- Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592145189
感想・レビュー・書評
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宗谷名人と桐山くんの記念対局。
向かい合って指している2人だけに聞こえる声に頼らない会話のようなものがあるのかな。
魅了されたかのように棋譜をみつめる桐山くんが少し心配になったけど、二海堂くんとひなちゃんと、みんなの笑顔が周りにあるからきっと大丈夫。
ずっと笑っていてほしいなと思う。
そして柳原棋匠と島田八段の棋匠戦は、もぅ、格好いい!
こんなにすごい戦いなんだからポスターももっとすごいの作ってください!
(「天国からいつも見守ってるよ」的なポスターもときめかしいけれど‥)
次巻は二海堂ワクチンの続報と桐山くんの部活動風景があると嬉しいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「早くぅ~、早くぅ~。次は『信長』が待ってるんだから」って、
読み終わったそばから持ってかれちゃった。
高2と高1の姪達に。
だから、『3月のライオン』のレビューはパスするかって、思っていたら、
彷徨の第八巻、感動しました。
私自身が、登場しているではありませんか。
「定年を繰り上げてくれって、内示もらってな。5月いっぱいで、退社したんだ……。ま、早い話、リストラだ」
「―――でも、朔ちゃん、俺は、アンタはまだ、戦ってるんだって思ったら……。いてもたってもいられなくて……。」
「俺から仕事とったら何が残ってんだ?」
「こえーよ、朔ちゃん」
『3月のライオン』、若い人たちだけの物語だと思って読んでいたのに。
精一杯頑張った人間が、
最後に辿り着く場所が、
焼野ヶ原なんかであってたまるものか!!
そして、涙が止まりませんでした……とはいかずに、
Chpter79のポスターのエピソード。
「この楕円の枠がいけないんですかね? なんていうかこう…、卒業アルバムの欠席の人みたいで…」
「いや…取ったら取ったで、今度はなんつーか…
『天国から見守ってるよ』的な空気感が出ちゃってさ…」
久しぶりに大笑い。
いまでも、思い出し笑いをして、妻に気味悪がられています。
ここで、笑い飛ばせるうちは、“戦い続けるという事”ですよ。
私だってまだ、捨てたもんじゃねえですぞ。 -
人の傷みが分かる人でありたい。
そう願ってはいるけれど、まだ程遠い。
このマンガを読むとそんな私でも
人の傷みが分かるような気になってしまう。
今回はおじさんたちがメインだったけれど
読み応えたっぷりだった。
年をとればベテランとは呼ばれるものの、
ゴールはまだ途方もなく先だったり、
折り合いをつけなければならなかったり。
敵も見方もそれぞれの人生を背負っている。
『精一杯頑張った人間が最後にたどり着く場所が
焼野ヶ原なんかであってたまるものか』
これは勝負の世界だけの話じゃない。
やっぱりすごい。人間讃歌だ。
道行くおじさんたちに
『がんばれ〜』ってつぶやいた。
私もまだまだ、がむしゃらでありたい。-
iii76385さん、コメントありがとうございます!
こちらこそフォローしていただき、ありがとうございました。
羽海野さんの作品は『...iii76385さん、コメントありがとうございます!
こちらこそフォローしていただき、ありがとうございました。
羽海野さんの作品は『3月のライオン』が初めてで、
女子っぽいタッチと骨太なストーリーに
振り幅の広さを楽しみつつ、毎回ジーンとしちゃいます。
『ハチクロ』iii76385さんが大好きなら
きっとこちらも素敵な作品のはず。
読んでみようと思います!
こちらこそよろしくお願いいたします!!
