老後とピアノ

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591171639

感想・レビュー・書評

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  • ピアノに向かう熱い想いに尊敬
    著者と同世代なので手に取るように思いは伝わってきた

    ピアノを教えている先生たちにも読んで欲しい本




    音楽はいい!
    楽器はなんでもいいから側に一つ持っているといい 
    音符を追って奏でていれば悩む暇もないし
    集中するしかないし 救われる

    音を楽しむのが音楽だし
    弾きたい曲を
    今の時点の自分のテクニックで弾けばいい
    それが今の自分のピアノでしかないと思う







  • 50代で再びピアノ練習を始めた著者の楽しく、ちょっとストイックなピアノ生活。「夢中になるもの」を持つ幸せが溢れている。著者は元新聞記者の稲垣さん。N

  • 50歳を過ぎてから40年振りにピアノを再開したという著者のエッセイ。相性がいいのか、とても読みやすい文章。まんまとピアノを弾いてみたくなったし、曲名が出てくる度にYouTubeで検索して聴いたりと最後まで楽しく読んだ。“目標も野望も手放していく”という力の抜けた大人のお稽古、私もやりたい。大人のピアノ発表会の空気感も最高だった。
    ピアノ再開のきっかけとなるエピソードも素敵。

  • 最初は
    ええ?!こんな頑張らないといけないの〜
    もっと気楽にやりたいよピアノ
    って思って気後れしながら読んでいたけど

    作者が回が進むごとにだんだんと力が抜けてきて、
    なんかピアノっていいね、
    ピアノ演奏聴くのいいねって素直に思えたので良かった。

  • 著者のピアノに対する向き合い方が実に面白く、歳をとってから再会するにあたっての苦闘が描かれている。
    これは、人生100年時代と言われる昨今、とても参考になる読み物ではないかと思う。
    私は、今月50歳を迎え、マラソンに取り憑かれている。速く走り記録を追い求めるもよし、まったりファンランを楽しむもよし、はたまたコスプレにハマるもよし。
    そんな世界で、私はというと1ヶ月後に100kmウルトラマラソンにエントリーして、苦闘している身。
    今、まさにこの本を読み終えて、勇気をもらった。
    なんか、いけるような気がする…!?

  • ほぼ全て、アフロのおばちゃんの口語で書かれているので、サクッと読めるし、
    人間は、コツコツと少しずつ、いくつになっても成長することが出来るという事実を再確認させてもらえるし、
    成長する過程における、苦悩苦痛等も、(ピアノを再開するには筆者は、ピアノ等は、大人になってか始めた人は、子供の頃に始めた人のようには絶対にならないという残酷な真実、脳も身体も衰え過ぎていた等言っていたが。)本人の考え方次第、捉え方次第で如何様にも自分なりの解釈を足すことが出来るという事が書いてあった。
    実際、その事に気付いた筆者は実際ピアノの技量、それに沿ってマインド面も大きく成長していた。
    人生は、あっという間に過ぎ去ってしまうが、いつから何を始めても人間は成長出来るって事、メンタル面はより大きく成長出来るって思わせてくれる本
    私もバンド再開したくなった(笑)

    あと、母ちゃんとこのアフロのおばちゃんが同い年

  • 何で見たのか、図書館に予約していたけど、人気で長くかかり、忘れた頃に届いた。

    コロナ下(もう禍ではなくただの状況)でメルカリで電子ピアノを買い、弾いたり弾かなかったり…の自分に、大人になってからピアノに再会する話はしっくり来た。

    と思ったけど著者のあまりのピアノへのハマり方の激しさに「ごめん、一緒じゃなかった…」と、この勢いどこへ転がり着くのやらと楽しく読んだ。

    32Pより要約
    子どもの頃先生に「もっと歌うように!」と言われても「大げさに強弱をつければいいんでしょ」ぐらいに思っていたのが、大人になり「さすがにそうじゃない」と先生に聞けば「自分がどう弾きたいかということです」と答えが帰ってきた。
    (要約終わり)

    これほんと私も大人になってからやっとわかった。
    音楽の部活を何かしら続けてきて、オーケストラで合奏して「みんなで何を伝えるか」もやって来た。
    さて、1人でピアノを弾くとなると、大勢での合意なしに自由にやって良いのだ、と気付いた時の、まさにここでも書かれてる「私、可能性でいっぱいじゃないですか!」という気持ち。

    94Pより要約
    和音の音を間引いて弾いていたのを指摘する先生の「ダメですよ!」「ベートーベンはこの一つの音を書き入れるのに一晩寝ないで考えたかもしれないじゃないですか!」
    (要約終わり)
    勝手に音を端折ることもある私も反省…
    自分で伴奏作る時は、確かに「和音にこの音を入れるか入れまいか…」で考えて、試して、決めて、やっと入れるのに、そうだよなー、ベートーベンなら一晩考えてるかもな…と。

    118Pより要約
    やっと、ピアノを再開するにあたって目標にしていた「月の光」ドビュッシーを弾き始めて…
    聴くと弾くでは大違い、弾くとは、より深く「聴く」ということなのだ。曲と一体化することなのだ。
    (要約終わり)
    これも大人になってから良くわかったこと。単に楽譜をインプットして、アウトプットとして弾く、というのではない、自分で弾く度に聴いてはフィードバックをして、無限にその曲の中で遊べるという感覚がある。

    神様からのご褒美のように、突然音楽が自分の手から生まれる瞬間、というのがこの本の中に何回か出てくるが、最後にはそれは「私の中のどこかに、音楽が埋まっているのだ」という気付きまでたどり着く、その過程がこの本であり…と感じ入る。

    こんな調子であちこち頷きながら、そしてこれからの自分とピアノの関係の参考にしながら読めるとは…ただのピアノのエッセイ、と思っていた以上の本だった。

  • 自己流で電子ピアノを楽しんでいるので、稲垣さんの著書を楽しく、時に頷きながら、拝読させていただきました。

    期間は長いはずなのに、後から始めた子どもに、ダメ出しをされる毎日。

    最近では、ヘッドホンをして弾いている。

    しかし、本当に上達しない。

    稲垣さんは、一日必ず2時間は練習されるとのこと。ピアノに対する真摯な姿勢に脱帽。
    わたしも、著書から、練習方法、心持ち、曲選び他、たくさん気づきをいただきました。

    また、私が深く感銘を受けたのは、この著作を書くきっかけとなった、内藤会長との出会いの部分が書かれたエピローグだ。

    この出会いが、今豊かな広がりを見せてくれる。

    ありがとうございます。

  • 人生後半戦を迎えた同年代には心に響く本。逆に、若年層には理解できないかもしらん。

    帯で恩田さんがコメントしてるように、これは”ピアノ”の話でもあるけれど、それ以上に、誰しもに訪れる”老いとの向き合い方”について稲垣さんがたどり着いた境地を我々に共有してくれた貴重な内容でした。

    Youtubeを検索してみたら、米津先生との対談や連弾も見つかり、本の余韻に浸ることもできました。

    あと、平均律クラヴィーア曲集 第1巻 1番プレリュードを弾いてみたくなります。(できるかな〜)

  • 私も子どもの頃ピアノを習っていたので色々懐かしかったです。グレンゴールドの演奏を聴いてみたいくなりました。

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

稲垣えみ子の作品

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