墓から蘇った男(下) (海外文庫)

  • 扶桑社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594090722

作品紹介・あらすじ

スウェーデンで40万部突破!
無間地獄に落ちる
動機は殺人ではなく犠牲者の魂の破壊。
サーガのすべてが闇に吞み込まれる。

その怪物は、ひとの人生を破壊し、犠牲者からすべてを奪った。その魔の手はヨーナに及んだ。ヨーナは、妻スンミと娘のルーミを守るため彼らが亡くなったと見せかけ、高い代償を払った。一方、怪物の捜査に覆面捜査官として携わった公安警察の警部サーガは、父と和解し、腹違いでダウン症の妹ペレリーナに愛情を注いでいた。そんな矢先、パトロール中のヨーナに、国家警察長官カルロスから、ドイツ連邦刑事庁の警部が連続レイプ魔の死亡事件について大至急連絡を取りたがっていると電話が入る――二人の軛は断ち切れるのか?

感想・レビュー・書評

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  • ラーシュ・ケプレル『墓から蘇った男(下)』扶桑社ミステリー。

    ヨーナ・リンナ・シリーズ第7作の下巻。

    息をも吐かせぬ怒濤の展開。悪魔のような狡猾さを持つユレックに翻弄されるヨーナとサーガ。ヨーナの恋人ヴァレリアとサーガの父親の運命や如何に。

    最悪の結末に愕然。ここまで登場人物の命が次々と失われていく小説もなかなか無い。そして、前作に続いて、シリーズの継続を予感させるエピローグ。そうだった彼奴はまだ生きていたのだ……

    自分の身代わりの死体を準備し、自らの片腕と共に遺棄し、自分が死んだと思わせることに成功したユレック。さらには凶悪犯罪者の中から自分の手下を選抜し、思いのままに操る狡猾さ。

    怪物ユレックの魔の手から逃れるために娘のルーミと共に再び身を潜めるヨーナ。その頃、ヨーナの恋人ヴァレリアとサーガの父親がユレックの手下のビーバーと名乗る起業家の大男に捕縛される。

    ユレックとの直接対決を決断したヨーナは再びサーガと共にユレックの潜伏先を捜査するが、ユレックは常にヨーナの思考の先を行く。ヨーナとサーガ、二人の大切な人までもが命の危機に……

    ハヤカワ文庫の『催眠』『契約』『交霊』で久しく翻訳が途絶えたヨーナ・リンナ・シリーズだが、扶桑社ミステリーから『砂男』『つけ狙う者』『ウサギ狩り人』と次々と翻訳され、ついに7作目の本作が陽の目を見たようだ。

    定価1,155円
    ★★★★★

  • その怪物は、ひとの人生を破壊し、犠牲者からすべてを奪った。その魔の手はヨーナに及んだ。ヨーナは、妻スンミと娘のルーミを守るため彼らが亡くなったと見せかけ、高い代償を払った。一方、怪物の捜査に覆面捜査官として携わった公安警察の警部サーガは、父と和解し、腹違いでダウン症の妹ペレリーナに愛情を注いでいた。そんな矢先、パトロール中のヨーナに、国家警察長官カルロスから、ドイツ連邦刑事庁の警部が連続レイプ魔の死亡事件について大至急連絡を取りたがっていると電話が入る――二人の軛は断ち切れるのか?

    読後、叫びたくなります。間違いなく。

  • なかなかしんどかった。ほぼ内容が「危険人物が数年前に死んだけどやっぱり生きてる」に怯える複数の人たちの描写で、果たして上下巻でやる必要があるのか?全く感情移入できる登場人物がいなく、凶悪犯もいつ出てきたのか、いつ死んだのか(いまいちはっきりしない)、自分には展開が理解できず、「これだよ!さずがスエーデン!」と思いました。最後の一行で「まだこのシリーズはつづきます」という匂わせ。年齢とか関係なく、センスが平成、昭和で終わっている。もう絶対この作者は読まない。その無駄足を踏まないようにこのアプリを利用している。

