老後とピアノ

著者 :
  • ポプラ社
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感想 : 116
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591171639

感想・レビュー・書評

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  • 良かった。自分もピアノが弾きたくなった。
    毎日5分でも触る。
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    最後良かった。
    「若者は目標を高く持ち、そこに向かって進んでいけばよし。でも老人は違う。遠くに目標を持たず、今目の前にあるミクロのことに全力をかける。野望を持たず、今を楽しむ。自分を信じて、人を信じて、世界を信じて、今は遊ぶ。そこに思いもよらない。美しいものが現れるのである。それをただただ楽しめば良いのではないだろうか。老人は今にすべてをかけるのだ。」

  • 20年強のブランク
    50手前で「老後とピアノ」のタイトルが気になった 
    。ピアノは好きだし弾けたらいいなと思う曲もある。電子ピアノもあるしいつでも弾ける環境にありながら、長く弾かないでいると指も動かないし、ハノンから再開するのかと気が重かったが、そんなのをすっ飛ばして好きな曲を弾くこと、自分が奏でた音に感動する事、作曲家を知る事など誰に文句も言われず死ぬまで楽しめそうだと感じました。
    新年早々久しぶりに電源を入れていきなり平均律を弾いてみた。指は勿論動かないし、楽譜は見えにくい。でも運指は指が覚えていて驚き!
    古い楽譜の書き込みも懐かしく、やれヘンレ版だのパデレフスキー版だの両親に金銭的な負担もかけたな〜など思いがけず感謝の気持ちも湧いてきたり。
    良いきっかけを頂きました。

  • 自分がピアノを弾く意味に気づかせてくれる本。

    自分が好きな曲を、あのメロディーを自分の力で鳴らしたいというのは自分がピアノを弾くモチベーションなんだけど、詰まる箇所があったりで1曲通して弾けなくて、ピアノを弾くこと自体投げ出すときがよくある。
     でも、片手だけのメロディーでも4小説でも、なんなら1音でも気持ちよかったのをこの本を読むと思い出せる。
    あと、詰まる箇所を片手づつだったり、力を抜いたり、ゆっくり弾いてみたりすれば上手くなれるかもという希望も感じることができる。
     この本を読んでまたピアノを再開できた。メンタルが弱いのでまたくじけると思うけど、その度にパラパラとこの本を読みたいと思う。

  • 2023 12 10 読了

  • 娘のピアノの発表会では、なぜか全員連弾があり、お父さんやお母さんが連弾する。
    なので、私も去年と今年とピアノを少しだけ弾いている。
    確かに楽しい。
    この本読んで私もちゃんとピアノを習おうかなーと思ってしまった。

  • 子どもの頃イヤイヤやらされていたピアノ。いざ大人になってみると、リベンジしたくなるのが人間というもの。

    ずっとやってみたかった「大人のピアノ」を、ひょんなきっかけから始めた稲垣さん。
    1日2時間は練習し、ついには腱鞘炎になるほどのめり込む。

    その顛末をあいかわらずの稲垣節で書いてあるので、爆笑につぐ爆笑。でも、その行き着く先は老いと向き合い、生き方を見つめることにつながるのでした…。

    おもろうて、やがて悲しき1冊。
    ピアノを弾いた経験がなくても読めますが、ある方がたぶん10倍くらい共感できます。

  • いや〜最高!
    私も最近、ピアノを再開したから、めっちゃタイムリーだった。
    えみこさんの文章は自由でいいな。
    新聞社で養われた文章力なのでしょうか。
    それでいうと、鴨居羊子も同じだね。

  • 子供の頃にやっていたピアノと、大人になってからやるピアノとでは全く別物ということだ。子供の頃はピアノと言えば「やらされる」ものであった。つまらない地道な練習に耐えねばその先はないのだと思い、いつになったら「その先」が来るのかよくわからぬまま、兎にも角にも恐ろしい先生に見張られながらびくびくと練習するしかないというものであった。

    というか先生の時間も無駄にしてしまった。今にして思えば申し訳ないことこの上ない。

    大人の武器は「努力すれば報われると知っている」ことである。

    評価されるとか何とかじゃなくて、 曲を自分のものにするために人前で引く。ですと?なるほど そんな考え方があったのか! それなら、たとえ 緊張して失敗してもそれも、自分のため、 曲のためのに必要な過程なのだと思えば、致命的な心の傷を負うことなく、めげずに 次もチャレンジしそうしようと思え そうだ。

    世界的ピアニストのリサイタルとなれば、驚くべき テクニックを易々と 観客に見せつけるものと 当然のように思っていた。心のどこかで「老 ピアニスト 、お手並み拝見」と思っていないわけじゃなかったのだ。でもそんなもんじゃなかった。妙な言い方だが、バレンボイム氏は「一生懸命」弾いていた。

    野望を持たず、今を楽しむ
    いくら これから年を重ねて 体力 能力が衰えようとも、 ああちっとも上手くならないとか、前より下手になったとか、嘆いたり 挫折したりする 心配なんてこれっぽっちもない ということだ。だって、衰えたら 衰えた分だけ、練習の目標を低くすればいいのである 。4小節が無理なら、1小節、1小節が無理なら 1音、それも無理なら 片手だけ、、とどこまでも目標を「割って」いけば良いではないか。たった1音を、右手でポーンと、美しく弾く。それならば 90歳になろうが100歳になろうが絶対にできそうである。っていうか、たった1 音を美しく引きたいという情熱があることが 既にすごすぎる。そう最後は情熱の問題なのである。

  • 2023年7月21日読了

  • 少々話しが長めだが、自分もピアノやってみるかと考えているので他人事とも思えずサッサと読めた。

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著者プロフィール

一九六五年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社で大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て論説委員、編集委員を務め、二〇一六年に五〇歳で退社。以来、都内で夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なしのフリーランス生活を送る。『魂の退社』『もうレシピ本はいらない』(第五回料理レシピ本大賞料理部門エッセイ賞受賞)、『一人飲みで生きていく』『老後とピアノ』など著書多数。


「2023年 『家事か地獄か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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