イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓

著者 :
  • 二見書房
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576190310

感想・レビュー・書評

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  • 息抜きにとても良い本。クリスティー作品に登場するお菓子と料理が写真と時々レシピ付きで紹介。こんな風に書かれていたっけ?と復習になりよかった。想像力で味わったが、たまに説明のみで写真が無いものがありモヤモヤして検索した。

    • fukayanegiさん
      111108さん

      なるほどー、バターたっぷりパンケーキ風でしたか。
      ちょっと気になってはいたもののわざわざ調べるまでに到達しなかった消化不...
      111108さん

      なるほどー、バターたっぷりパンケーキ風でしたか。
      ちょっと気になってはいたもののわざわざ調べるまでに到達しなかった消化不良が解消しました!
      次に出会ったときはイメージばっちりです!
      2024/04/21
    • ちぃさん
      こんにちは。クランペット、とてもおいしそうですね。
      小説の中に出てくる場所や料理、気になると調べずにはいられません。こうして一冊にまとめても...
      こんにちは。クランペット、とてもおいしそうですね。
      小説の中に出てくる場所や料理、気になると調べずにはいられません。こうして一冊にまとめてもらえると助かりますね。
      2024/04/27
    • 111108さん
      ちぃさん♪

      左右対称・四角形が好きなポアロのために、執事ジョージは何と四角いクランペットを用意するんですよ!
      イギリスの食事はあまり評判良...
      ちぃさん♪

      左右対称・四角形が好きなポアロのために、執事ジョージは何と四角いクランペットを用意するんですよ!
      イギリスの食事はあまり評判良くないみたいですけど、この本に出てきたのは全て美味しそうで私好みでした。ぜひ見てみてください♪
      2024/04/27
  • 2019初版 だが、『アガサ・クリスティーの食卓』1998年の改訂版かな?

    クリスティーの作家活動時期1920〜70
    ビクトリア時代から続く絶頂期の大英帝国から、
    植民地を失い帝国解体の道を辿ったイギリス

    『バートラム・ホテルにて』
    シードケーキ

    『青列車の秘密』
    チーズとプディング チーズはスティルトン

    『ブラック・コーヒー』

    『アクロイド殺し』
    ベジタリアンカツレツ~ナッツカツレツ

    『第三の女』『春にして君を離れ』
    ベイクド・ビーンズ とトースト マッシュポテト、ベイクドポテト、ソーセージ

    『ABC殺人事件』
    イチゴ

    「世界の果て」
    ミント

    『そして誰もいなくなった』
    牛タンの缶詰

    『ナイルに死す』
    デリカテッセン

    『厩舎街の殺人」
    ごちそうオムレツ~マッシュルームのオムレツ
    講師肉のホワイトシチューにグリンピースのフランス風


    「忘られぬ死」
    ローズマリー

    『ヒッコリー・ロードの殺人』
    ホットケーキ(クランペット)

    『パデイントン髪4時50分』
    カモマイル茶とリンゴのメレンゲ

    『動く指』
    ブレッド・プディング

    『二十四羽の黒つぐみ』
    ステーキとキドニーのプディング

    『複数の時計』
    ポアロのティセーン(薬湯)

    『ポケットにライ麦を』
    マーマレード

    『六ペンスのうた』
    魚 鱈のポーチドエッグ サーモン 舌ヒラメ

    『七つの時計』
    ふっしゅ&チップス

    『スリーピング・マーダー』
    ジンジャー・ブレッド

    『杉の 』
    フッシュ・ペースト

  • 読んでいて楽しかった。

  • 桃のシチュー(料理人の失踪)
    クランペット(ヒッコリーロードの殺人)
    リンゴのメレンゲ(パディントン発4時50分)
    ビーフステーキとキドニーのプディング(二十四羽の黒つぐみ)
    糖蜜タルト(運命の裏木戸)
    等々、アガサ・クリスティーの小説に出てくるさまざまな料理、パン、菓子を取りあげたレシピ本……かと思って借りたら単なるレシピ本では全然なかった。イギリスの食文化と暮らしの豆知識がたっぷり盛り込まれ、その食材や料理が食べられてきた歴史的背景なども解説されている。予想外に読み応えのある一冊だった。


    ≪メモ≫
    ●ほんもののシードケーキ 『バートラム・ホテルにて』より
    「今まで食べたこともないようなケーキは、イギリスの人たちにとっては魅力がないし、誰も食べたいとは思わないことでしょう。」
    おお~なんだか英国っぽい(イメージ)。今でもお母さんのシードケーキのレシピが娘に受け継がれているのだそう。そもそもは、春の小麦の種まきが無事終わった祝いの宴でふるまわれるケーキだったらしい。国民の大切なケーキなのね。レシピを見るとちょっと癖ありそう。


