- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594058784
感想・レビュー・書評
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まるでほんとうに小学生の主人公が書いたような文章で終始する。拙く単純な言葉遣い、だけどなぜか飽きがこず、子どもならではの視点にふとはっとさせられる。純粋すぎる子ども残酷さに奇妙な人物の言動が混ざり合い、ホラー映画を見ているときようなひんやりとした恐怖感が背後に迫る。その生々しさに感服である。
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まず酒井駒子さんの装画が美しくて、物語の雰囲気にぴったりの佇まいだと思う。
魚彦や海子という名前、車椅子の少年、小学生の頃の懐かしい遊び、液体を満たしていたガラスの破片だけで作られる願いの叶う魔法の人形、東京湾に面した人工的な海、お祭りの屋台で売られているビニールに入れられた短命の金魚…
東京の品川が物語の舞台なせいか、ノスタルジックでいてどこか無機質さも感じさせるような不思議な印象を受ける。
大人が思っているよりも子どもは色々なことを考えているし、理解している。
この年代の頃もっていた純粋さや、ごく自然に飼い慣らしていたある種の残酷さを思い出した。
ビー玉越しに世界を覗いたような透明さ、窒息しそうな湿度を感じる。
海子のことをもっと知りたかったなと思った。
彼女の体質の訳や、引っ越してきた理由なんかを。
でもそれは別に明かされなくても良いことなのかもしれない。
彼女のことを考えるとなんだか胸がぎゅっとなる。
そんな女の子だった。 -
夏の水の半魚人
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装丁/奥山志乃(細山田デザイン事務所) 装画/酒井駒子
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久しぶりに小説を読んだ。小説は深く物語の世界に入り込めることが良い。
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冒頭で主人公の「魚彦」という名前の由来を母親が語る時の狂いっぷりが静かに凄まじくて面白そうな出だしだったのに、物語自体はちょっと期待はずれだった。
転校してきた女の子がよくお漏らしをすることや、母親が狂っていること、親友が車椅子に乗っていたり、同級生と馴染めず自分たちにつきまとう友達の弟など、大きくなると話題に出しづらいようなことも小学生の素直かつ寛大な目線で描かれていて、ところどころ面白い表現があった。
話の終わり方は不完全燃焼なかんじ。 -
都会の小学生のある夏の話という設定で読んでみたのだけど、思ったより世界に入れなかった。
お母さんの魚との初恋エピソードから、不思議な話が繰り広げられるかと思うと、そうでなく、小学生の日常がなんとなく綴られていくのみ。
なんとなく日常っていうテーマはだいぶ好きなんだけど、この子の語る日常が好みに合わなかったのだろうなあ。 -
流し読み
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13/11/24
装画が酒井駒子さんだったので手に取った。けどつまらなかった。