- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569769905
作品紹介・あらすじ
今読むべき女性時代作家の珠玉の名短編! 愛らしくも、ときに怪しげな存在でもある猫の魅力溢れる作品を収録したアンソロジー。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
女流作家による時代モノの猫短編集。
やはり宮部みゆきさんは凄い、印象深い一篇。
鯖猫長屋シリーズが気になっていたので、思いがけず読めて嬉しかった。時間が出来たら一気読みしたい。
西條奈加さん、『猫の傀儡』が面白かったので期待したのだが…収録作は好みではなかったかな。 -
2020年2月PHP文芸文庫刊。諸田玲子:お婆さまの猫、田牧大和:包丁騒動、折口真喜子:踊る猫、森川楓子: おとき殺し、西條奈加:猫神さま、宮部みゆき: だるま猫、の6編の猫にまつわる女性時代小説作家アンソロジー。森川さんのおとき殺しにでてくる猫たちに驚いてしまいました。
-
女流作家による、猫にまつわる江戸の時代小説アンソロジー。
「お婆さまの猫」諸田玲子・・・嫁ぎ先のお婆さまが飼っている猫が
行方不明になった。結寿は行方を追うが。
「包丁騒動」田牧大和・・・包丁が絡む人情話。長屋の住民の心情と、
絵師の拾楽と猫のサバのコンビの行動が事件の解決に。
「踊る猫」折口真喜子・・・蕪村と主水の和やかな語らい。
化け猫の絵の懐古が一つの作品を生む。
「おとき殺し」森川楓子・・・猫の網を侮るなかれ。
猫と話せる、国芳の弟子のおひなは、猫たちと事件の真相を探る。
「猫神さま」西條奈加・・・木彫の猫神様は何処に?
三治と勝平、逞しく生きる少年たちの知恵が騒動の解決に。
「だるま猫」宮部みゆき・・・火消しになりたかった。だが自分は
臆病者だ。そんな文治に角蔵が渡した“だるま猫”とは。
様々な“猫”の話を集めた、女流作家による江戸の時代小説の
アンソロジーです。
ミステリーあり、人情ものあり、そしてホラーというラインアップ。
長屋暮らし、武家、下働き等の生活に、“猫”を絡めた
悲喜こもごもの物語が並びます。“猫”を探す、愛おしむ、
一喜一憂する人々。でも猫は猫らしく生きて行動する。
「おとき殺し」の猫たちの溌溂とした動きの小気味良いこと。
「踊る猫」の“猫”は話に動きを与え、しっとりさせています。
さすがに「だるま猫」は不条理なホラー感でゾクゾクしましたが。
シリーズ物では、「狸穴あいあい坂」や「鯖猫長屋」の
他の作品も読んでみたくなりました。 -
猫って凄いです。どんな役割もこなせるし猫が出てくれば物語は必ず面白くなる。
不思議な存在。どんどん読みたくなりました。先ずは鯖猫長屋シリーズかな -
女性作家の時代小説アンソロジー。
シリーズもので、本作は猫がテーマ。
宮部氏の「だるま猫」は「原色江戸ごよみ」収録作。
猫そのものは出てこないが、猫の話で怖い。
猫は不思議な力を持っていそうで、いろいろな話になりやすいかな。 -
「猫」が入っているアンソロジーは、猫につられて読み始めてイマイチとなることが多いのだけど、この本は、なかなかによいです。
再読も、初めましての話もあったけど、それぞれによかったです。
個人的には折口さんの踊る猫が好きです。再読だったけど、じんわりときて、文庫本の可愛い表紙まで思い出してしまいました。