- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569823812
感想・レビュー・書評
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久しぶりに先が気になってぐいぐい引かれた本でしたが、最後の方はちょっと忙しい展開というか・・・
それまでの京都が放つ妖艶な雰囲気が、急に昼間のサスペンスドラマになってしまったようで戸惑いました。
それにしても、菜穂の一途にアートを想う気持ちがまぶしい。まあ、お金に困っていない人だからこそできることなのかもしれませんが。ここまで熱を注ぎこめるものに、何か出会いたい気分になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マハさんは海外の画家のエピソードとかを書くことが多いから今回もか?
と思っていたら京都が舞台。
作中の京都弁とマハさんの書き出す京都がなんとも怪しく魅惑の歴史ある芸術の街の空気を醸し出す。
最初は夫の一輝の気持ちに肩入れしていたのが読み進めて行くうちにどんどん菜穂の方に感情移入。
そして後半からのまさかの展開に一気読みでした。 -
2016.10
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「楽園のカンヴァス」の著者の、同じく美術の世界をテーマにした物語が読みたくて手に取った。
芸術家とその作品を世に出したいと願う者の感性は、サラリーマンの身にはなかなか理解し難いものと痛感。
そしてこの物語は、引き付けあうふたりの間に隠された秘密に辿り着く。 -
内容紹介
一枚の絵が、ふたりの止まった時間を動かし始める。
たかむら画廊の青年専務・篁一輝(たかむら・かずき)と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われる。画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた――。
京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。
『楽園のカンヴァス』の著者、新境地の衝撃作。 -
3.5
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一枚の絵が、ふたりの止まった時間を動かし始める。
たかむら画廊の青年専務・篁一輝(たかむら・かずき)と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂は、出産を控えて東京を離れ、京都に長期逗留していた。
妊婦としての生活に鬱々とする菜穂だったが、気分転換に出かけた老舗の画廊で、一枚の絵に心を奪われる。
画廊の奥で、強い磁力を放つその絵を描いたのは、まだ無名の若き女性画家。
深く、冷たい瞳を持つ彼女は、声を失くしていた――。
京都の移ろう四季を背景に描かれる、若き画家の才能をめぐる人々の「業」。
この人の描くアートの世界が本当に好きだ。 -
2015.7.1
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有吉美術館の副館長・菜穂とたかむら画廊の専務・篁一輝夫婦。放射能汚染を恐れて京都へ避難した妊婦の菜穂は画廊の応接室で見たある一枚の絵に魅了された。それは無名の話すことができない女流画家の絵だった。アート業界の経営が厳しくなる環境の中、あやうい均衡がいつか崩れ落ちそうな物語が始まる。
京都画壇や美術業界のドロドロとしたものが見え隠れする。夫婦、親子、男女、義母義父との関係が昼ドラのような感じで、いつか壊れるんだろう、それがどう壊れるのか、読み進めながらどきどきしてしまった。ただ、母親も菜穂も一輝も金持ちの鼻につく感じで感情移入はまったくできなかったけど、美術に魅了されることがこわいとは思った。 -
昼ドラのようなメロドラマ!
展開はあれだけど、
日本画や京都の文化の描写が美しかった。
表紙絵の「いだく」(髙山辰雄 東京国立きんだい)をいつか直接見てみたい。