出会う事件と、その事件解決を通じての自己陶冶、そして明かされる家族の秘密。
     中学生の淡い恋愛や、大学院生の行き詰まり感など、私は個人的には非常に共感いたしました笑

     さて、ひとつネタバレになりますが、タイトルにも書きました人の才能については非常に考えさせられました。
     登場人物の一人は、ユニークな存在になりたい、インスピレーションが欲しい、という欲求から幻覚剤に手を出し、身を滅ぼします。自分も相応の能力(通常であれば人から羨ましがられるほどの)があるのに、それでもなお上を行く者を羨ましがる。

     その気持ち、わかります(まあ頭の切れや運動の才能も鼻くそ程度しかありませんが)。でも、その考えは若い、若すぎる! 読んでいて、周りがちゃんと教えてやれよー、とか思っちゃいました。
     人は誰しも、自分はひとかどの人間になれると夢想するものです。が、その多くは人生のどこかで自分を知り、挫折し、自分と折り合いをつけるものです(夢を否定するわけではありませんが)。
     ただ、若いうちはなかなか自己認知できないので、親や周囲の支えあるいは発想の転換を促す言葉が俟たれます。というのも、才能が有ってもその対象が好きでないとかで別の道を選ぶ人、あるいは、飽きっぽかったり集中力がなく才能を持続的に発揮できない人、沢山いるのです。一方「好き」であれば、その対象に持続的に鍛錬が続けられ、いわゆる才能のある人にも勝てる(チャンスがたまにはある)。私はそう信じています。ま『究極の鍛錬』という本の受け売りですが。

     だから、自分の「好き」を把握し、世間に多数いる才能あふれる人々との闘いには、自分の「好き」をレバレッジにして闘いに挑む。これが平凡なおじさんの基本戦略です。アラフィフの今、まあ大勝ちは出来なかったけど大負けもしてない程度の結果は残せました。

     まあでも、そんな堅苦しいこと考えなくても、充分面白い東野圭吾氏の作品です。普通に楽しく読めます!ガリレオシリーズをはじめて読んだときほどの驚きはありませんでしたが、安心して楽しめる完成度の高いエンターテイメント小説だと思います。

  • いい意味で色のない作家さんだなーといつも思う。私が感じないだけなのかな。今回も楽しませてもらいました。

  • 安定のクオリティ

    東野圭吾さん
    あなたは最高です

    過去の事件と現在の事件がどう絡んでくるのかと思っていましたが…。

    そうか…。
    種かぁ

  • おじいちゃん…(涙)
    初めの三つの話が一つになった時、ゾクっとしたぁ〜。

  • 花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた・・・。
    宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく“東野ミステリの真骨頂”。第26回柴田錬三郎賞受賞作。
    (当書裏表紙あらすじより)

    著者の作品は基本的に性に合う作風で、乗ってくるとあっという間に読了します。今回も読み始めてから1週間経たずに読了しました。ごく一部に全く性に合わない作品がありますけど・・・。
    久しぶりの読書。しかもミステリ小説なので最初から登場人物が目白押しに出てきて正直面くらいました。それも最初の方だけでストーリーが進んでくると次が気になって頁をめくるのが早くなっていきました。
    花や種子のことなど全く知りませんでしたので、終盤の展開は『へぇ、こうなるのか』といった感じでした。

    主人公の一人が経験した正体不明な症状?
    これについての結果が全く書かれていなかったことは意外でした。何か関係しているのかな、と思いながら読み進めていたので、『あれ、これで終わり?』といった感じは否めませんでした。
    まぁ、本筋とは全く関係ないから書くまでもないことなのかもしれませんけど。

    • ごとうせいやさん
      コメント失礼します。
      僕も読み終わった後の読み足りない感、満足しない感があり、とても共感しました!
      ただ、全体的な内容に関係のない話も入れる...
      コメント失礼します。
      僕も読み終わった後の読み足りない感、満足しない感があり、とても共感しました!
      ただ、全体的な内容に関係のない話も入れるとなるととても長くなってしまうため、なかったのかなとか勝手に考えてました。
      2020/11/23
  • 赤の他人の運命が交錯していく系ということで少し敬遠していたが、ついに読了。敬遠していたのは、運命交錯系の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」がどうもしっくりこなかったから。

    何度も言うようであるがたまらんのは、開始早々からのゾクゾクとした雰囲気。私が小説に求めているもの。
    こういうふわっとした曖昧な感情は、絵によってイメージを特定化される漫画ではなかなか味わえないのではないか。小説の醍醐味であると勝手に思ってます

    誰しもが暗い過去や負の遺産を持ちながら、それと向き合いながら生きているということ、
    そして、それを学んだ主人公らはそれぞれの道をもう一度模索する方向へ進んでいく。
    レイクサイド、虚ろな十字架、手紙etc…と重なる部分がある。人間味のある、力強い生き方だ。

  • 一気読み。

    負の遺産、かぁ

  • 大好きな東野圭吾。夢幻花ストーリーが複雑に絡み合ってて、後半からのそれが一本になっていく時のページをめくるのが止められない感じ!久しぶりだった!東野圭吾シリーズの中でもとってもおすすめ!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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