enderさんの感想
2017年1月8日
5人の作家による少年探偵団に対する深いオマージュ。それぞれに乱歩作品の雰囲気をよく醸し出しており、楽しく読むことができた。 特に、藤谷治さんの『解散二十面相』は、二十面相のぼやき漫談を聞いているかのようで可笑しかった。少年探偵団や明智探偵のことを散々くさし、「面白いことっていうのは、自分で努力して作り出すものなんだ」と嘯く姿は、いかにも二十面相なら言いそうだと激しく首肯できた! 一気に少年時代の気持ちに引き戻してくれる作品だった。
万城目学(まきめ・まなぶ) 1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。 2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。 「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」