いとの森の家(一般書)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 309
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591142073

感想・レビュー・書評

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  • 山村に引っ越してきた小学生の加奈子は、森の中でかわいい家に住むハルさんというおばあさんに出会う。

    装丁も作者が描かれてるんですね。
    福岡の糸島を舞台に、自然の中でハルさんと子供達が過ごす描写が瑞々しい。
    死刑囚の母と言われた「白石ハル」さんがモデルで、作者も子供の頃糸島に住んでいたそうなのでどこまでが実話なのかよくわからないけど。罪や死について意見を押し付けるのではなく、子供達が考えるきっかけになるような話。

  • 福岡県糸島の風景描写が秀逸です
    森の風景
    加奈子と友達の描写もすてき
    そしてハルさん
    実在の人物をモデルにして描かれている
    あたたかい作品でした

    ≪ 残酷な 出来事乗り越え 今森に ≫

  • 作者が小学校4年生の一年間を過ごした福岡県糸島市の、森にある家のことを元に描かれたという物語です。
    糸島の自然豊かな様子や、オケラの相撲!小学校では、時としていろいろなことがブームになりますね。
    ここに、アメリカで暮らしたことがあるハルさんという老婦人が出てきます。アメリカに移住して、戦争があって、いろいろ辛い体験をされたようですが、子供たちにははっきりと語られません。ただ、「あなたには残酷なできごとが起こりませんように。しあわせな人生でありますように」との祈りが伝えられます。

    ハルさんは、罪を犯した人たちに2500通もの手紙を書き続け、死刑囚の母と慕われた実在の白石ハルさんがモデルとなっているそうで、作者も交流があったとか。主人公の加奈子と親友の咲子は、ハルさんとの関わりを通じて、死について、罪を犯すということについて、自分なりに考えます。
    どうして、罪を犯した人が亡くなった時にハルさんは手を合わせるのか。咲子は「それはできません」とはっきり言うのです。この辺りの描き方がいいなと思いました。

    ほんと、これはアニメにして子供たちに見てほしいですよね。

  • 小学四年生の六月。福岡市内のしずかな住宅街に住んでいた加奈子は、福岡県西端の「いと」と呼ばれる田舎の田園地帯に引っ越した。
    そこで出会ったおハルさんと呼ばれる優しいおばあさんは、たびたび死刑囚の慰問に出かけているらしい。
    さまざまな人との出会いや、経験を経て、加奈子は命や死ぬことについて考えるようになる。

    筆者の実体験や、実在した人物がモデルになっている。
    『西の魔女が死んだ』みたいなお話かと思いきや、死刑囚の慰問というまさかの展開におどろき、どういうことだろうと思いながら読み進めた。
    おハルさんが住む可愛らしい家に行ってみたい。

  • 170831

  • ちょうど「センス・オブ・ワンダー」ということについて考えていた。
    いろんな考え方や捉え方があり、選択肢がある、そういうことって本当に大事。

  • 糸島の話。実際にいらしたという、死刑囚の母、白石ハルさんが、とてもとても、魅力的に描かれています。

  • 2015 6/8

  • 表紙の絵のイメージ通りの、ふんわり優しい雰囲気の本でした。作家の東直子さんが小学生の時に一年間住んだ糸島にいた「死刑囚の母」ハルさん。そのハルさんと、糸島の風土をモデルにしたそうです。ただほんわかしているだけでなく、生きている意味、命の大切さなども感じさせられました。

  • 田舎に引っ越した小学4年生の女の子の視線で、そのほっこりした生活とお友達や自然の交流を描いて、こちらもその楽しさが伝わりふわふわした気持ちになる。何より死刑囚への慰問をしているハルさんというおばあさんの佇まいが素敵で、その手作りの様々なものがとてもいい。

著者プロフィール

歌人、作家。第7回歌壇賞、第31回坪田譲治文学賞(『いとの森の家』)を受賞。歌集に『春原さんのリコーダー』『青卵』、小説に『とりつくしま』『ひとっこひとり』、エッセイ集に『一緒に生きる』『レモン石鹼泡立てる』、歌書に『短歌の時間』『現代短歌版百人一首』、絵本に『わたしのマントはぼうしつき』(絵・町田尚子)などがある。「東京新聞」などの選歌欄担当。近刊にくどうれいんとの共著『水歌通信』がある。鳥好き。

「2023年 『朝、空が見えます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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