- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582858181
感想・レビュー・書評
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1960年代以降、日本会議の事務局を務める椛島氏をはじめとした右派の粘り強い運動の集大成が安倍政権という過去最長の長期政権となっていることを本書を読んでひしひしと感じました。元号法制定など運動による成功体験があることも強いですね。この根っこにある部分は「宗教心」という軸があるとのこと。うーん、強い。谷口雅治氏に対する信奉をベースとしたまさに無私の組織づくりに全勢力を傾けようとするこの精神は恐ろしくも尋常ではない強さを持っていますねこれが信仰、さらにいえば狂信か。私の一番苦手なやつだよ。
その一方で左派はどんどん勢力を縮小させていきました。右派が市民運動や左派の社会運動を模倣して勢力を拡大していく中で退潮の一方で、本書のインタビューにもあるように日本では左派が自滅していったということなんでしょうね。
面白いのが、日本会議の源流となった「生長の家」は、80年代くらいから自民党に距離を置き現在は環境を重視した宗教団体になっていることに驚いたのと同時に日本の宗教って自然信仰と結びついてきた歴史があるはずなので、ここまで環境が棄損されている現代では本来こういう形になっても全く不思議ではないよね、って思いました。今のほとんどの宗教団体ががめつすぎやしませんか。ひどいもんだ。しかし明治神宮は桁違いの金持っていますね。
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日本会議について、関係者にしっかりと取材をしてまとめているルポ。その強固な信念がどこからきているのか、どのような信念を持っているのかがよくわかる内容になっている。
日本会議はよく聞く名前だが、それがどのような人にどのような影響を与えているのかが不透明だったが、その実態に迫っている。
かなり以前から様々な活動をしてきたのだが、それがなぜ安倍政権下であれほど力を持つようになったのか、よくわかった。そして、安倍政権下で行われた「改革」が彼らの目指すところとなぜ一致するのかよくわかる。今後の政治を見る上で、重要なことの一つである。 -
日本会議を好きなのか嫌いなのか。よくわからんが、まとめられた資料としてはよい。
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日本会議とは何か?その発生とその思想は?日本会議的なものが悪性ウィルスのように広がるこの時代とは?知らないことが多く勉強になった。
日本会議は最近になって突如発生したわけではなく、源流を辿ると谷口雅春が創始した生長の家や、1960年代の全共闘運動に対抗する学生組織として結成された生学連(生長の家学生会全国総連合)に突き当たる。さらには神社本庁やその他の新興宗教団体の支援を受ける、いわば”宗教右派団体”。政教分離といった近代民主主義社会の大原則を根本から侵し、この国をかつて破滅に導いた思想を孕んだ政治運動である。
過剰なまでに国家重視のため人権を軽視。天皇中心主義のため国民主権を否定する。エスノセントリズム(=自民族優越主義)的で、政教分離の原則を踏みにじり、皇国の再来を祈願する。
本書の最後の方で宗教学の専門家・島薗進氏の発言が引用されている。「戦前もそうだったが停滞期において不安になった人々は、自分たちのアイデンティティを支えてくれる宗教とナショナリズムに過剰に依拠するようになる。戦前の場合は国体論や天皇崇敬、皇道というようなものに集約されたわけです」。右派が強くなったのではなく、左派がいなくなった、という話も紹介されていたが、日本会議を生み出すような時代、日本会議的なものが支配的になる時代ということを考えると、こうした時代の現象は世界各国でも起こっていることだと改めて感じる。
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P206にある、愛国心とはなんなのか考えてみた。
それって誰かに押し付けられる物なのだろうか?
個人的な意見ですが、愛せるような国であれば誰かが止めても自然と愛するだろうし、愛せるような国づくりを政治家が行えば言われなくてもその信条を良しと思い投票するのに。
そういう応援できる人が関わる団体ならば共感しそれも併せて素直に考えに賛同できるのではないのだろうか?これじゃあまりに青臭いか
あと、明治神宮の印象が…うん、もういいかな
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現安倍政権の異常性の理由の一端を理解できた。
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神社と右派がタッグを組んで政治を動かす世界
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『安部三代』に続き読了。その本に書かれた安倍晋三のある種の虚無。その間隙に入り込んだものは何か、という問題意識から。
読んだ印象、日本会議の全体像や来歴、それが現政権に与えている影響について、よりクリアに理解できた気がする。牛耳る、という表現は、ある意味で不適切で、しかし別の意味で適切。少なくとも、現政権が掲げる復古的な政策の、論理的・動員的な後ろ盾を提供している組織という側面はあるのだろう。次は神社本庁について、かな。 -
なかなかマスコミで紹介されない日本会議に関するレポート。著者は批判的な視点で書いているように思える。
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