- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591119013
感想・レビュー・書評
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太空(そら)は一片の雲も宿(とど)めないが黒味渡ッて、二十四日の月はまだ上らず、霊あるがごとき星のきらめきは、仰げば身も冽(しま)るほどである。
こんな出だしを読むとやはり身構えてしまう。
百年文庫4冊目は「里」
収録は
小山清「朴歯の下駄」
藤原審爾「罪な女」
広津柳浪「今戸心中」
花柳界を描いたもの3編である。上記の引用は「今戸心中」。3つとも自分は読んだこともない作家だった。
悲哀に満ちた男と女の姿が描かれる。登場する人物に共通して感じられるのは「行き場がない」「出口が見えない」感じだ。会話もどこか悲しい。
とりわけ興味深かったのは「今戸心中」。文章の組み立て方がある意味新鮮に感じられた。舞台にある情景を少しずつ説明しながら、登場人物に次第にスポットをあて語らせる。戯曲のように思えるのがなかなか面白く、また読みにくいところでもあった。そもそも広津柳浪は尾崎紅葉とかと同時代人なので、小説もまだまだ作家皆試行錯誤していることが窺える。たまにはこういうものを読んで、いかに昔の人が苦労して今の日本語を作り上げたのかに思いをはせてみたりする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
遊女がテーマの3作品。哀しいね。
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新着図書コーナー展示は、2週間です。
通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/19 -
小山清はあまり読めないので、良かった。
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恋は難しい
恋は儚い
恋は切なぃ
恋は苦しい
だけど読んでいて恋をしたくなる