H・ソロー『歩く』ポプラ社、読了。家を出て、ただ自然の音に耳をすまし、たんたんと歩いてみよう。自然への集中は自分の存在への集中となる。あえて俗事を考えずに歩け!が世に流されない自由な自分になる。本書は非暴力不服従の端緒となった『森の生活』のソロー晩年の講演エッセイ集。☆5
無関心を決め込んでエコロジーという話でもないし、所謂「24時間意識高くあれ」でもない。そこには本当の自分は存在しない。自然と向き合うことで自分と対面する。そのことで虚構を自覚する私のNOが立ち上がる。その眼差しが市民的不服従を招来か。正にパワーゲームを超克する「私」が立ち上がる。