ミンコット荘に死す (扶桑社ミステリー)

  • 扶桑社
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本棚登録 : 55
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594071349

感想・レビュー・書評

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  • 娘婿が自殺したと電話を受けたキャロラスは真夜中に現場のミンコット荘に駆けつける。
    警察は自殺と判断するが、幾つか不可解な点が…。

    1956年発表と言うことを考えると、トリックはこんなものか。
    むしろ張り巡らされた伏線に気付かされる謎解きシーンが醍醐味。
    こう言うクラッシックミステリ大好き。

  • クラシック・ミステリの佳品。キャラは楽しく、ネタもよくできている。
    ただ、何か飛び抜けたところがあるわけではない。探偵役以外の人物に危機感がないというか、時代性なのか妙にまったりしていて、そのくせまだ半分以上を残して2人めの死者が出た時は「…どーすんだ、これ」と思ってしまった。昨今のものにはありえない肌ざわり、これこそ古典を読む意味なのかもしれない——あからさまに階級社会な「古き良き英国」の風俗描写もしかり。

    2016/1/18〜1/23読了

  •  レオ・ブルースのキャロラス・ディーンもの。良くも悪くもかっちりとした正統派ミステリだ。ある夜ミンコット荘の鼻つまみ者が拳銃自殺を遂げる。どうみても自殺の動機がないことから謀殺の疑惑がもちあがってキャロラスが独自に捜査をはじめたところへ起こるに謎の毒殺事件。いなかの狭い範囲の事件でありながら係累や知己がみんな夫婦であらわれるので、登場人物が多い。最後にその全員が招待されたパーティの席上で起こる最後の殺人事件。そこでキャロラスが鮮やかな推理を披露するというよくできた舞台装置だ。犯行の機会や手段はともかく動機が不明なせいで全体が謎につつまれていた事件が、ちょっとひっくり返すとすべてが合理的に説明できるという、まあどこかで見たようなというからくりになっている。毒の仕込み方とか分析とか細かいところが気にならないでもないし、たくさんの登場人物に怪しげな振る舞いをさせ過ぎるのが不自然ではあるが、この時代の作品にしてはしっかりして好感がもてる

  • 2015/05/27読了

  • 舞台は英国のカントリーハウス、周囲から嫌われていた娘婿が変死する。警察は自殺と断定するが、ディーンは他殺を疑い素人探偵活動を開始する。

    もう、どこを切り取っても英国クラシカルミステリな雰囲気満載で満足、満足。登場人物が全員、良い意味で英国的なクセのある人物ばかりで、行動にしろ会話にしろ「ああ、あるよねーこういうの」感が心地よい。
    そして読んでるだけで虫歯になりそうなぐらい出てくるお菓子の数々(笑)(作者も悪ノリしてるのかと言わんばかりに出てくるわ出てくるわ)
    謎解きのシーンでの伏線回収の技は安定して素晴らしい。ユーモアの方向性といい、レオ・ブルースはホント私の好みの作家さんです。

  • キャロラス・ディーンシリーズ。版元はよく変わるが、訳は安心の小林晋氏。
    ある夜、知り合いの老婦人から娘婿が自殺したので来てほしいと呼び出されたディーン。警察は自殺と判断するが、そうとは思えないディーンは調査を開始する…
    被害者が嫌われ者だったせいもあり、変死事件なのに全体的にのどかな雰囲気で、ディーンの聞き込み相手も一癖も二癖もある人物ばかりで笑いを誘う。彼の探偵活動を快く思っていないゴリンジャー校長や家政婦のスティック夫人とのやりとりも健在。地味で平坦な展開ではあるがしっかりミステリしているし、このシリーズはやはり好き。

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著者プロフィール

Leo Bruce
レオ・ブルース
1903年、ケント州イーデンブリッジ生まれ。本名ルーパート・クロフト-クック。さまざまな著作活動を行いながら、ブルース名義で1936年に最初の本格ミステリー『三人の名探偵のための事件』(扶桑社ミステリー)を発表。ビーフ巡査部長を探偵役とする長篇を8作刊行したのち、『死の扉』(創元推理文庫)で新たな探偵キャロラス・ディーンを登場させる。その後計23作のディーン・シリーズを遺し、1979年死去。

〈扶桑社ミステリーのレオ・ブルース作品〉
『三人の名探偵のための事件』
『ミンコット荘に死す』
『ハイキャッスル屋敷の死』
『ビーフ巡査部長のための事件』

「2022年 『レオ・ブルース短編全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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