ジャッジメント

著者 : 小林由香

• 双葉社 (2016年6月21日発売)

感想・レビュー・書評

[はちみつさんの感想 · 2019年2月24日]

被害者家族が加害者に対して、自ら罰を与える法。
たしかに家族を殺された者は、その犯人を殺したいと思うだろうが、果たして自分で手をくだすことができるだろうか。背負わなくていい罪悪感や喪失感を、むだに与えられるだけのような気もする。
しかし、今の時代こういうのもあってもいいんじゃないかなと思わなくもない。。

[HSさんの感想 · 2018年12月19日]

「復讐法」という設定は面白い。
ニュースなど見聞きしていても、被害者を苦しめる法だなぁと感じることは多いし理不尽だと思うことも多い。
そういう点では復讐という発想はありだな、と。
でもストーリーの中身は非現実的で、あまり馴染めず。
ただ、裁くことの難しさというのはよく分かった。

[kia2さんの感想 · 2018年11月16日]

穏やかで安全な場所にいる時には分からないものがある。

[0071さんの感想 · 2018年10月24日]

連作短編集。

あらすじ
復讐法がある社会。犯罪被害者・遺族が、犯人に対して通常の懲役か、被害者と同じ苦しみを与えるかを選べる。ただし、復讐法では被害者・遺族が手を下す。場所は「刑事施設」。担当する応報監察官鳥谷文乃はなんとなくもやもやしながら仕事を行う。
・息子を若者たちに暴行の末殺された父親
・自分の母親を娘に殺された女性
・恋人・母親・弟を通り魔に殺された３人。
・幼い少年同士の喧嘩、片方の祖母で占い師が別の少年を殺害する。残された母親は復讐法を選ぶが、占い師に負ける。
・母親と再婚相手に妹を殺された幼い少年。罪状と同じく餓死させようとするが、それは少年自身も追い詰めた。

発想は面白かったけど、なんか中途半端。設定が特殊なのに、通常の人情味を入れようとするから、設定のスリリングさも、人間の機微も浮いてしまっている。どうせなら主人公がめっちゃプロに徹して、ドロドロした人間の闇とかあったら面白かったと思う。

[のがままさんの感想 · 2018年10月12日]

実際に大事な人に何かあったら、きっと復讐したいと誰しも一度は思うだろう。
でも、加害者に対してではなく、大切な人の思いに気づけなかった自分を悔やみ、応報に向き合いながら大切な人の思いに目を向けて行く被害者家族と監察官から目が離せなかった。

[seanさんの感想 · 2018年9月28日]

最初に復習の描写がいきなりあり、想像するとぞっとする。

[うぐいす㊗️7周年さんの感想 · 2018年9月21日]

設定自体はとても面白いし考えさせられる部分もたくさんあったけど、よく言えば分かりやすくて読み易く、悪く言えば特に山場もなく淡々と過ぎて行く作品でした。

[さっこさんの感想 · 2018年8月29日]

犯罪者の人権は守られ、被害者については個人情報などがダダ漏れの日本。

「復讐法」が制定された近未来。自らの手で加害者を罰することができる。
よくドラマなどで「復讐は何も生まない」などというセリフがあるが、でも泣き寝入りして忘れることなどできるはずもなく。
復讐すること、あるいは極刑に処されることだけを希望にようやく生きている被害者の人たちもいるだろう。
心の傷を癒すために復讐が必要かもしれない。
復讐は復讐を呼ぶだけかもしれない。
復讐を果たして、結果幸せになれるのか。
人の心に深く問いかける作品だと思う。

[rabumamaさんの感想 · 2018年7月14日]

登場人物の言動にリアリティがなさすぎて
突っ込みどころ満載。

でも設定自体は面白く
どのケースも現代社会の問題にあてはまり
正直こんな刑があったらな、とも思ってしまう。

[amazonrevierさんの感想 · 2018年6月23日]

仮定ではあるが、人々の心の奥にある気持ちが法となった「復讐法」。
実際に施行されたらこんな問題が生じるよな、と思いながら読んだ。何となく漫画の「イキガミ」を連想した。
占い師のとこがすっきりしなかった。

著者プロフィール

1976年長野県生まれ。11年「ジャッジメント」で第33回小説推理新人賞を受賞。2016年、同作で単行本デビュー。他の著書に『罪人が祈るとき』『救いの森』がある。

「2020年 『イノセンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」