2014/04/16
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零と宗谷の対局、二人には大きな実力差が有る。だから結果そのものはほぼ決まっている
ここで求められているのはどれだけの将棋が指せるか。
明確に悪手を指してしまった零はその時点で敗着と悟りつつもそこから全てを最善手のみで指してやろうと意気込む
島田との対局の際には自分の足りなさを恥じて途中で対局を辞めたいと思ってしまった零だけど、ここでは全く逆の考えを見せている。
この対局を思う存分「味わってやろう」との気持ちだったのかもしれない
そうして対局が終わった零は帰るのだけど……
ここで思わぬ展開になったね。迷子をお家に送り届けるような展開には見ているこちらまで何とも言えない気持ちに…
それでも見えてくるのは宗谷の人間性。将棋に関わる部分では彼は鬼か神かといった所だったけど、迷う零に精算窓口やホテルを示すなど年長者としての振る舞いを見せる
また、明かされた宗谷の事情からも判るように宗谷って将棋のために人間を辞めたわけではなくて、耳が聞こえなくなったことで将棋の世界にのめり込めるようになってしまった人間だったというわけか
そうなった宗谷の振る舞いを見て周囲は勝手に天才だ、鬼才だと持て囃すけど、その実情はとても孤独で儚い人なのかもしれないと、零が朝起きたら消えていた描写含めてそんな風に思ってしまった
79話から始まるのは島田と柳原による将匠戦なんだけど……
いやはや、これがどうして予想外に深みのある重い対局を見せてくれたね
最初は完全にギャグ調で二人のポスターも投げやりだし期待されてないのかな、なんて思ってしまったが実際は二人は周囲からの想いをこれでもかと身に纏った人間だったわけだ
こうしてみると柳原って島田の上位存在なのかなと思えてしまう
島田は故郷に錦を飾る為に胃の痛みと共に何十年も戦い続けた。故郷の期待は島田の重圧となりつつも一方で諦めさせない強さとなった
対して柳原も長い棋士人生の中で諦めざるを得なかった人々の想いを雁字搦めになるまで身に纏っている。それが柳原の重厚な力の源泉となっている
二人は似ているようで少し違う。島田は棋士になれなくて故郷に帰った自分を夢に見ていたけど、柳原には棋士を辞めて残るものなんて想像できない。また幾重にも絡まった想いの襷は柳原に棋士を辞めることを許さない
けれど、棋士を辞められないとの想いがまるで将棋盤にしがみつかせるような、それでいて誰にも退かせられないような将棋を指させる
全てを拾い、全てを捨てないまま永世称号を獲得した柳原
それだけでなく、焼け野っ原にいるようだと漏らしていたがんちゃんに頼み集合写真を撮るシーンは感動モノ
柳原が火だるまになっても離さなかったものの価値が集約されているような気がした -
じいちゃん!(最大の敬意を込めて)
と思わず握りこぶしを固めてしまいましたよ。
大好きな島田さんには勝ってほしいのですが、
今回はやっぱりじいちゃんでしょ。
さすが羽海野先生、分かっていらっしゃる。
この漫画を読むと、
生きるのは何てつらいことかとつくづく思わせられる。
自分の好きな将棋をして飯を食えるなら幸せじゃんなんて、
口が裂けても言えませんよね。
自分の好きなものを仕事にするのは、
自分で自分に呪いをかけるよなものです。
どれだけつらくても逃げることのできない呪。
でも、そこでもがくからこそ輝くことができる。
いくつになっても輝くことができる。
自分も自分の仕事の中でもがくしかないな。 -
「戦い続けることの重みを読者に投げかける」というような文言が8巻の背表紙の解説に書かれてありましたが、やっぱりベテラン柳原棋匠の戦いっぷりが印象的で、カバーイラストになっている、無数のタスキに絡め取られながら振り向く柳原棋匠のあのシーンが本巻のハイライトでしょう。何年もその道を歩み続けてなおアグレッシブな攻めをみせる姿は、背負うものが大きいからでもあるんだろうなとしみじみ思いました。
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いつもながらに感心してしまう。
何でこんな物語を紡ぎ出せるのかな。
零くんと宗谷さんの音のない闘い、島田さんと柳原さんの病弱同士の手に汗を握る熱戦。。
三姉妹の登場は少なめだけど、夏祭りの白玉には思わずにやり、じゅるりと。
読み終わるのがもったいなくてもったいなくて、ひと匙ひと匙大事にいただきました。