贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

感想・レビュー・書評

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  • 今日読み終わった♪本筋と違うかもしれないけど、ちょっとしたすれ違いとかが、思いがけず大きなすれ違いになることって、いっぱいありそうだなって思ったり。

  • 面白かった。
    告白を知って是非読みたかった。
    期待を裏切らないでくれた。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「期待を裏切らないでくれた。」
      何を期待されていたのでしょうか。。。展開、カタルシス?

      「告白」「贖罪」「夜行観覧車」と3冊買ってズッと眠...
      「期待を裏切らないでくれた。」
      何を期待されていたのでしょうか。。。展開、カタルシス?

      「告白」「贖罪」「夜行観覧車」と3冊買ってズッと眠らせている。映画になった作品は先ずDVD借りて観てから、、、と考えていたらズルズル後回しに。。。
      (何言い訳してるんやろ?早く読まなきゃ)
      2013/04/18
  •  過去に友人が殺された事件に巻き込まれた四人の少女とその友人の母親の独白からなるイヤミス。友人が殺された日から負の連鎖が始まり、母親の独白で四人の独白の不可解な伏線が一気に回収されるのが見事だった。それにしても、「湊かなえ作品は名探偵が出てくるわけでも魅力的なトリックが出てくるわけでもないのにこんなに面白いのは、登場人物の掘り下げに説得力があるからなのかな?」という感想が浮かんだ。

  • 初めての湊かなえ作品。
    イヤミスというジャンルも初めてだと思う。
    イヤミスってどんなもんかなと思っていたが、想像をはるかに超える嫌さだった。
    お話としては15年前少女が殺害され、直前まで遊んでいた四人の少女は犯人と思われる男性と会い会話もしていたのだが、何故かみんなが顔を思い出せず事件は迷宮入りしていた。殺された少女の母親はまだ若い四人に犯人を見つけるか償いをすることを求めた。
    それによってこの四人、母親、そしてこの事件がどの様になったかを追っていくものである。
    それぞれがそれぞれの場面で過去と今を独白していく形式で、心理描写が細かく書かれておりそれぞれの結末に至るときに、毎回心が引きずり込まれるように感じた。
    行き帰りの電車で読んだので、毎回その日大失敗したような気分で家に帰ることになった。
    でもこの食らう感じが逆に癖になり、他の作品も読んでみたいと思った。

  • 整理しながら読み進めていかないと、追いつくのが大変なストーリー構成でした…。
    最後はそうなるのか…と、トリハダ。
    やっぱ伏線回収がすごいんだよな。

  • 面白かったけど、大どんでん返しはない印象。目撃者だった女の子達が、それぞれの方法で罪を償っていく。エミリちゃんのお母さんから言われた言葉にずっと囚われて、心身ともに体調を崩してしまう子もいれば全然気にしていない子もいる。その中で、結局は、エミリちゃんのお母さんが蒔いた種子に、子ども達はただ巻き込まれてしまっただけだった。
    エミリちゃんのお母さんは、自分のことしか考えてない自己中心的なやつだったが、巻き込まれた女の子達は、成長するにつれて、エミリちゃんのお母さんの気持ちを考えることができていた。読む前と読んだ後もただただいやーな気持ちになりました。

  • 「告白」のときもそうでしたが、娘を持つ母親としては読むのが辛い作品です。

    私も娘が同じ目に遭ったら、同じように思ってしまうかもしれません。
    自分の子どもと同じ歳の子が、生きていて、成長して、それぞれの人生を歩んで行って、なぜそこに我が子はいないのか?と。

    しかし、彼女の場合は違います。
    なにしろ、これは因果応報だったのだから。
    巻き込まれた少女たちは本当に気の毒でした。

  • ある事件のせいで仲良し4人組の人生がまるっきり変わってしまった。全員が病気のようで読んでて重々しくてずっしりくる。全員が感じていることは分からなくない。犯人以外誰も悪くない。正常じゃないときに入ってくる言葉、視覚、情報はどれほど彼女たちを苦しめたのかと思うと同情する。
    たしかにイヤな感じだけど真実が明かされていく感じが嫌いじゃない。

