知盛 (絵巻平家物語 9)

著者 :
  • ほるぷ出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (34ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784593542093

感想・レビュー・書評

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  • 「平家物語」は平家滅亡を哀れに思うための物語では無かった!

    子どもと図書館に行った際、ふと目に止まった「絵巻 平家物語」です。なんと1989年刊行。
    視聴率で色々言われつつも頑張ってる大河ドラマ「清盛」の絵本版です。

    絵巻最後の9巻は清盛の三男「知盛」(とももり)です。

     京を追われ、一の谷での敗戦。四国屋島にて体制を立て直すが、また義経に追われ、下関にて「壇ノ浦の合戦」。平家が滅亡した瞬間です。

     9冊に渡り「絵巻平家物語」を読んだ感想としては、「平家物語」は悲しむための話じゃない!
     平家の滅亡を哀れに、因果応報、教訓とするための物語と思っていましたが、そうでは無かった。
    上手い表現が出来ないので「あとがき」をそのまま載せます。

     「善人悪人いろいろな人々が『平家物語』には出て来るが、その代表的な人物はみな、良くも悪くも全力を尽くして生きた人たちである。
     いずれにせよ、人間はやがて死んでいくはかない存在ではあるが、しかしそれら全力を尽くして生きた人々の生き方を、またその生き方がからまりあって作りだされる歴史を言うのもを、これほど生き生きと感じさせてくれる古典は、日本にはめずらしい。」

    なるほど。そう言う意図で作られたこの絵巻であればこそ、こんなにも面白く読めたのだと思います。

  • 平家物語に取材された本だが、基本的には木下先生の知盛観で描かれている。
    さすがに描写が美しいなあと思える場面もあったが、全体的には不思議な緊張感と主観(共に物語のではなくて、作者の)を感じて、絵本かどうかという以前に、わたしはあまり面白くなかった。

    同シリーズの俊寛が非常に良かったと記憶しているので、この作者は個人的思い入れがない人物を書いたときの方が筆が冴えるのかなと思った。

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著者プロフィール

東京女子医科大学准教授

「2017年 『医療系のための物理学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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