baxさんの感想
2014年11月4日
[ 内容 ] 文学の効用は、時代を超えた他者理解を通じて、万人に開かれたコミュニケーションを生み出すことにある。 現今の文学教育や批評の言説を覆う形骸化とニヒリズムを批判し、読者の人生に豊かさとかけがえのない意味を与える力としての文学の尊厳を擁護する試み。 日本語版補遺として、バフチン、バルト、クンデラなど5人の批評家論を特別収録。 [ 目次 ] 文学は馬鹿らしいほどに矮小化されている 学校を越えて 近代美学の誕生 啓蒙の美学 ロマン主義から前衛へ 文学には何ができるか? 無尽蔵のコミュニケーション 補遺 現代批評家論五編(邦訳版特別収録) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
Tzvetan TODOROV(1939-2017) ブルガリア出身のフランスの文芸理論家、思想史家。当初は構造主義的文学理論を代表する論者として知られたが、世界の中の人間を直接的に論じる著述を、他者論、民主主義論、絵画論といった幅広い領域をフィールドとして次々と発表し、過去と対話しつつ現代を思考する姿を見せる。 「2021年 『善のはかなさ』 で使われていた紹介文から引用しています。」