日本会議の正体 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582858181

感想・レビュー・書評

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  • 日本会議の源流と現在の状況を描き出す力作。
    日本会議とは、生長の家という宗教団体出身のメンバーを核として神社界の金銭的また人的パワーを身につけて積極的な右派の政治活動をしている宗教団体。メンバーは多数いるものの、人による温度差がかなりある様に感じた。
    安倍総理は元々はそんな思想は無かった様だけど、影響を受け過ぎたらしくかなり右よりに感じる。過去に中曽根元総理は右派を利用したらしいが、最後は冷淡にしたらしい。
    ここまで首相が右に傾くのは珍しく、危険であると警鐘を鳴らしている。
    右派の活動をしている人に言わせると、左派が活動を弱めており、結果として右派勢力が優勢になっているのだろうと。
    著者によるインタビューが所々で引用されており、説得力がある。

    重要そうなので以下は抜粋。
    日本会議とその中枢、周辺にいる「宗教心」に駆動された宗教右派の政治思想は、自民族優越主義、天皇中心主義、国民主権の否定、過剰なまでの国家重視と人権の軽視、政教分離の否定。(原文ママ)

    右と左はバランスが取れてる方が良いと感じた。
    現在の政治に不安がある方にオススメです。

  • たぶん、著者サイドの意向によるフィルターは
    だいぶ入っているのだろうと思いますが、久しぶりに
    怖い本を読みました。言及するには少し勇気がいるかも
    と思ったりします。
    右翼系新興宗教の”生長の家”と明治神宮を中心とした
    皇国を目指す神社本庁の勢力的なものが結びついたと
    されている日本会議。主張は国民主権ではなく、
    天皇主権。
    政教分離は日本の文化に合わないということでの反対。
    現行憲法の改正ではなく、破棄と明治憲法の復活。
    家族制度の復古調的な主張。戦前日本・明治日本を
    目指すという主張だそうです。

    その日本会議が現政権を支えているとのこと。。。

    そういやあこの前の選挙特番で日本会議の支持者か
    関係者であろう品のよさそうなおばあさんが
    ”日本を批判し、中国や韓国のいうことを支持するので
    あれば、日本から出て行って、中国か韓国にお住みに
    なればいいのに!!”という発言。
    どこかの候補の神武天皇発言。
    自民党役員の女性の暗い、洗脳されているような顔。
    安部首相も最近なんか、非常に気持ちの悪い仮面をかぶっているように見えます。最近本屋で見た本の表紙に
    安部さんの写真が出ている本があって、マッカーサーや
    欧州の独裁者を思い浮かべるような写真に見えくる
    感じがして。。。
    本当にちょっと怖いのですが。。。大丈夫なのでしょうか?

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689829

  • 考え方や意見は常に対立する事でバランスが取れている。人間が生まれつき本能の様に考えを持って生まれるわけではないのだから、誰しも教育環境や家族の影響など、外部の作用で考え方が確立する。
    政教分離の原則は守られるのは当然だが、様々な考え方の人が集まって国家を形成するのだから、意見対立は当然だし、何かしらの宗教に心酔する方々も国民だ。宗教とまで言わずとも、同じ考えや意思を持つ個人が固い信念の下に集まれば、ある意味、熱気や熱狂は宗教染みて見られても仕方ない。団結したり熱い議論を交わす事で、生き甲斐や仲間意識を求める人もいるだろう。
    またその様な熱気を集団の力として利用しようとする政治家も合理的と言えばそれまでだ(心底信仰心を持っている人が果たしてどれくらい居るだろうか)。
    結局、原則があったとしても必ずしも守られない状況に陥る事も当然想定されている。
    右への力が働けば、左に戻す力が強くなり、その逆も然り。政治に限らず会社の中にだって存在する。
    本書は日本会議の成り立ちや考え・主張を時系列に見ていくには丁度良い。かなり否定的な目線で語られてはいるものの、読み方によっては双方の考えに納得できる部分が多くある。政党もそうだが意見が100%全員同じなんてほぼあり得ない。だから誰しも集団を自己の利益に利用する部分はあるだろう。本書をある集団の形成過程を見るより、書かれた年度の戦後70年の時代の流れを読み取る参考書としてみると面白い。意外?にも外交の話は多くないので、戦前・戦後、団塊世代と素の日本人が外部(国外ではなく、あくまで国内の社会・教育・家族)影響でどの様な考えを持ってきたか追う事ができる。
    読み進めると、考え全てに賛同できないと前置きした上で言うなら、寧ろ日本会議並みの行動力や強い信念を政治家が個人の考え・意見として持ちながら活動した方が良いのではないかとさえ感じる。
    ついでに言うなら、どこの国でも愛国心教育やその国の確固たる歴史観ぐらいは持っていて良い。国旗がどうとか国歌がこれとか決まってなければ愛国心が育たないなら決めれば良い。けれどそれって本当にそうなのか、なければなし崩し的に愛国心が失われるのか。WBC優勝に感動し、テレビに釘付けになって応援してたじゃないか。

  • 何がいいたいんかな

  • 左派はいなくなったのか
    右派の執拗さが常軌を逸していたのか
    どうでもいいこだわりに巻き込まれて日本は失われたのだなあと感慨深い

  • 組織の始まりがよく分かった。何をやろうとしているのかも。ただただ怖い。神社へ行くのは好きだけど考えてしまうなぁ。。。

  • 2017.02―読了

  • 日本会議ってよく聞くけど、一体何なの?と思って読みました。
    読み出があります。
    こんな思想の団体が、粘り強く運動を続けていたから、日本は今、こんなふうになったのかとよく分かりました。
    知らないことは恐ろしいことです。
    多くの人に読んでほしいです。

  • 思想に拘束力はない。しかし他人の価値観を規制する恐れがある憲法改正へと向かう運動は、管理社会の歪みを加速していく。世間の空気に流されず、歴史の暗部を直視し反省の繰り返しによって、"謙虚さ" や "思いやり" を自覚して良い社会へと歩もう。決して情報の "鵜吞み" や "心地よさ" に執心してはいけない。そこには権力側の洗脳が潜んでいる。後戻りできなくなってからでは遅すぎる。ご用心。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。慶應義塾大学卒業後、共同通信に入社。社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、2006年に退社しフリーに。テレビ・ラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ―徳田虎雄 不随の病院王―』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『誘蛾灯―鳥取連続不審死事件―』『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)、『青木理の抵抗の視線』(トランスビュー)などがある。

「2015年 『ルポ 国家権力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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