夜が暗いとはかぎらない

著者 :
  • ポプラ社
3.66
  • (90)
  • (213)
  • (199)
  • (26)
  • (7)
本棚登録 : 2028
感想 : 190
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591162743

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 3.6
    とてもいい話、言葉が沢山詰まった連続短編集。
    初めて読んだ作家さんだったが、人気なのが納得できた。
    短編が繋がって一つのストーリーになるタイプの話だったが、個人的には、ひとつの話が面白くなってきたところで別の話になって、また登場人物や背景の描写になるのが残念だった。短編の数が多すぎて若干消化不良だったので、もう少し短編数を減らしてストーリーが長い方が好みだと思った。

  • 4冊目の寺地はるなさん。実は初めて寺地さんを認識したのがこの本でしたが、当時はまったく食指が動きませんでした。

    大阪市近郊にある暁町。表紙のキャラクターはあかつきマーケットのゆるキャラ・あかつきん。このあかつきマーケットを舞台にあかつきんが主人公のお話かと思って読み始めたのですが…表紙から受ける印象とはかなり違ったお話でした。

    あかつきマーケットの近くに住んでいる人たちをそれぞれ主人公とした連作短編集で、登場人物が少しずつリンクしていて、次は誰とつながった話かとわくわくしながら読めました。(話の内容的にはあまりわくわくするものではないのですが…)でも、かなり登場人物が多くて、途中でちょっと混乱もしました。伊坂さんの『アイネクライネ』を読んだ時以上に登場人物の相関図が欲しくなります。

    登場人物はみなそれぞれ等身大の人物像で、美化されることも誇張されることもなく、描かれる生活も悩みもしあわせもとてもリアル。

    明確な答えなんかないけれど、自分なりの答えはきっと見つかるはず。読み終わった後はほっこりと前を向いてみようかなという気持ちになれます。

    うん、やっぱり寺地さんのお話はよいです。近々また新刊も出るようですね、がんばって追いつかなくちゃ。

    「君を粗末に扱っていい人間はどこにもいない。自分自身にさえそんなこと、許しちゃいけない。」(56頁)

    「自分にとってどういうのが素晴らしい人生か、その判断を他人に委ねたらあかんねん。」(189頁)

    「「ずっと」は、はじめからそこに存在するわけじゃない。一瞬一瞬を積み重ねてつくっていくものなのだ」(247頁)

  • 気付かなくても、皆支えたり支えられたりして生きている

  • 沢山の人がいろんな繋がりかたをして出てきて整理するのに少し時間がかかったけれど、なんかあったかい気持ちになった。
    すごい辛いことの後にすごいいいことな起きるなんてことは滅多になくても、些細な幸せがそこに気づいたらあるんだなと思った。
    そんな幸せを、大事な人に送りたいなとも思った。
    夫婦だから、互いのことを完全に理解できるなんてことは無いと思う。でも、どんな時もそばにいるきとはできる。そんな大切なことに気づかせてくれました。

  • あかつき商店街のゆるキャラ「あかつきんちゃん」と、それにまつわるさまざまな人たちの人生を少しずつ重ねて切り取っていく短編集。

    とある短編のなかでは痛々しかった主人公が時間軸が違う別の短編ではかっこよく生きていたり、同じ人物も別の人といるときは別の顔を見せていたり。人生って単純じゃないし、楽しいばかりとか悲しいばかりでもない。

    人は少しずつ変わるし、変われる。
    きっかけは些細なことだけど、そこにはかならず、誰かがいる。そんなことを思わせられます。

    ただ、狙ってから狙わずにか、ちょっと重苦しい雰囲気の話が多くて疲れました。同じ作者の『今日のハチミツ、あしたの私』はもう少しだけあっけらかんとしてたっけ?

  • 閉店が決まった「あかつきマーケット」。
    そこに関わる様々な人たちの物語。
    登場人物が多く、繋がりがあるので
    把握するのが大変かも。
    「トキワサイクル」のお爺さんの言葉がジーンとくる。

  • タイトルにひかれて読んだ本。
    心温まるような話から、ゾワッとする不穏さを孕んだ話など多岐に渡っていてその緩急がよかった。

  • 15編から成る短編集。
    それぞれの日常のエピソードが何だかとても心に沁みる。3つの章の中では「昼の月」がよかった。もう一度ゆっくり読み返したかったけど、返却期限が…(^^;)

  • ★4.0
    全15編が収録された連作短編集。閉鎖が決まった商店街・あかつきマーケットと、商店街のゆるキャラ・あかつきん。そして、商店街と何らかの関わりを持つ、様々な人たちの日常。特別に大きな幸せはそうそうなく、むしろ辛いことの方が多い世知辛い世の中。そんな中で、小さな安らぎや人との繋がりを再認識させてくれる、ほっこりと心に優しい作品が並ぶ。特に印象に残ったのは「グラニュー糖はきらきらひかる」。働くママ・亜子が義母の言葉に泣き崩れるシーンは、子どもの有無に関わらず胸に迫るものがある。私もあかつきんに会いたい。

  • 閉店が決まった、あかつきマーケット。
    そこで働く人、そこを訪れる人々が抱える悩みや思いが綴られた連作短編集。

    私には合わなかったかな。

    ただ、この作品の中に登場するトキワサイクルのおじいさんは、なんだかいいな❤︎と思った。

全190件中 81 - 90件を表示

著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。

寺地はるなの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×