水難女難-大富豪同心(7) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575665215

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ7作目。そろそろ私も飽きてもいい頃なのだが、これが結構面白くて止められない。今回も卯之吉らしく付け狙うお峰に対抗し、さらに大雨による江戸の米不足にも対応。同心としてより蘭方医としての働きの方が凄い? 水谷さん、源之丞も大活躍。吉原の四郎兵衛番所が出てくると、裏同心が出てくるんじゃないかと思ってしまうけど、関係なかったね ^_^

  • シリーズ第七弾。 梅雨の長雨で関東全域が洪水罹災し、江戸の米蔵も水没。米不足に陥り大混乱の江戸の町。値上がりに不満を持つ住民達の間に、米屋、米問屋、札差を狙う打ち壊しが囁かれ、不穏な空気に包まれる。その機を利用し、吉原の不幸な女を束ねる一方、町人を煽動し打ち壊しを企む、元盗賊夜霧ノ治郎兵衛一味の残党お峰。狙いは卯之吉暗殺と豪商三国屋の財力。打ち壊しの住民が扇動され三国屋にも向かい、絶体絶命の窮地に立たされた卯之吉が思いついた奇想天外な策とは…。混乱の中豪遊する卯之吉と最強敵役お峰の暗躍に、びっくり。

  • 梅雨の長雨で川の水が浸水し、貯蔵していた米も水に浸かって米不足に。お腹を空かせた町の人たちは、米の値段が高騰しているのは米商人が買い占めているからだと考え、打ち壊しをしようとする。
    町の緊張感が増していくのが怖かった。
    今までのシリーズと比べて、今回は少し重かったが、飢饉になった時の町の雰囲気や状況がどう変化していくのかが描かれていて、興味深かった。 

  • 梅雨の長雨で関東全域が洪水になり江戸の米蔵も水没。米不足で江戸の町もいつ打ち壊しの騒動が起きるかとピリピリムード。徳右衛門さん、強欲じじいかと思ってたら「十万両ぐらい、また稼ぎ直せば良いことにございますよ!」とぽ~んと十万両出すやなんてかっこいい!金は天下の回りもの。商人さんは町人が元気じゃないと稼げませんから。弥五さんも相変わらず剣術はかっこよかったですね。あら?卯之さんは?一応お米の手配とかしてたんですけどね。打ち壊しを開始しても米屋が通常販売すればおとなしくお金を出して買って帰ったというのは驚きです。お峰は、とうに卯之さんの正体気づいて、いろいろ作戦練ってるのに、男連中は誰も気づかないで心酔してたり。やっぱり女は感がいいなぁ。

  • 美鈴さまとはどうなるの?

  • 大富豪同心シリーズ、7作目。

    梅雨の長雨で江戸の街が洪水に見舞われ、米不足に陥る事態となる。
    おふざけ全開のこのシリーズだけど、水害に見舞われた江戸で一体どのようなことが起こるのか、その時代の世相が上手く組み込まれ、今作は勉強になった。洪水の後の米不足に対し、三国屋を始めとする米問屋商人たちがどういう行動を起こして対処するか、見事な采配ぶりで感服。で、全財産を投げ打った三国屋だけに、今後の卯之吉の身辺はどうなるのか、気になる展開が続きます。

  • 大富豪同心シリーズ7作目です。
    梅雨の長雨で江戸が大変なことになってます。

    卯之吉は相変わらず。
    他の常連が吉原通いを断念する中、遭難しかけても遊びに行ってます。
    それでも江戸市中が水浸し、水陸両方とも交通網が分断されるに至り、
    極楽トンボの卯之吉も流石に心配し始めます。
    備蓄された米は駄目になり、新たに回送する手段もありません。
    一方町民達はひもじくて殺気立ち、打ち壊しへまっしぐら。
    卯之吉を付け狙うお峰も暗躍して、標的が三国屋に決定。
    遊蕩費の出所を失ったらさあ大変。
    「卯之吉どうするっ!?」
    といったところです。

    それにしても、「ゴキブリのような素早い動き」とは。
    仮にも主人公なのに、凄い云われ様でした。
    まあ、へなちょこながら必死で逃げる様子は良く分かりましたけど。
    卯之吉はもちろんいつもの通り、
    後援会(笑)の皆様に助けられて美味しいとこ取りでしたが、
    今回大きく株を上げたのは、三国屋の主、徳右衛門でした。
    そう、あの卯之吉の祖父、エネルギッシュな業突く張り商人です。
    いやあ、商人魂ここに極まれり。
    天晴れでした。

  • 長雨による水害で米不足に陥り、飢餓にあえぐ江戸の町。
    卯之吉を狙うお峰たちはこの機に町人を煽動して打ち壊しによる治安破壊、同時に卯之吉暗殺を狙う…
    このような水害で江戸があっという間に餓えてしまうとは知らなかった。全編雨に降られてジメジメした巻だが面白かった。出番は少なかったが卯之吉の祖父、三国屋の太っ腹がかっこいい。

  • 第七弾
    お江戸の大洪水でのコメ不足での打ち壊しの背後に、卯之助の暗殺を謀るお峰一統?
    深くは考えなくていいシリーズだがやはり?
    人物それぞれ大活躍か?

  • 毎度すっとぼけたすっとこどっこいの八巻だが、不思議と事件は解決する。特に秀でたものもないのに(蘭方医術とはあるにはあるが)またヒーローでもない主人公だからいいのだろう。
    しかし、実家の三国屋がすっかり無一文になってこれからどうなることやら。

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著者プロフィール

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

「2021年 『騎虎の将 太田道灌下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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