趣味は読書。

著者 :
  • 平凡社
3.29
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本棚登録 : 281
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582831429

感想・レビュー・書評

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  • 中学校時代の国語の教科書で読んだ「パロディーについて」(「ユーモアとヒュ―モア」だったか?)
    という井上ひさし(筒井康隆だったかな?)のエッセイを思い出した。パロディーは権威、権力者を対象としたものが本道で、階級的に下を対象としたものはパロディーと言えないという内容だったと思うが、本書における穿った、眉唾的な見方もその精神に通じているように思う。小林秀雄賞を取るくらいの才女なのだから元々ひねくれた物の見方をする性格なのだろうが(偏見だな)要は、結果的にベストセラーという権威に弱小出版社である平凡社がケチをつけている構図が面白い。そして本書がベストセラーとなったとき、どんな書評が書かれるかもまた興味のある所である。

  • いろいろな場所での著者の評価は高いのだけど、どうも自分としてはどう評価していいのかよくわからない。自分の趣味の問題なのかもしれないけれど、いまいち賛同できない意見がある。

  • 辛口で好きです。

  • ベストセラーの本とそれを読む者を馬鹿にした感じが、この本の全体を覆っています。ベストセラーを代わりに読んで紹介しようと言う割には、かなり主観が偏りすぎていてキチンと紹介してくれていないな~。

  • 雑誌に連載された内容だが、もともと対象としている人の感性と自分の好みがずれている気がした。
    取り上げられている本自体に魅力を感じないので、それに対する論評もただ読み流しただけになってしまった。

  • ひねくれているというか屁理屈というか…筆者の冷静で冷淡な指摘は笑えた。あんまり賢すぎると、人生が楽しくなくなるよ。

  • [図書館]
    読了:2009/8?
    購入:2009/9/1

    本格的に斎藤美奈子を読んだ1冊目。そして大ハマりしたきっかけ。

    大昔に朝日新聞書評で「恋愛なんかやめておけ」の書評していた人の文章がおもしろくて、スクラップしてとってあった。

    この本を読んだ後、ふと思いついてそのスクラップを取り出してみたら斎藤美奈子だった…昔からこの人の文章は好みだったということか。


    で、「趣味は読書。」。

    もう斬り方が気持ちよすぎる。
    自称インテリ、自称「趣味は読書」な人々が得々と良さを語り尽くした作品も、何十万部と売れているベストセラーも、妙な臭いをかぎつけたら決して見逃さず、ど真ん中を突く。

    論旨も明快。「説得力のある辛口」というのは珍しい存在ではないかと思う。

  • 相変わらずいろんな角度から読んでいて面白い。

  • 電子書籍の話題がとびかっているけれど、それがニュースになるほど読書人口って多いのか。以前この本の前書きを読んだ時に、読書をめぐる状況をこれほどスパッと書いたものはないと思った。読み返してみてやっぱり同じことを思う。

    本読みの国って筆者の言う通り「人口の少ない多民族国家」だよ。電子書籍がその状況を変えるのか?違うんじゃないかな。ま、パソコンもインターネットもケータイもはじめの頃は自分とは関係ないと思ってたものね。先のことはわからないけれど。

    と、前書きだけ読むつもりで引っ張り出したんだが、ついでに読んだ本文が面白くってやめられず、結局全部再読。「読書人」は読まないベストセラーを代わりに読んであげましょうというこの企画、斎藤さんの悪態が痛快きわまりない。あ〜またやって欲しいよう。ベストセラーのアレやアレを彼女はどう評するか、読みたい読みたい。

    もちろん、耳の痛い指摘も随所に。痛すぎて笑っちゃうしかないというところ。それでも「善良な読者」へのおちょくりにはもっと笑っちゃう。本を読むからってみんな同じ人種っていうわけじゃあないよ。ってこういうのがイカンのだな。ちょっと反省。

  • 確かに、自分の周りには「ベストセラー」を読んだもしくは持っている人いないなぁと思ってた!斎藤式分類によると、私は「読書原理主義者」に「偏食型読者」が入ったところかな?「ベストセラー」にはなんとなく食指が動かないけど判断するのは読んでからじゃないと、ねぇ。この人の本を面白いと思う私はもしや、フェミニストなのかな?

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著者プロフィール

1956年新潟市生まれ。文芸評論家。1994年『妊娠小説』(筑摩書房)でデビュー。2002年『文章読本さん江』(筑摩書房)で小林秀雄賞。他の著書に『紅一点論』『趣味は読書。』『モダンガール論』『本の本』『学校が教えないほんとうの政治の話』『日本の同時代小説』『中古典のすすめ』等多数。

「2020年 『忖度しません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤美奈子の作品

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