  • 湊さんの『告白』を読まれたことのある方なら、類似の雰囲気だなあと感じてもらえると思います。あるいは『告白』パート2か、と思われるかもしれません。

    つまりは所謂イヤミス系の作品であります。

    筋は色々なところに書いてあろうかと思いますので敢えて書きませんが、とある少女の殺人事件を巡り、その友達たちが人生を狂わせていくという話です。

    ・・・
    さて。ふと、湊さんの作品の「イヤミス」の「イヤ」の理由が気になりました。
    いやな気になるのは読後でなく、読中で既にそうなんですが、なぜこんなに作中人物に嫌悪感?違和感?を感じるのか。なぜこんなにいやらしい人物であると感じるのかと。

    で、私が一番感じたのは登場人物の「独善性」ということです。

    本作のメインキャラは女性4人と、その友達だった亡くなった子の母親、計5人です。作品の構成上、各章がそれぞれこの5人の独白の形式になっていることも独善的雰囲気を強める結果にはなっているかとは思います。

    どういうことか。
    この5人が5人とも、「〇〇する方が良いと思った」というような口調なのです。しかし、その感じた・思ったという判断は、コニュニケーションを経て判断したということでなく、そう感じたから・普通そうでしょ、といった印象判断である雰囲気が強いのです。そこに自分を疑う・過誤の可能性を疑うことがないことから、独善的態度の印象が強くなります。

    また、こういう態度は確かに「ありがち」であることが、読者を(良い意味で)イヤーな気持ちにして離さないのかもしれません。かくいう私の家内や母親も「良かれと思って」動くタイプ。いや迷惑なんだけど・・・、何で話してくれないのかな・・・みたいな。善意から始まる「はた迷惑」と言っては申し訳ないのですが、そういう雰囲気。

    フィクションなので、多少過剰感はあるのですが、あながち居てもおかしくない位の独善さがイヤーな感じにさせます。

    ・・・
    もう一つ。映像美が頭に浮かぶ!
    むべなるかな、本作はWOWOWでドラマ化されていますが、映像化が非常に合いそうだなあと感じました。

    空気がきれいだと、それだけが取り柄の超ド田舎の街。そこに越してきた都会っ子。その都会っ子と仲良くなる四人。計五人のグループはとある夏休み、学校の校庭で遊ぶ。工事のおじさんという不審者。不審者と手をつないで消えていく都会っ子。

    こうした夏の暑い日の状況が自然と頭の中に浮かびました。あるいはこの舞台設定が昭和的日本人に刺さるというだけかもしれませんが笑。

    なお、キャストを見るとこれまた魅力的な皆様です。読後にドラマで見返すのも乙なものです。

    ・・・
    ということで湊氏のイヤミス系作品でした。

    最近キリスト教系の本ばかり読んでいるためか贖罪というとAtonementというキリストが人類の罪を代わりにかぶってくれたという話を想起するのですが、そういうものではありませんでした。

    猛暑の今、夏休みの今、舞台設定と同様の季節です。木陰の下や帰省の行き来など、類似の設定でスリラーを楽しんでいただけたら幸いです。

  • 人形愛好家の夫、小学校に乱入する男、再婚した人の娘を犯す兄、義理妹を孕ます義兄、そして実の娘と知らず犯す父親と、ヤバい男ばかり出てくる。

    エミリの母親の麻子は最初は得体の知れない狂気の母親のような印象を持つけれど、最後の独白によってただのワガママお嬢様であることが分かる。確かに嫌な女ではあるけど、自殺を見せつけられたり娘を殺されるほどのひどいことしたのか?別に無理やり意中の人と別れさせられたわけではないよね?

    復讐と言えど犯す必要までなかったのでは無いかという意見を見たけれど、娘をもつ親としてはただ殺されるよりもその方がもっと辛いのがわかるので復讐としては合っていると思う。ただただエミリちゃんが可哀想。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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