夜が暗いとはかぎらない

著者 : 寺地はるな

• ポプラ社 (2019年4月11日発売)

感想・レビュー・書評

[amazara4さんの感想 · 2021年3月29日]

寺地はるなさんの本を読むと、周りの人たちにも生活があり、悩みがあることを思い出す。当たり前のことだけど、自分から見てどうでもいいとか、かっこ悪いとか思うことも、その人にとっては大切なのかもしれないことを改めて感じる。彼女の本を読んだら、少し優しい人になれる気がする。

[rabumamaさんの感想 · 2020年4月18日]

とにかく優しい。
どんな境遇でどんな立場の人に対しても
響く言葉がたくさんあった。

なんだか許された気がしたよ。

[jonkoさんの感想 · 2019年10月8日]

あかつきマーケットをめぐる連作短篇集。鼻の奥がツンとするような物語たち。なかでも「バビルサの船出」がグッときた。トキワサイクルのじいちゃんの言葉が深くてとても良かった。次々と登場する人物の相関図を書いてもう一度読んでみたい。

[moon-uさんの感想 · 2019年3月26日]

「夜が暗いとはかぎらない」寺地はるな

短い短い短編が13。
そこには日常が書いてありました。

大阪のあかつきマーケットのある町に暮らす人々。

あかつきんちゃんは私の乏しい想像よりも、
装幀でなかなかのパンチ力のある
キャラクターと判明。

人はみんなどこかで自分の「あぁ⤵」と思う気持ちに
折り合いをつけたり、
ちょっと片目を瞑って落としどころを見つけています。

そんな当たり前だけど、
結構しんどかったりすることが書かれていました。

大きな事件も驚くような好運もないけれど、
その人にとってはもちろん大事な出来事です。

一生懸命、暮らしていこうと、
そう思いました。

#夜が暗いとはかぎらない #NetGalleyJP

[まーまれーどさんの感想 · 2021年4月16日]

寺地さんの本を読むといつも自分の心の中の思いを言い当てられたような気持ちになる。
大好きな本です。

[MISERYさんの感想 · 2020年8月11日]

人と同じということに感じる安心と不安。人と違うということの違和感と安心感。どちらもあることを肯定してくれているような物語。たくさんの人がいて、抱えてるものはそれぞれで、それぞれのなかで葛藤して生きている。その姿を見守ってくれてるような、大丈夫だよって言ってくれてるような感じがある。すぐには解決しない問題でも明日には少し変わるんじゃないかと思わせてくれる。

[SAKURAさんの感想 · 2020年6月30日]

「何度も謝ってきたので、それ以後は気づかないふりをしてきた。のんきな妻、という役をやっている。わりと、必死で。必死であることに気づかれまいと、また必死で。」(２７７ページ)

世間の『普通』に当てはまろうと、
何かしらの『役』を演じる人たち。

必死に演じて、息苦しくなる日々に訪れる朝が、
必ず希望に満ちて『明るい』わけでも、
夜が絶望に満ちて『暗い』わけでもない。

ただ地球がまわっているだけ。
ただ皆が必死に歩んでいるだけ。
そんな、前を向こうと頑張る人たちの物語り。

[リコリス さんの感想 · 2019年10月15日]

「生きてる間に誰かをじゅうぶん大事にした。
だから別れはつらくない。」

トキワサイクルのおじいさんの言葉が深い。

「もちろんそう思える人なんて滅多にいないんじゃないか。だから今後悔している」
とも書いてあるんだけど。

寺地はるなさん、ちょっと屈折している心の隙間を描くのが上手な作家さん。
「私の良い子」も読んでみよう

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2019年4月4日]

第四回ポプラ社小説新人賞受賞『ビオレタ』刊行記念 | 寺地はるなさんインタビュー | WEB asta
http://www.webasta.jp/serial/interview/post-20.php

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大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ――？　さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。
https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008237.html

[愛ちゃんさんの感想 · 2023年9月7日]

ジャケ買い(笑)
すごい展開も心刺さる言葉もあるわけではないけれど、ずっと優しい気持ちて寄り添って読める本。
今まで読んできた寺地さんの作品は
おしいっ！めっちゃ響く本にあと少しっ！て感じてたけど、これはこれくらいがちょうどいい感じ。

著者プロフィール

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。2014年『ビオレタ』で第4回ポプラ社小説新人賞を受賞しデビュー。他の著書に『わたしの良い子』、『大人は泣かないと思っていた』、『正しい愛と理想の息子』、『夜が暗いとはかぎらない』、『架空の犬と嘘をつく猫』などがある。