    ●牛タンの缶詰 『そして誰もいなくなった』より
    小説の中で何度も出てきた牛タンの缶詰。登場人物の一人は「もう缶詰の牛タンなんて見たくない!何も食べない方がマシ!」とキレていたが、私は一度食べてみたいなと思った。日本でも売られているのかな?少なくともうちの近所のスーパー3軒では見かけない。
    この本では缶詰の起源も紹介されていて、とても興味深かった。というのも、どうやら缶詰の発明には日本のある小物が一役買っているらしいのだ。
    ・世界初の缶詰を作ったのはイギリス人ピーター・デュラン(1810年)
    ・缶詰のヒントとなったのは、デュランが自宅で使っていた日本の茶筒。
    ・日本と貿易関係にあったオランダ人が日本の茶の文化に接し、それが本国にも伝えられ、ヨーロッパに広まった。
    ・缶詰の原料となる錫(すず)は缶詰の実用化で脚光を浴びる。コーンウォール地方の錫が採掘され尽くすと、イギリスはマレー半島での錫鉱山の開発に着手し、植民地支配を確立していったとのこと。
    イギリスの国策に日本の小さな茶筒が関わっていたなんて、何とも不思議な気がする。


    ●ミネラル・ウォーター 『オリエント急行の殺人』
    小説内で列車の客の一人が愚痴を言う。ミネラル・ウォーターを注文したら、聞いたことのない銘柄のミネラル・ウォーターを渡されたと腹を立てているのだ。エヴィアンとかヴィシーじゃないミネラル・ウォーターは「へんてこな水」だそうだ。これは伝統的銘柄へのこだわりか、水は飲み慣れているものでないと安心できないという本能的なものか。
    ところで、この章で写真で紹介されている特装版『オリエント急行の殺人』がめちゃくちゃお洒落で可愛い。ハーパー・コリンズ社から2017年に発行されたものだそう。
    同じページに、本物のオリエント急行が小説さながらに大雪に閉じ込められた記録写真も載っていてビックリ。列車の横ではおじさん達がなす術なさげに佇んでいる。


    ●摘みたてイチゴ 『ABC殺人事件』より
    ストロベリー=ストロー(麦わら)で保護して栽培するベリー。野生種だったものが庭で育てられたことを物語る単語。
    イギリスのイチゴは今もその野生の味の名残をとどめているかのように味わい深いそう。そのイチゴにクリーム(シングルクリーム)をとろりとかけただけの「ストロベリー・クリーム」はイギリスの夏の風物詩。イギリス人はウィンブルドンのテニスを見ながら、このストロベリー・クリームを味わうとのこと。美味しそう~!

    「イチゴはクリームの中で泳ぎ、少年たちは川で遊ぶ」……イチゴを夏の喜びと結び付けて讃えた、ジョージ・ピールの歌。


    ●トライフルと砂糖飾り 『火曜クラブ』より
    色とりどりの砂糖飾りをかけた魅力的なデザート、トライフル。
    砂糖飾りの名前はハンドレッズ・アンド・サウザンズ。「何百も何千も」という意味の小さなビーズのような可愛い飾り。一方、トライフルには「つまらないもの」という意味がある。特別な材料や技術がなくても誰でも作れる、簡単で気取らない家庭のデザートということのようだ。
    一度、友達の家で手作りのトライフルを食べさせてもらったことがある。角切りスポンジケーキにお酒をたっぷり染み込ませ、カスタードクリーム、生クリーム、ジャムをたっぷり使ったデザートの味は格別だった。本来は大きなボウルにたっぷり作るものらしいが、友達は小さなガラスの器に1人前ずつお洒落に盛り付けてくれた。


    ●食器について
    イギリスというとウェッジウッド製のような高級磁器が有名だが、家庭で日常的に使うのは安価な陶製の食器=青い柳と鳥と城が中国風に描かれた食器(ブルーウィロー・パターン)。イギリスが中国に作らせて逆輸入したため、東洋の雰囲気の色濃いデザインとなっている。後に日本にももたらされて、印版皿の絵柄にもなった。


