- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593503070
感想・レビュー・書評
-
再読。ジョン・バーニンガムの絵が大好きで手に入れてたのをしばらくぶりに読んでみた。羽の生えてないガチョウの話。大雑把に言えばみんなと違う者が紆余曲折を経て幸せを手にする寓話だが、そうして意味を求めるより絵を眺めて幸せに浸りたい。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1936年4月英国生まれのジョン・バーニンガムが、今年の1月4日に亡くなった。
好きな絵本作家さんのひとりなので、早くレビューをまとめて載せたかったのだがなかなか叶わず。少し時間が出来たので、今日やっとデビュー作から載せてみる。
「ボルカ」はバーニンガムの処女作で、このとき28歳。
ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品でもある。
大人が読むとドキッとするような悲劇的な出だしだが、もちろんそんなことはおくびにも出さずにお読みあれ。お終いまで読むとしみじみと心温まる良いお話なので。どうぞ落ち着いてね。
中学年から。約12分。
ガチョウのポッテリピョン夫婦が授かった6羽の赤ちゃんガチョウたち。
よく似たきょうだいたちの中で、雌のボルカだけは生まれつき羽が生えていなかった。
お母さんが灰色の毛を編んでくれるが、他のきょうだいからは笑われてしまう。
ひとりぼっちで、飛ぶことも泳ぐことも覚えられないボルカ。
とうとう、冬が来る前にみんな旅立ってしまい、ひとり残されることに・・
描線が力強く、黒のアウトラインもくっきりとして、隅々まで描きこんである。
有名な「ガンピーさんのふなあそび」などで見られるやさしく飄々とした絵柄ではない。
絵も、お話も、プリミティブな魅力にあふれている。
この後の作品に通じる王道のストーリーテリングで、物事をまっすぐに見つめる真摯な眼差しがそれはそれは心地よい。
動物とひととの絆。持たざる者への温かい作者の眼。
そんなものが心を満たし、読み終える頃には胸の中をあたたかいものが流れる。
後期の作品に比べると文字がやや多いが、まだ作者が若かったという証拠かも。
棲み処も職も転々としていたという若き日のバーニンガムだが、胸中にはこんなものが流れていたのね。
ということで、バーニンガムの作品がこの後も続きます。 -
羽がないという、ハンディがあるガチョウが、群れの中では居場所がなく悲しい思いをしていて、でも最後は居場所を見つけた。どんな状況であっても、受け入れてくれる場所、求めてくれる人、居場所はどんな人にもあることを気づかせてくれる絵本です。
-
とてもシンプルな物語だけどとても切なくなる。
そしてその分だけ好転で幸福感に満たされる。
辛いことがあっても、出会いが救ってくれるね。 -
他の人と一緒じゃなかったからこそ、その人たちに見れなかった景色もある。
-
色使い・タッチがすごく好み!!
ストーリーはよくある話だけど、絵の感じが好きだなぁ。-
「絵の感じが好きだなぁ。」
バーニンガムの絵って柔らかで良いですよね!私は「ひみつだから!」とか「おじいちゃん」が好きです。。。「絵の感じが好きだなぁ。」
バーニンガムの絵って柔らかで良いですよね!私は「ひみつだから!」とか「おじいちゃん」が好きです。。。2013/01/23
-
-
ボルカの人生は最初悲しいストーリーでしたが、途中からは幸せなストーリーを歩むことに。
筆者の伝えたいことは、見た目を気にするなということか?いつか理解者はでてくるということか?多様性の中に飛び込めば、認めてくれる人がいるの言うことを伝えたいのかな?
訳者のあとがきで記載の、犬のファウラーの(fowler)は『野鳥の殺しや』という意味があり、犬に会う場面の恐ろしさを表現するためにあえてファウラーとしたらしい。奥が深いね〜 -
ジョン・バーニンガムのデビュー作。生まれながら羽根がなく仲間外れで育ったガチョウのボルカーが成長していく話。不思議なことに優しい人?たちが登場してくるんですよね。
-
バーニンガムのデビュー作。羽のないガチョウが主人公。