- Amazon.co.jp ・本 (110ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569782379
作品紹介・あらすじ
わずか6日間の滞在で、日本人の心を魅了した31歳のブータン国王。日本が大切にしてきた価値観を讃え希望と勇気をもたらした、来日中の活動のご様子を、通訳として同行した著者が語る。思いやり、謙虚さ…ブータン流、幸せの極意。
感想・レビュー・書評
-
読みながら、なんだか心が豊かになっていくような、
そんな気持ちになった。
あたたかく、謙虚で、
いつも誰かのことを思って生きている方。
遠いブータンの地から、
日本の震災のために祈ってくれていた人々がいてくれたんだな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
十年ちかく前に韓国に行ったとき、
年長者を敬うことや先祖をたいせつにする習慣が
脈々と受け継がれている韓国には、日本が経済の
発展とともに置き忘れてきたものが残っていると
感じた。
それと同じような感想をもった。
わたしも龍をちゃんと育てたい。 -
2012年35冊目。
代々ブータン国王から学ぶことは本当に多い。
特に、「国王の足跡のない村はない」と言われるほど、
徹底的に草の根を歩き、民の声を聞く姿を尊敬。
来日の際も、ある会合での500人の来場者一人ひとりと握手したとか・・・
世界を注目させるコンセプトを打ち出した人口70万人の小国。
これからも見続けたい。
そして近いうちに、行きます。 -
本屋さんでぱらっと開いて目に入った『戴冠式を迎えたワンチュク国王』の写真になぜかウルッときてしまったので買ってしまいました。
愛と誇りと決意がにじみ出ています。 -
わずか6日間の滞在で、日本人の心を魅了した31歳のブータン国王。
日本が大切にしてきた価値観を讃え、希望と勇気をもたらした、来日中の活動のご様子を、通訳として同行した著者が語ります。
以下は、本書「はじめに」より……
* * * *
2011年11月15日、ブータン王国第五代国王ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク陛下と同王妃ジェツン・ペマ・ワンチュク陛下が国賓(外国の元首・首相など、公式に来訪し、国家の大切な客人としてもてなされる外国人)として来日されました。その「小さな王国」の若きご夫妻のご滞在は、6日間という限られたものであったにもかかわらず、日本国中に大きな感動と反響を巻き起こしました。
ブータン王国は、インドと中国(本来はチベット)に隣接する南アジアの国で、九州とほぼ同じ大きさの国土に、約70万人が暮らしています。
ワンチュク国王陛下は、御父君である第四代国王陛下の命を受け、26歳の若さで2006年にブータン王国の第五代国王となられました。
王位継承後の数年間は、インド以外への外遊はなさらず、国民との対話に最も力を尽くされました。国内の情勢をすみずみまでお知りになるため、山間部の農村まで自らの足で歩いて回られる若き王様は、いまや国民から絶大な支持を得ています。
日本とブータンは国交を結んで25年を迎えました。第五代国王陛下の国賓としてのご来日は、その記念行事として2011年5月に予定されていましたが、東日本大震災があり延期されていたのです。
しかし、ワンチュク国王陛下は「こういう時期だからこそ一刻も早く日本を訪れ、亡くなられたかたがたのためにご冥福を祈り、そしてご遺族を励ましたい。日本がいま国を復興させようという時に、連帯の意を表したい」という明確なご意志をお持ちだったことから、今回、祈りを捧げるためのご訪日が実現しました。
国王陛下はその前月にジェツン・ペマ王妃と結婚式を挙げられたばかりで、ご夫妻にとってお二人そろっての初の海外訪問先としても、日本を選ばれたのでした。
ブータンの人々は日本人とよく似た容姿でもあり、親近感を抱くのも当然ですが、国王陛下に対する印象はそれだけではありませんでした。
今回のご訪日ではたいへん多くのかたがたから、
「国王陛下の謙虚でありながら堂々とした言動に感銘を受けた」
「素晴らしいスピーチに励まされた」
という声が聞かれたのです。
ワンチュク国王の一挙手一投足に、日本の皆さんが大いに共感し感動を覚えたのは、どうしてだったのでしょうか?
ワンチュク国王陛下が日本に届けてくださったものは何か、通訳としてご同行し、間近で接した立場から、ご訪日の様子を振り返りながらお話ししていきたいと思います。
* * * *
大人はもちろん、この国の未来を担う若い人たちに、ぜひよんでほしい一冊です。 -
ブータン国王陛下の
来日時の様子について。
1 気づき
2 共感
3 祈り
4 学び -
「GNH(Gross National Happiness)=国民総幸福度」と呼ばれる支障を用いて、【世界一幸福の国】と呼ばれるブータン国王について、書かれた本。
東日本大震災後のブータン国王・王妃の訪問で、
彼らが行った被災地訪問や大学等での演説、それを聴くだけで、
この人達がどれだけ誠実で、どれだけ謙虚で、どれだけ思いやりに溢れた人達かが分かる。
ブータン王国第五代国王ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク陛下、政治の世界にこんな心を持つ人がいることに、驚いた。
そして、日本という国に多大な敬意を表している。
それに見合う国の国民、そうなりたいな、と思った。
最後に、彼が話した被災地の子どもに話した【龍】の話、
凄く共感した。 -
ブータンのワンチュク国王の訪日の際に通訳として携わった方の著作。
国王が子供たちに向けた、自分の中に龍がいる、という話がとても印象深かった。
この話のためだけに読んだようなもの。
書籍としてはすごく薄くて、内容も足りなくて、物足りなさが残った。
時折挿入されている写真は楽しめた。 -
美しく若きブータン国王が来日したおりに通訳を務めたペマ氏による書。
震災地へ赴き、子どもたちに「自分の龍を大切に養いなさい、鍛錬しなさい」と話したことはテレビでも紹介されていた。ちなみにブータンとは雷龍の地という意味だそう。
また衆議院での演説も当時心を動かされたものだ。
「いかなる国の国民も、決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮に、このような不幸からより強く、より大きく立ちあがれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています」
この際の演説の全てが掲載されているが、全文において、ワンチュク国王の誠実さを感じる素晴らしいものだ。
国王の通訳を勤めたこの著者の経歴も興味深い。チベットに生まれ、ダライラマに従いインドに亡命。その後来日、中学校以降を日本で生活してきたという人。小さな子どもの頃の経験とは言え、亡命を経験している著者だからこその視点、ブータン、日本を愛する人の視点が随所に感じられた。