てんからどどん (ノベルズ・エクスプレス 32)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 110
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591150061

感想・レビュー・書評

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  • 勉強は得意だが友達がおらずネガティブな莉子と、運動が得意でポジティブだが友達、勉強でトラブルのあるかりん。
    クラスメイトでも接点のない中学生二人の体が入れ替わってしまう。
    それぞれの親の描き方がなかなかシビアで良かった。
    結末に少しすっきりしないと感じる読者もいるのではと思うけれど、私は好き。
    なぜそうなったかより、何が変わったかが大切な話だと思うので。

  • 高学年向け。
    ある日、明るくて明るい女の子と暗くてちょっと太っている、髪もボサボサの女の子が、雷で入れ替わってしまう。入れ替わったことで、同じマンションに住むお互いの部屋を行き来しながらあれこれ話すことに。お互いの長所や短所を話し合い、克服していく姿に希望を見出せるお話。

  • 5年から。前向きで明るいかりんと、後向きで地味な莉子が入れ替わる。お互いの良い面、周りの見方が変わり、自分を見つめ直し、本当の希望と挑戦する姿が描かれる。タイトルの不思議さがあるので、キミノベルの表紙の方が、児童にとっては楽しさも伝わり手に取りやすい。

  • 面白かった

  • 凄っい面白かった

  • 久し振りに魚住さん読了。YAで執筆されていたんですね。
    確かにそう言う系統のお話の方ですが、以前読んだ作品は特別YA系のレーベルではなかったので。気付けばきちんとそう言うカテゴリに分かれていたのか、と。出版者側の事情?
    最初はサスペンスなのかな? と思うようなひやりとした場面から始まったけれど、見た目も性格も環境も全然違う女の子が入れ替わっちゃうSFっぽい感じのお話。
    それぞれ、良くも悪くも思春期の悩みと問題を抱えていて別の立場になったことで少しずつ自分自身の欠点に気付き、長所もあるのだと分かっていく過程が良かった。
    道徳の教科書的ではあるけれど、見んな違ってそれぞれいいのだというテーマでYAを読む年代の子が気持ちよく読み終えることができたなーと。

  • 魚住直子は、ちょっとダークな味わいの作品も書くので、こういういかにも中学生うけしそうな本でも意外に面白いかもと思ったのだが。
     容姿に自信のない女の子がネットに「わたしを殺して」と書き込みするシーンから始まるので、学校に置くような本のわりにちょっと過激なスタート。
     勉強はできるが学校では孤立しているイケてない女子と、勉強はできないがクラスのトップグループに属するルックスのいい女子が、雷をきっかけに中身が入れ替わってしまう。男女が入れ替わるわけではないので、性的なドキドキはなし。
     イケテない女子は自分の頑なさに気づき、イケてる女子は自分の軽はずみな言動の罪に気付く。そして自分の良さを客観的に評価してもらうことで自信も持てるようになる。ちょっと道徳の教科書みたいだが、そこの書き方は、そんなに悪くない。
     しかし、冒頭の「殺してくれ」メッセージの処理がつまらない。中身はイケてる女子がちょっといじられ気味の男子を好きになるのもリアルじゃない。あと、決定的にガッカリなのは、結局はみんないい子で、みんな仲良くなれたね!という終わり方。深刻な悩みはあまりない、読書経験の浅い、というかまあ、そんなに賢くないというか、幼い読者にはこれでいいのかもしれないけどね。先生も安心の結末。
     中学生位の自分がイケてると思ってる女子の残酷さは、世の中を知らないだけに、語彙力がないだけに、かなり怖いところがあるし、子どもだろうが大人だろうが、気の合わない人間は必ずいる。それを描いた上で、でも、なんとかやっていこう、人生そんなに悪くないって感じに書いた方が、現実に悩みを抱えている子どもは救われるんじゃないかと思うけど。
     それに、いくら容姿がいまいちでも、中学生になれば、成績トップクラスは、一目おかれるもの。地味なルックスなら先生からも信頼されやすい。逆に成績下位でおしゃれにうつつを抜かし、軽はずみな言動で人をキズつけるような子がいきなりいじめの対象になるってこともあり得る。この登場人物は友達を「黒豚」とまで呼んでるんだからその可能性は十分にある。
     絵が今どきの子どもうけするものだし、挿絵もあるので、日頃あまり読まない子どもでも読みやすい。でもやっぱりマンガやゲームの方が面白いね、と思われそう。

  •  2人の中学生女子の中身が入れ替わっちゃうお話。
     いかにもYA向けらしい展開だったけど、読みやすかったし、お話の感じも悪くなかった。
     ただ、黄色い帽子のいかずちは、結局何だったの?

  •  外見も性格も正反対の女の子2人が入れ替わってしまったことで、それぞれの良さが見えてくる。
     “自分”のことが好きになれる雷が起こした魔法。
    (カウンター担当/アメリ)

  • 憧れるような人も、
    きっと悩みがあるのかもしれない。

    人のいいところ、自分のいいところ
    みんなそれぞれ。

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著者プロフィール

1966年生まれ。広島大学教育学部心理学科卒業。『非・バランス』で第36回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。『Two Trains』で第57回小学館児童出版文化賞、『園芸少年』で第50回日本児童文学者協会賞を受賞。作品に『いいたいことがあります!』『超・ハーモニー』『クマのあたりまえ』『だいじょうぶくん』などがある。

「2022年 『考えたことなかった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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