だれかのいとしいひと

著者 :
  • 白泉社
3.30
  • (14)
  • (34)
  • (100)
  • (10)
  • (2)
本棚登録 : 269
感想 : 38
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592750079

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 酒井駒子さんの装画に惹かれて手にとった本。
    描かれている女心に、ひとつひとつ頷いてしまいました。

    えと、完璧なキスの話に妙に惹きつけられました。
    キスって、確かに特別。
    ちょっと、深く、考えてしまいました(笑)

  • たれかをどうしようもなく好きになったり、それでもどうにもならないということがあるんだと知った後で…
    このフレーズが好きだな、あるあるだな、うんうん。と思いました。

  • 読んだことあったかな、と思いつつ読んでみたけど多分読んだことなかった。
    角田光代さんの短編集。ちょうど10年前に刊行されていて、今の彼女の作風との違いも楽しめました。

    「花畑」はネガティブ炸裂しまくりでびっくり。ここまで暗鬱としてると寧ろ逆にポジティブになれそうです。
    「誕生日休暇」もそこそこ暗いんですが、静かな穏やかさなんかも感じられて良かった。ひねくれてて、だけどちょっと素敵な非日常。
    最後の「海と凧」では主人公にすごく感情移入できて、思わず私まで自身の記憶を掘り返す作業をしてしまいました。
    総じてどの話も叙情的でひどくノスタルジックです。挿絵もいい味出してた。

    作者のあとがきにもあったように、理由なんかまったくないけれど、自分の中にはふとした瞬間にいつでも鮮明に思い出せる風景と気持ちがあって、そしてそれはけっして失われないものなんだ、と痛感できたしかな心強さを覚えました。
    切り取ったようなその瞬間はなるほど夢のようです。

  • 20140705

    恋愛話がメインだけど、みんな幸せとは限らなくて様々な問題をかかえている。
    憧憬に訴えかけてきたり、あるあるという気持ちにさせられたり、そういう普遍的な女性の感情を描くのが上手い人だと思う。
    好きな話はバーベキュー(いまお腹空いてるだけか、主人公がビッチすぎだけど逆に爽快)、と花畑(世の中ここまで不幸な人もいるんだ私は幸せだったんだながんばろうって気持ちになる)、誕生日休暇(こういう冒険チックなの好き、でもなんかせつない!)

    だけどやっぱり女性の恋愛事情小説は、私の性にあわない。

  • 作者の言う『この物語の何でもない光景のひとつが、読んでくれた人の記憶に、するりと、何食わぬ風情でまぎれこんだらいいな』の通りの短編集。

  • どれも思ってる事と、現実とのギャップに悩まされる感がとても漂っていて、
    そこに角田さんの一捻りした文章が相まって、
    読みやすい短編集でした。
    挿絵もあっていいですよ。

  • 恋に悩み、生き方に迷う、女の子や男の子が描かれた短編集です。
    その姿や風景が近くに感じられて、共感したり、納得したり。

    お気に入りは『ジミ、ひまわり、夏のギャング』、『誕生日休暇』。

  • 短編集。
    まず、題名が秀逸!思わず手に取ったという感じです。

    内容も、表題作がとても好き。
    後は、誕生日休暇が良かったです。
    決してメルヘンではない、大人のおとぎ話という感じでした。

  • さまざまな形の恋愛が短編でまとめられています。
    日常の何気ない出来事や心の揺れが静かに描かれていて、とても好きでした。
    本文中に、「人生は偶然同じバスに乗り合わせるようなものだ。みんなそれぞれの目的地に向かう中で、出会ったり別れたりする」というような言葉があって、思わず深いな~!とうなずいてしまいました。

    【福岡教育大学】ペンネーム:朱

  • 2002年9月28日読了。

全38件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×