贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.64
  • (738)
  • (2050)
  • (1812)
  • (287)
  • (48)
本棚登録 : 20447
感想 : 1416
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幼い頃にかけられた呪いの言葉を4人がどう捉えているのか、どのように償っていたのか、どう生きて来たのか。細かく書き分けられていてスラスラ読めた。
    “贖罪”という題名がぴったりな作品。

  • 2度目の読了。
    それぞれの登場人物の独白スタイルなので、少しずつ真実が明らかになっていく。同級生4人の贖罪の話と思いきや、最後にどさっと悲劇の真実が来て、麻子さんの贖罪も含まれていたのか…。と。田舎の陰湿的な雰囲気や麻子に対する嫌な雰囲気はリアルなのか、誇張なのかわからなかった。

    4人それぞれ、書き分けがしっかりされていた。自分だけ役目を全うせず、逃げてしまい、麻子さんにかけられた呪いの言葉を心に刻み、責任感が強く懸命に生きる真紀、そこまで深く考えていない由佳、捕まっていない犯人に怯えるがため、身体が少女のままでいたがる子、それぞれが誰かを殺めてしまう。

    wowowで数年前にドラマ化された物を見始めた。女優陣も好きな面々ばかり!特に小池栄子さんと小泉今日子さんはイメージともピッタリ。

  • 一章づつ、登場人物の独白に近い形になっています。個人的には読んでいてとても楽しかったです。点と点が線に繋がる、彼女の作風はかなり好きです。

  • 1つの事件に対してそれぞれが少しずつ異なる思いを抱えていて、読む分には面白いが現実に置き換えるとこのような捉え違いほど恐ろしいものはないと思った。記憶を消して、エミリちゃんの母の語りから読んだとしたら彼女に対してもう少しポジティブな印象を受けられる気がした。田舎の子供は視点で語られている部分ではどうしてもエミリちゃん母を悪者としてしまう。


    読書時間がなかなか確保出来ず読むのに数日かけてしまったことが残念。そのせいもあってか、登場人物を頭の中で整理できない瞬間が度々あった。一気読みすべき作品。

  • 相変わらずの湊節。
    こういう重たいのって本当に心が削られるけど、それと同時に言葉では言い表せない感情が湧いてくる。しかも湊さんの作品は優しさが数滴混じってる感じが更に好き。罪を背負わされた方も背負わせた方も各々が各々の贖罪を受ける様は悲しくもあり儚くもあった

  • 主要な登場人物5人の、それぞれの目線が語られ物語は進んでいく。
    5人なので、読む時の集中力を結構使ってしまった。
    自分は忘れやすいので、何度もこの人はどういう経歴を辿ったんだっけ?と読み返したことも多々。

    読んだ感想としては、麻子さんの自己中心的な考えのせいで、4人の少女+娘を罪の連鎖に巻き込んでしまった悲しい話だなと感じた。
    麻子さんみたいに自分の幸せが大事だという考え方は正常なものであるし、それを周りに迷惑がかからないようにする必要があるなと感じた。
    娘であるエミリちゃん視点の話も見てみたかった。

  • 友人に借りて読んだ。
    湊かなえさんらしい書き方の小説だった。
    読みはじめたら止まらず、一気に読んだ。
    ちょっとだけ複雑な人間関係の小説。

  • 忘れかけた時に読み返したけど、やっぱり凄まじいエンディング。真実を知ってるか否かで犯人の心情狂うよね。しかしカルマですね

  • 5人の視点から描かれた作品
    少女の殺人事件をきっかけにその少女の友人4人の視点と少女の母親の視点が描かれており、
    麻子さんとは?と読み進めていくとそれぞれの視点から少しずつ犯人が明らかになっていくため、読み進めるのが楽しい。
    友人4人は大人になるまでずっと少女の母親のヒステリックな約束に縛られ、その事件を忘れられず、殺人事件の情景がフラッシュバックし身近な男の人を殺してしまうというストーリーになる。
    何もなかったら幸せになれたはずの人生が小学生のときの事件という一点がきっかけで狂ってしまうことに、気の毒さと恐怖を感じる。
    それも、結果として少女の母親の過去が関係しているのだからより一層、友人4人は巻き込まれたというような状況。
    殺人事件の内容が性に関することであり、それを目の当たりにしたのが、少女達が第二次性徴期の始まりにあたる時期。女性として生きることにも影響が出たということだろう。

  • 償うことに囚われていて負の連鎖が止まらないのが読んでいて辛かった…。麻子さんのために本当にすべきことにもっと早く気付いていたらこんなことにはならなかったんだろうなあ。

全1416件中 121 - 130件を表示

著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

湊かなえの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×