- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575241532
感想・レビュー・書評
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面白かった。
遺品整理は、人ごとではなく、自分も、それをする人にもさせる人にもなりかねない現実。
小説ではあるけれど、粗大ゴミが一度に出せないとか、土産物のこけしやクマやおきあがりこぼしの山、それを捨てるなんてとんでもないという夫の存在とか、あるあるが満載で、リアルで生々しくて、主人公のように、もういい加減にしろと叫びたくなる。
ではモノは少なければいいのかというと、そうとも言えないのでは。と考えさせてくれるストーリーで、結局中庸が大事。程度問題。コミニュケーションや人間関係が生きやすさや人生の豊かさを左右する、など考えさせてくれました。
ありそうでないこういう小説を、もっと読みたい。
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私の両親、義父母、4人は健在。
おそらく、そう遠くない未来にやってくる現実を
予告として見せられた感じがする。
あの開かずの間には何が潜んでいるのだろう・・・と。
いやいや、そうじゃなくて。
物語は私くらいの年齢の者には非常に現実的だ。
それは片付ける立場としても
片付けを依頼することになる立場としても。
終活大事、断捨離大事。
誰にとっても母は母、姑は他人。
それは自分の兄弟の妻にとってもそうなのだなぁ。
姑も実母もどちらも生き方はそれぞれだけど、
死に方を教えてくれる
一番身近な人なのかもしれない。 -
他人事ではない話。近い将来必ず主人公のようになるのが目に見えている。考えただけでもゾッとする。実家に帰るたびにいろんなもの捨てるけど、その横でもったいないと取っておく母がいる。後をどうするつもりなんだろう…。何代も続いたお家だからそのまま引き継ごうとするつもりか…。いや無理よ無理。老人2人しかいない田舎の家に何故冷蔵庫が4つもあるのよ…。それを処分することを考えただけでも気が遠くなる…。我が身に返るお話でした。
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本書の題名を見た時には、どストレート過ぎて笑った。
そしてまだ読んでいない段階ですぐに友人一人と先輩一人に、本書の存在を知らせた。
この題名は私達世代の心の声そのもの。
介護問題も抱え、姑の家だけではなく実家のことでも「処分」に悩み苦労をしつつ、だからこそ自分のような思いを自分の子供逹にはさせまい、なるべく迷惑をかけまい、子供逹から恨まれたくないという一心で自分の家の断捨離や生前整理をしている、そんな私達には垣谷さんの作品は「あるある」ものだから。
(周りには、そんな人だらけなのだけれど、一応、読書好きの人にしか勧めていない)
本書の主人公は私より偉いなと尊敬する部分と、好感の持てない言動とがあるが、とにかく全体的にはあるあるネタ満載なので、いつも通り面白かった。
垣谷さんの新刊はとても楽しみにしている。
しかしブクログでどなたかが書いていらしたので私は助かった口だが、文庫化にする時に改題する手法は読者を騙すようで紛らわしいのでやめていただきたい。 -
親と話せるのは生きている間だけなんだよなと、しみじみする本。
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姑が残した遺品整理をする女性の話。遺品整理をするうちに、姑の交友関係を知り、助けてもらう。
幸いなことにまだ私は遺品整理をしたことはない。物は、他人から見るとガラクタでも、本人やその家族にとっては思い出があり、宝物の場合もある。こういう思い出を整理し、厳選していく作業って、中々辛くて、大変なんだろうな。
今はミニマリストやシンプルライフが推奨される時代。自分が好きなものだけに囲まれて生活し、残される人には極力迷惑がかからないように物は増やさないようにしよう。 -
面白かった。
親婚活の前作もかなりノンフィクションっぽい
作風だったけど、こちらもかなりありがちな
展開を細やかに切り取っていて、その途方もない
お片付けに立ち合っている気分で面白い。
そして義母と自分の母との違いを
それとなく実感しながら
自分の過去と向き合っていく過程も共感できる。
人は後悔なく生きることはできない。
すべてを悟ることも、先回りすることも
なかなかできない。そのもどかしさも
受け入れてから、開く世界もあったのだ。
これ、間違いなく映画になるね。 -
読みやすかった!舅の遺品整理も迷惑です。(現在進行形)