    ●ちょっと想像つかないなと感じたこと
    ・イギリスのウェディングケーキの伝統(ドライフルーツをたっぷり焼き込んだ三段重ねのフルーツケーキ)はものすごく素敵だと感じた反面、結構びっくりもした。
    二段目は小さな箱に詰めて列席できなかった人へ郵送で送る、送られてきたケーキのかけらを枕の下に入れて寝ると「将来の結婚相手」が夢に出てくる、一段目は赤ちゃんが生まれるまで大切に取っておく……かなり保存性の高そうなケーキだ。

    ・ものすごく興味がわいたのは「陶器の献立表」
    華やかな晩餐会のメニューが紙ならぬ陶器に書かれてひとりずつ席に置かれた……?????
    『運命の裏木戸』を読めばもう少し見た目などの詳細がわかるのだろうか?これは実物を見てみたいなあ。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1423401

  • イギリス人ご夫妻と共に暮らした経験を持つ著者による、様々なイギリス食文化が書かれた本です。

    イギリス各地の食文化がアガサ・クリスティー作品の文章と共に写真や地図を添えて紹介されているのですが、印象的なエピソードがたくさんありました。

    ・イギリスのブルーチーズ「スティルトン」やキャッスル・プディング
    ・デミタスカップでいただく濃いコーヒー(紅茶の印象の強いイギリスでもコーヒー文化があり、コーヒーの普及の方が紅茶よりも早かったそう)
    ・青い柳模様の食器とスコーン、ウエディングに列席できなかった人に白い砂糖衣のウエディングケーキが郵送されてくる習慣
    ・寒い季節の温かいポリッジ(穀物粥)
    ・暖炉の火であぶるクランペット(パンやのくまさんのパン)
    ・ブレッドプディングとプディングの伝統を守ろうと発足したスリーウェイズホテルの「プディングクラブ」(行ってみたい!)
    ・黄金色に輝くマーマレード
    ・ハロウィンの水に浮かべたリンゴのゲームとアップルパイ
    ・白いバンの魚屋さん。好みでいかようにも切身にしてくれる(いいなぁ)
    ・(イギリスからの移民時代つながりで)ジョージ・ワシントンのお母様のジンジャーブレッドレシピ
    ・デヴォンシャーの昔ながらのクロテッドクリーム作り
    ・ビールで溶かしたチーズを乗せて焼くトースト、ウェルシュ・ラビット
    ・(材料があれば)すぐ作れるアイルランドのソーダ・ブレッド
    ・一ヵ月熟成させて作るクリスマス・プディングとイギリスのクリスマス

    ブレッドプディングやジンジャーブレッドは作ってみたくなります。ポアロも読み返したくなりました。「パンやのくまさん」は読んだことが無かったのですが、子どもたちと一緒に読みたいです。

  • だいすきな絵本「パンやのくまさん」が食べていたパンがわかって、個人的にうれしい。
    写真も素敵。クリスティの物語をもっと楽しめそう。

  • アガサ・クリスティーの作品(特にポワロやミス・マープル)を読んだことのある人には、より内容を楽しめる一冊。小説内で出てきてもどんなものかわからなかったもののレシピやイギリスの食事情などが写真付で説明されていて、自分でも一度作ってみたくなる。

  • アガサ・クリスティーの食卓。確かに。なんだけど、主役は別になってしまって文章というか内容は著者の好きなイギリスにクリスティーや他のイギリス文学を合わせたようになってしまっているのがちょと残念。
    それでも、あの話もう一回読もっと、と思えたり、これは是非食べて、作って、みたいと思う楽しさはありがとうと思う。特に今はイギリス行けないし。

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著者プロフィール

北野佐久子(きたの・さくこ)
東京都出身。立教大学英米文学科卒。
在学中から児童文学とハーブに関心を持ち、日本人初の英国ハーブソサエティーの会員となり、研究のため渡英。
結婚後は、4年間をウィンブルドンで過ごす。児童文学、ハーブ、お菓子などを中心にイギリス文化を紹介している。
英国ハーブソサエティー終身会員、ビアトリクス・ポター・ソサエティー会員。
主な著書に『イギリスのお菓子とごちそう アガサクリスティーの食卓』(二見書房)、『物語のティータイム お菓子と暮らしとイギリス児童文学』(岩波書店)、
『ビアトリクス・ポターを訪ねるイギリス湖水地方の旅』(大修館書店)、『ハーブ祝祭暦』(教文館)、『イギリスのお菓子 楽しいティータイムめぐり』
『美しいイギリスの田舎 を歩く!』(ともに集英社be文庫)、編書に『基本 ハーブの事典』(東京堂出版)など。

「2019年 『イギリスのお菓子と暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北野佐久子の作品

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