愛すべき娘たち (Jets comics)

  • 白泉社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592132950

感想・レビュー・書評

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  • 女性を描いた作品で、これ以上の作品に出逢ったことがありません。
    タイトルの"娘"たち、というのがまた秀逸。"女"たち、ではなく、"娘"たち。
    女性という性を生きることに対するあらゆる悲しみ・愛しみが胸に痛いくらいに響きました。
    大好きな大切な作品です。

  • よしながふみ、
    だなぁ。

  • なぜかわからないけどこの本を読んでぼろぼろ泣いてしまった。
    「分かってるのと許せるのと愛せるのとはみんな違うよ」という言葉でなるほどと思った。母も一人の未完全な人間なんだな、と。
    母子の関係をリアルに描いていて、考えさせられた。
    でも、読後感はいい。

  • よしながふみはすごい。マンガでここまで日常をドラマに、小説にできるなんて…母も大人として完全ではないし、時として愛情がゆがむこともある…と、何気ない、でもマンガらしい日常を通して自然に描いてあるのがいいです。

  • 三話目だったかな。が、好き。

  • 何て愛しい

  • 購入:2011/2/22
    読了:2011/2/22

    [第1話]
    娘に八つ当たりしながら母親が娘に言う言葉。
    「あんたの周囲がすべてあんたにとってフェアでいてくれると思ったら大間違いです!」
    高校生ぐらい自我が発達して来たらこのぐらい言ってもいいのかな、と思うけど(言っていることは正しい)、乳幼児期にこれ言われて八つ当たりされたら、愛着形成の障害となるだろうなぁ。信頼の形成された親子間じゃないと言ってはいけないな。


    [第2話]
    第2話だけ、他に比べて浮遊しているような気がする。。。
    あんな出来事があったってことを、他人の家で、しかも初対面の家でぺらぺらと喋るだろうか…。
    そして、この話だけ、「娘」は何も分かっちゃいないし、何も成長しちゃいないんだよな…。


    [第3話]
    莢子と不破さんが仲良くなっていく過程の描写が好き。
    ただ、前編・後編と使った割にオチはそれかぃ?という感じがした。マルキズムとかよく分からないので、このオチにヒネリがあるのかどうかもよく分からなかった。
    恋愛対象として人を好きになることができない、ゆえに結婚もできないことを莢子が嘆く場面があるのだけれど、それらを「嘆かなければならない」ことがすでに抑圧なんだよな…。恋愛教と言われるやつ。だから、恋愛教、結婚教と縁のない場所へ行ったとき、彼女はすがすがしい顔をしているのだろう。


    [第4話]
    名作だと思う。
    最後の2ページで、涙ぐんだ。


    [最終話]
    第1話の主役が再びメインとなる。そして第1話の時点できちんと伏線は張られている。この構成はうまいなぁと思った。
    第1話で謎だった、大橋君が母親と結婚した理由も、自然な流れで明かされているし、そつがない。ところで表札が「如月 大橋」ということは事実婚なのかな。


    「(なんでそんなこと言うの!?なんでそんなこと言うの!?お母さん)」

    答えは簡単。
    その方が母親が救われるから。

    この母親の場合なら、女学校の美人に見下された過去の復讐を子どもに対して行って、溜飲を下げられる。
    そして、子どもが価値ゼロであれば自分は安泰でいられる。

    この母親が孫に思い出話をするときにも作者はこう言わせている。

    「義次さんが亡くなった時もユッコちゃんのためにも再婚しなさいって言ったのに結局やもめで通してしまって…」

    自分のことしか考えていない人間ほど「だれだれのために」って言葉で自己欺瞞するのね。こういうところこの作者は細かいよなぁ。


    姉を弟より明らかに下におき、差別する。そのことを面と向かって娘から指摘されると、「親が子どもをどっちがどっちよりかわいいなんて扱いするもんですか」とおいおい泣く。
    うちの母親もそうだったなぁ。泣きはしなかったけど、
    「親は」
    「親と言うのは」
    を主語にしたセリフをよく言ってた。だが、けっして「私は」を主語にして語ることはなかった。

    「親が子どもを憎いわけないやろ」
    「親なら誰でも子どもに幸せになってもらいたいと思うもんや」

    ええ、そういう親は、理想の親ですねぇ。美しいですねぇ。
    でも、自分自身がそういう理想の親でないことを分かっていたからこそ、一般論としてしか語れなかったのだろうと思う。
    「親とは」と、ひと括りにしてしまえば、その中に自分も自動的に含まれる。
    「『私は』子どもを愛している」「『私は』子どもの幸福を願っている」
    こんな、自分の心に反するようなことを口にせずとも、理想の親でいられる。

    反吐が出るような欺瞞。


    …とか、いろいろ考えさせれて涙も出たけれど、この淡々とした絵が、あふれかえったドロドロした心をすっと吸収してくれるような感じだなぁ。ゆえに何度も読み返してしまう。

  • 一番近いから抱く。一番近いから言えない。
    愛とコンプレックス。そして愛。

  • この漫画で、社会人になっていた私は、
    いろいろ考え方を固めてしまいました。
    多くの女性の生き方が交錯するのですが、
    印象的なのは、美人で人気高いのに結婚しない女性のお話。「愛するっていうのは差別することじゃない」と気付き、修道院に入ってしまいます。ここから何を読み取るかは人によりますが、私は「こういう生き方もありか」と腑に落ちてしまいました。特に女性は必読です。(bookish)
    「美しい母が、自分よりも若い男と再婚する…?」そんな母と娘の確執から始まり、男女の愛、女の友情…登場人物たちがゆるやかに繋がり、最終話のエピソードで一話目がより深く読めるオムニバス短編集。各話それぞれ「女」たちの切実さが胸に迫ります。話は知っているのに、何度読んでもグッときてしまう、この作品の魅力のひとつは「間」ではないでしょうか。登場人物がふと見せる表情、その微妙な変化。アップ。引きの画・寄りの画が、物語を読み進めていく読者の感情に、気持ち良いくらいシンクロします。恋愛劇はもちろん素晴らしいのですが、個人的に、第4話の中学時代の女友達の話に泣きました。気付いたら大人と呼ばれる年齢になってしまった「あの時話したささやかな夢」がある方に、是非。(
    山口文子)

  • ドロドロしてる展開への距離の置き方が絶妙で心地良いです

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著者プロフィール

東京都生まれ。代表作の『西洋骨董洋菓子店』は2002年、第26回(平成14年度)講談社漫画賞少女部門受賞。2006年、第5回(2005年度)センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。ほかの作品に、『大奥』『フラワー・オブ・ライフ』『愛がなくても喰ってゆけます』『愛すべき娘たち』『こどもの体温』などがある。


「2022年 『きのう何食べた?(20)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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