赤めだか

著者 :
  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594056155

感想・レビュー・書評

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  • 一気に読んだ。

    立川談志という人の凄さが伝わってくる。

    <blockquote>よく芸は盗むものだというがあれは嘘だ。盗む方にもキャリアが必要なんだ。最初は俺が教えた通りに覚えればいい。盗めるようになりゃ一人前だ。時間がかかるんだ。教える側に論理がないからそういういい加減なことをいうんだ。</blockquote>
    <blockquote>「己が努力、行動を起こさずに対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬というんです。」</blockquote>
    <blockquote>「よく覚えとけ。現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいといったところで仕方がない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、なぜそうなったかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿という」</blockquote>

  • ・談志の芝浜=人生で最初で最大の衝撃
    ・(師匠に弟子は)本気で惚れてる相手なら死ぬ気で尽くせ.
    ・談志「芸を盗むものだというがあれは嘘だ.盗む方にもキャリアが必要だ.」
    ・勝てるまでは相手を観察し,研究する.格好つけてる暇はない.
    ・志らくはライバル.

  • 「修業とは矛盾に耐えることである」

  • 立川談春の落語家人生の話。主に入門から二つ目になるまで。最近落語に興味が出てきており、興味深く読む。落語家の大変さ。読み終わった後、談志氏、談春氏の落語をYoutubeで見てみた。

    談志師匠のやはり変わっている生態や弟子たちのおもしろ話で、通勤中なのに吹いてしまう。楽しく読めた。立川流は落語業界では異端児である事や、あの時代お笑いに勢いやある種の品格さえ合ったなあと思わせる時代背景も面白い。

    映画も見てみたい

  • 歯を食いしばって頑張った経験はあるだろうか。
    10代で入門して、ちょっと思い込んだら、いやなんか間違っていても、師匠と呼べる人に出会って、そして、後輩に伝えていくことがある。
    真似はできないけど、ちょっとうらやましい人生です。

  • 落語が好きなので、なんとなく手に取ってよんだら、読みやすくて面白かった。
    談春と談志の関係ややりとりなど、とても心温まる内容だった。
    落語といえば、小さんさんが好きだ。談志と小さんの最後のやりとりは知らなかったので、ホロリと来た。師匠と弟子の関係ってすごいな。と思った。

  • 立川談春が、前座時代の生活を綴った破天荒なエッセイ。「本当は競艇選手になりたかった」、意表をつく出だしから、とにかく、めっぽう文章がうまい。名人の呼び声高い談春ではあるが、文章家としても名人級です。
    新聞配達少年と修業のカタチ、談志の初稽古、師弟の想い、築地魚河岸修業、生涯一度の寿限無と五万円の大勝負など、一気に読んでしまいました。それにしても、私はまだ生で談春の落語を聞いたことがない、悔しいです。

  •  立川談春の入門から前座時代の思い出話。おもしろい。つるつると読めるだけじゃなく、落語の世界の特殊さ理不尽さ、立川談志の特殊さ理不尽さが、ただの青春記では終わらない味わいになっている。エピソードのひとつひとつに、ああ、この人は師匠が好きで好きでたまんないんだなぁ……というのが、ひしひしと伝わってくる。それが、ただの「いい話」になるわけがないところが、また落語なんだなぁ……とも。
     ここんところ、立川流の寄席をいくつか立て続けで聞いているので、談春の同期・先輩・後輩落語家のエピソードなどもちょこちょこと書いてあると、顔が浮かんできておもしろい。とくにやはり志らくとのライバル関係(入門は談春のほうが先だが、真打になったのは志らくが先)の話は読み応えあり。志らくが「先に真打昇進試験の会をやる」と談春に告げる場面。
    「談春(アニ)さん、俺達立川ボーイズで売れ損なった。もうモタモタしていられないと思うんです。真打をきっかけにして知名度を上げたい点…それに……」
    「なんだ」
    「談春(アニ)さんを待っていたら、いつ真打になれるか、わからない……」
     そんなこんなで、志らくに先を越された談春が、自分の真打昇進を本気で考え始めるあたりがクライマックス。談春は、自分の昇進試験にとんでもないゲストを招くことを思いつくのだが……。
     師弟・友情・意地・人情……いろんな二字熟語が思い浮かぶ。とにかく、今時こんなに熱い青春記を書ける人はそういないと思う。とりあえず、立川流が好きな人はほっといても買うと思うけれど、「青春もの」の名作として誰彼なく勧めたい。

  •  立川流家元の直弟子の中でもいま一番チケットがとりにくいであろう談春師(志の輔師のほうが公演数が多い分。気のせいか?)の子供時代、弟子入りしてから、真打になる前の、前座修行のこと、築地での修行など事細かに。

     談幸師の『談志狂時代』が立川談志のことが好きで好きでしょうがない弟子による「ラブレター」であるとすれば、『赤めだか』は現在の談春がどうやって出来ていったか、という「履歴書」である。 どう違うかというと、『談志狂時代』は起こったことを全部書こうという一種の「記録」なのに対して、『赤めだか』は面白そうなところだけかいつまんで話そう、という一種の「ベスト盤」の立ち位置で文章をものしているんだろうなぁ、という。かといってこれがふたりの芸風を……とは言わない。言えない。実は談幸師の高座に当たったことが無いんですアタクシ。

     で、まぁ、面白いには違いない。んだけれども、文章で書くという手段がより成功しているのは、『談志狂時代』かなぁ……と、思うのです。
     何年前の花形演芸会か、談春師の「包丁」でボロボロ泣いた身としては談春好き好きフィルターちゅのがどうしてもあるけど、じゃあ、ほかの噺家が、師匠も代えて同じエピソードを書いていたら面白いかなぁ、というとそうでもない気がしてきた。

     並はずれて面白い読み物であることは間違いない。という前提の上で、まぁだいたいこういったことが云えるのではないかしらん。

  • 立川談春の落語を聞いたことあるがとんでもなく上手い。
    談春の談志門下入門エピソードから前座時代の思い出が面白い。
    談志が語ったひと言が弟子にどのように響いたのかがわかる。
    「師匠なんていうのは、誉めるくらいしか弟子にしてやれることはない。」
    立川志らくとのライバル関係もオープンに書いてあるところが凄い。
    「己が努力、行動を起こさず対象となる人間の弱みをあげつらって自分レベルまで下げる行為を嫉妬という。他の誰かが同意してくれると安心してしまう。嫉妬は楽な行為。現実は正解であり、相手に並び抜くための行動をおくるべき。行動を起こせないものを馬鹿という。」

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