(022)涯 (百年文庫)

  • ポプラ社
3.38
  • (0)
  • (6)
  • (10)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 59
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591119044

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『碑』が特に面白かった! 作者の祖父とその兄弟の話が元ネタらしいが、ムダのない文章で、リアリティに富み、とてもよかった。明治維新前後を生きた、性格の違う兄弟それぞれ、実に魅力的。

    『異父兄弟』もなかなかよかったかな。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、2階文庫本コーナー 請求記号908.3/H99/22

  • ギャスケルに驚いたー。

  • 百年文庫、4冊目は「涯」。
    曰く、「人生の最果てに見たドラマ」。成程。

    ギャスケル「異父兄弟」
    誰からも好かれる秀才な弟に対し、今は亡き母の連れ子である兄は何をやらせても鈍臭い。
    父をはじめ周囲から冷たく当たられる兄を、弟も一緒になって馬鹿にしていた。
    ある日、父の使いに出た弟は、帰りに雪の中で道に迷ってしまい…

    パヴェーゼ「流刑地」
    イタリアの南の果ての寒村。仕事の奇妙な行きがかりから、男はこの地に飛ばされてきた。
    半ば処罰のように、半ばこの体験を味わうように、男は村での人々の生活を観察する。
    荒涼とした風景のなか、女たちに見捨てられた男たちの孤独を描く。

    中山義秀「碑」
    幕末維新の動乱期に母の手一つで育てられた3人の兄弟。
    みな武芸の誉れ高く、武士としての揺るがぬ信念を持ちながらも、3人はそれぞれの異なる道を歩む。


    「異父兄弟」は、後書きにもあるように自己犠牲のおはなし。がむしゃらに弟を救おうとする兄の心が温か。
    「流刑地」は薄汚い海辺の村の描写がいい感じ。主人公はあくまで観察者で、一時の滞在者。そんな彼から
    見た村の生活、女に人生を文字通り狂わされた男たちを、淡々を描いていく。
    今回のは「碑」が一番印象に残ったかな…。
    維新期に生きた3兄弟の大河小説的な短編。最後に兄弟の一人の名が刻まれた碑が建てられる、
    それまでの人生をずっと追っていくのだけど、兄弟の対比的な人生が面白くてもりもりと読めた。


    今回借りてきた分は皆読み終わったので、次は「群」を借りてみたいな…

全16件中 11 - 16件を表示

ギャスケルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×