十三回忌 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
2.84
  • (4)
  • (9)
  • (39)
  • (17)
  • (6)
本棚登録 : 266
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515961

作品紹介・あらすじ

自殺とされた資産家夫人の不審死。彼女に呼び寄せられるかのごとく、法要のたびに少女が殺される。一周忌には生きながら串刺しにされ、三回忌には首を持ち去られ、七回忌には唇を切り取られていた。そして迎えた十三回忌、厳戒態勢の中、またもや事件が起きた-。巧みな謎と鮮やかな結末に驚愕必至の長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ひたすら どうやって?を楽しめた、一冊。

    資産家夫人の不審死を発端に法要のたびに起きる猟奇殺人事件。

    三、七…ついに十三回忌でクライマックスを迎える。

    串刺しだの首無しだの唇持ち去られだの…とにかく猟奇っぷりが半端ない。

    一番戦慄を覚えたのは首無しのトリック。これはどんな表情でこれをしたのか…想像したくない。

    串刺しはこってるなぁ…図解も欲しかったぐらい。

    人物像にあまり焦点があてられていないせいもあるのか、誰にも感情移入はしない。その分、ひたすら どうやって?に興味惹かれ、楽しめた作品。

  •  金田一耕助シリーズや御手洗潔シリーズを彷彿とさせる本格ミステリー。仮面のトリック、首の切断、唇だけ切り取られた理由、そして串刺しの謎が解き明かされていく場面は面白かった。ただ、「一歩間違えていたらとんでもトリックなのでは?」とも思ってしまった。

  • 殺害のトリックがすごい。仮面のトリックはなるほどと思ったが、死体が木に刺さったトリックと、斧で首を切った方法は「そんなのありか」と思ってしまった。突飛すぎて、一歩間違ったらバカミスの域だが、一応筋は通っている。著者を「やりすぎ本格」と評するのを見たがまさに言い得て妙。ハウダニットの部分で声を上げてしまうのは久しぶりかもしれない。

  • 06月-14。3.0点。
    海老原探偵シリーズ。静岡の資産家当主の妻が自殺し、その後妾の娘が、一周忌、三回忌、七回忌と次々に殺害されてすべて迷宮入り。十三回忌には何か起きるのか。

    うーん、殺害方法がちょっと手が込みすぎているかな。でも破綻はしていない。真犯人は、意外だった。

  • 仮面のトリック...ブランコ...そして串刺し...
    トリックは"バカミス"に近いが、面白いは面白い。
    そして例えばコウモリや酒、木の表皮、切られた唇、落ちている焦げた綿などなど、主となるトリックを行うと起こってしまう小さな謎も良かった。

    小島さんは島田さんとの共作がデビュー作なわけだし、当然島田さんのことは意識しているだろう。
    トリックの突飛さという点では共通しているが、突飛であろうとも納得できてしまう"筆力"が小島さんにはまだないなと感じた。
    あと探偵の海老原の脇役感が否めない...

    既に手元に「扼殺のロンド」「祟り火の一族」もあるのでそちらは進化していることを期待。 

  • もはや犯人を当てたり、犯行手段を推理したりの段階を超えて、ハチャメチャな謎解きに感心する/呆れる/爆笑する/憤慨するのが、正しい楽しみ方だと思う。これでも小島作品としてはまだ大人しい方なんだが。

  • 偶然による産物が多い気がしたけど全体的に好み。海老原探偵も好き。

  • 困難な状況でどうやって連続殺人を行ったのか?
    そこだけが焦点になっている本格推理小説。トリックや仕掛けに興味があるミステリーファンだと評価は違うのかもしれないが、そこまで熱心なミステリーファンではない俺にとっては、それ以外の目の粗さが気になって、どうも集中できなかった。

    警察官同士の会話も、資産家一家の関係も、名探偵の冴えっぷりも、どれもボヤーっとしてる感じで残念。人間描写は二の次…っていう小説もあっていいのだろうけど、俺にはちょっと読みづらかった。

  • なかなかトリッキーな連続殺人事件。
    最後に突然海老原が真相を暴き出すので、あっという間に真相がわかってしまった感じ。
    個人的に複雑な家系図の推理小説は大好きなんだけど、こんな家族関係の一族がみんな一緒に暮らすのはつらいだろうな・・・

  • 「やり過ぎミステリ」と聞いていたのですが、読中はどこがやりすぎなのかと不思議に思いながら読み進めていました。読み終わってみると伏線を貼るのも回収するのもしっかりできていてちゃんと本格トリックでしたし、幕間にも想像はつくもののそのままではないし、いろいろ仕込んであってこういうところがやりすぎと言われるのかな、となんとなく納得する部分がありました。警察や探偵がもう少し魅力的だともっと読み易くなると思いますが、楽しめましたしこの作風は割と好みです。デビュー作のようですので成長した他の作品も是非読んでみたいです。

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

埼玉県生まれ。2005年、島田荘司氏との共著により『天に還る舟』(南雲堂)を上梓。2008年、『十三回忌』(原書房)で単独デビューを果たす。2015年、『扼殺のロンド』(双葉社)で第6回「駅の中の本屋さんが選んだエキナカ書店大賞」を受賞。スケールの大きなトリックと、どんでん返しを得意とする。趣味はリバーカヤックと散歩。ビールが大好物!主な著書に『怨み籠の密室』(双葉社)、『ブラッド・ブレイン1~3』(講談社)、『モノクローム・レクイエム』(徳間書店)、『愚者の決断——浜中刑事の杞憂』(南雲堂)など。

「2022年 『仮面の復讐者 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小島正樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×