- Amazon.co.jp ・本 (138ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591095942
感想・レビュー・書評
-
演出された「遊び」の中の「いじめ」など、いじめが巧妙化されているその手口など、よく取り上げてくれたなぁという内容が多い。
対策も盛り込まれており、心強い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一種の密室である「学校の教室」の中でおこなわれている、現代のいじめの実像について切り口鋭く迫った良書。
筆者は児童相談センターの心理司で、実例を多く挙げ、いじめの多様性とその見つけ方、学校との向き合い方などを細かく書いている。
中でも秀逸なのは、実際に自分の子供がいじめに遭っていることに気付いたとき、親はどう対応すればよいのか、具体的な方法が書かれているところだ。
ともすれば観念論に傾きがちな「いじめ」問題に、実用的に取り組んでいる点が非常に素晴らしい。 -
「いじめ」とは何かを多面的に理解する上で好著。児童相談所の児童心理司からの子どもの発達に関する現場実践。親同士、先生同士、先生と親の共同促進の糧になることを期待。誤れば学校サービス業化にも向かう。
-
教室で行われている「いじめ」の混み入った現状を実際の事例も挙げて解説を加えています。
学校に関わる、先生や、親御さんは必読だ、と言いたい。
いじめを解決するために必要なのは「戦う」ことじゃなくて「逃げる」こと。
本で読んでいると、他人ごとのように思えてくるが、本当は私の中学時代にも同じようなひどいことはあった。
今は、何事もなかったように「楽しい中学時代でした」と思いこんで、心の中では都合の悪いことはきれいに消去してしまっている。
「ああ、いじめ・・・そういえばあった」という風に深刻な問題と関わることを避ける。
なぜなら、「いじめの問題を考えることは、自分がいじめられていた」という「恥」でもあると見られるから。
今考えると、なぜ、あのような一種のクラス全員が狂った状況になって、そしてそれに対する抑止力も働かなかったのか・・・。
被害者も、別の場所では加害者になっていじめられることから逃げている場合もある。
そして、いじめられることの苦しみをしりつつも、内心ではいじめることの愉しみを後ろめたさとともに味わっていたのではないだろうか・・・。
認めたくないが、これが現実だし、人間の醜さでもあったりする。
いじめの問題は、逃げるのが一番だ。大人が覚悟をきめて本気で取り組めば解決するものだと、私は思う。
私の場合は、クラスメイトにも増して、「親」が一番の敵でしたが・・・。
つまり、私の中高生時代は孤独で、味方などいませんでした。 -
自動相談センターの心理士がいじめの実態とその対策を書いた本。
いじめ根絶に向けて是非親に読んでもらいたい。
学校だけでいじめを解決することは難しいということも、この本を通じて知ってもらいたい。 -
いじめの実態について、心理司の筆者がまとめ、解決策まで端的に書いてある。
100ページ強の厚さだが、切り口は鋭く、現代のいじめの様相をうまく切り取りまとめてあると感じた。
教師ではなく、親向けに書かれた本。 -
2012/06/27
-
子どもの実態を何も知らない、一般の人向けの本としては、インパクト、切り口ともに申し分ない。いじめは、刑法のベースに載せてもいいほど、悪質、巧妙、卑劣な犯罪的行動である。そして被害者の心の傷は、そう簡単に蘇生しない。
イジメの被害者、また、ピアカウンセラーとして、私は本書の記述を全面的に肯定する。
ただ内容的には、読者に問題意識をもってもらい、ごくごく初期的な対応策を示すにとどまっているため、学校と子どもをめぐる社会学的な視点ももたないといじめ問題そのものは解決しないのではないか?という意味で、☆4つ。 -
今のいじめは、想像以上に陰湿で びっくりしてしまった。
1歩間違えれば どちらの側にもなりうる怖さがある。
ある意味 防ぎようがないのではと 心配になってしまった。 -
いじめの実態を描いた本。
いじめについて知ってもらいたい、という気持ちからか、ひとつひとつのエピソードは派手で驚くが、簡単に記述しすぎなのでは、と感じた。解決策について、汚い部分が描かれておらず、スムーズに解決できたかのような印象を受ける。もう一歩踏み込んだものを期待。