センセイの鞄

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582829617

感想・レビュー・書評

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  • 心臓を握られて無理に揺さぶられるような暴力的なときめきも嫌いじゃないけど、ツキコさんが言うように「あわあわと、そして色濃い」ときめきも素敵だ。
    そしてお酒飲みたくなる。猛烈に。
    『電化製品列伝(長嶋有)』で書かれていたとおり、連載という形式であったからこそ、センセイとツキコさんがゆっくりと関係を育ててゆく様をみることができたんだろうなあ。

  • ふわあっと始まって、ふわあっと終わった感じ。子供の頃読んでいたら、きっと全然面白くなかったんだろうなぁと思いながら読んだ。こういうお話に魅力を感じられるような歳になったんだなぁとしみじみした。

  • 食べ物が美味しそうに書かれていて、夜に近くの居酒屋でちょいちょいとつまむ姿を想像する。本当に、湯豆腐を食べたくなったり、アワビを食べに出かけたくなったり、普段飲まないお酒に憧れたり。食べ物が美味しそうに書かれている本は、好きだ。最近、そういう本によくであう。嬉しい。

    センセイとツキコさんのそれぞれも、その2人の掛け合いも、好きだ。

    ただ、70代の男性と40手前の女性の恋愛が、どうしてもすんなり入ってこない。まだ読み時ではないのかなー。40歳くらいになったらわかるのかなー。んー。

  • ベタベタな恋愛小説じゃなくて、このくらいそっけないほうが好き。
    なんとなしに居酒屋で隣り合い、なんとなく飲み方が同じで、
    つかず離れずいるうちに気になりはじめ、
    なくてはならない存在になっていく。
    大人同士ゆえの距離感なのかなぁ。
    ちょっとヤキモチを焼いたり、気になりすぎて避けるとか、
    恋愛の機微が丁寧に描かれている。
    センセイの意外とイタズラ好きなとこが笑える。
    最後は、泣いた。

  • 初めて読んだのは学生の頃。
    今はすこしツキコに年齢が近付いて、よりぐっとくる。

    大好きだった彼にも素直に甘えられず、
    彼が相談した女友達に持って行かれつつも、
    その二人の結婚式にも出てしまうあたり、本当に不器用。

    センセイにやきもちを妬いたり、子供みたいなことで喧嘩したり。
    37歳と還暦過ぎの二人なのに、ほのぼのかわいらしい。

  • (2002.01.04読了)(2001.11.02購入)
    (「MARC」データベースより)
    鞄の中には何がある? 「センセイ」は私の高校時代の古文の先生。10数年ぶりに再会したセンセイとわたしが、過ごした、あわあわと、そして色濃く流れゆく日々。長篇恋愛小説。

    ☆川上弘美さんの本(既読)
    「物語が、始まる」川上弘美著、中央公論社、1996.08.20
    「蛇を踏む」川上弘美著、文春文庫、1999.08.10
    「椰子・椰子」川上弘美著、新潮文庫、2001.05.01
    「神様」川上弘美著、中公文庫、2001.10.25

  • キャラクターが大好き。
    いいなぁ。なんか、うらやましいなぁ。

  • かつての高校の国語を教えていたセンセイと、教え子だった私。

    親子ほど年の離れた2人。
    センセイ、ツキコさんの近くもなければ遠くもないけれど
    親密な距離感。

    距離感は、徐々に近づきたいのに離れて行ってしまう歯痒さに変わってしまう。

    淡々としていながらも切ないし愛しいしが混じり合って、
    ほわほわしていて温かくて
    最後の方はうるうるしてしまったよ。

    最初、著者の本にしては随分まともな文章だと思ったw(いい意味で!
    でも段々、著者らしいふわふわした文章になっていくのがわかった(何様

    うちは、著者の本は大好きということです)^o^(

  • お酒がとても呑みたくなります。
    じれったくなるくらいゆっくりな時間の描写。
    読み進めると心が暖かくなり涙が止まらなくなるです。

  • 居酒屋で再会した元先生との年の差の恋愛

    好きな物が似ていて、行動パターンも似てる。女性だったら親友になるだろうが、それが年の離れたおじさんだった。
    人と付き合う時、この人は友達、恋人、家族、と形は色々だけどそんなのは抜きにして付き合いたい人が居る。
    自分に共鳴する何かを持ち、一緒に居ると心地よい。
    毎日じゃなくても良いから、会いたい人。お酒を飲み、おしゃべりをする。
    それだけで楽しいと感じる人が居るのはなかなか良いものである。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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