  • 相変わらず凄惨な描写が多く全体を通して暗いのだが、それでもどんどん読み進めてしまうのはストーリー展開の面白さと登場人物の魅力だろう。北欧ミステリーに残虐な事件が多いのは、ヴァイキングに由来するものだろうか…

    ラストがあまりに悲しかった。続編で救いのある展開に期待したい。

  •  このシリーズを最後まで読みたい気持ちと、犯罪の残忍さが安易に増幅する物語への嫌悪感とが擦れ合うような読書体験を本書はぼくにもたらし、素直に人に勧められるかどうか自信を失いつつある複雑な心境の作品であります。

     以上の段落は、ラーシュ・ケプレルの前作ヨーナ・リンナ・シリーズ第6作『ウサギ狩り人』に関するぼくのレビューのエンディング。上の段落が、今回の新作に対するものにそのまま当て嵌まってしまい、それ以上でもそれ以下でもないところが、何とも残念。

     例によって例により、過去作品のあの日あの時、死んだのか生き延びたのかわからないエリック・マリア・バルクの影が作品全体に投じられる。そうあのハンニバル・レクター博士を彷彿とさせる万能的な悪のコンダクターだ。なので本作はサーガとかシリーズであるというよりも、連続した大きな長編作品の一章というイメージが加速度的に強まってきたように見えてきた。従って本書を最初に手に取った読者には、物語の展開や過去事情を含め、人間関係やシチュエイションが全くわからないだろう。そんな方たちにこの手の作品は一体どう受け取られるのだろうか? また、それで良いのだろうか? 

     かく言うぼく自身、前作までの人間関係図の過去の経緯のすべてを完全記憶しているわけでもないので、過去作に叙述が及ぶシーンの頻繁さは、かなりストレスを感じた。本来、シリーズぶっ通しで読んで初めて完全な面白さが得られるような造りなので、間を空けたり、途中を抜いたり、途中から読み始めたりでは、どの作品においても多くの部分がわかりにくい、あるいはまったく理解不能に陥るだろう。

     以上の事情もあっての、訳者を変えてでもトライしてみせた、5か月目という異例の早さでの続編出版であったか? とは、深読みに過ぎるだろうか。

     それでもスピーディかつショッキングな展開の多いバイオレンスの連鎖と、捜査側・犯罪者側間の駆け引きのスリリングさで、ページターナーぶりを失わないでいる筆力は流石と言わざるを得ない。

     個人的には過去作や次作に引き継がれる点が多いことで、本書単独での評価がし難いという、生殺しに近い状況を押し付けられるタイプのこの手のシリーズはあまり好みではない。最近富みにスウェーデンを中心とした北欧ノベルに於いて、単独作品としての価値を失ってしまっているシリーズ作品が多いことに、少なからぬ抵抗を覚えつつ、何ともたじろいでいる次第。

     とは言え、あと一作。本作で決着のついたあの人のことを背後に置いて、本作前篇をその個性で主に牛耳っていたもう一人のあの未決着な人物との最終ラウンドを何とか早めに見せてもらわないことには寝覚めが悪い。じりじり、ひりひりとするエンディングに、眠れなくなりました。

  • 過剰に凄惨。
    結構色々としんどいなー。

  • ユレックは今度こそ死んだ。サーガも?助かるのかな?
    手首切ったの病院だしな…
    今度はビーバーがヨーナを狙うの??
    どーなるのー??

  • 壮絶。爽快感は ...ないですね。訳者あとがきにもありましたが、ヘトヘトになりました。残りページ数から話の展開が全く分からず祈りながら(?)読みました。

  • 凄惨な場面が多すぎ。
    警官の姿をした復讐に終わった感じで、ちょっと残念。

  • 上巻のあの展開だから、下巻は当然にこの展開。何処レヴューを見ても、絶賛に継ぐ絶賛?・ワーワーキャーキャー

    頭の悪い私には解せない。何故、この悪魔は世界中にいる数多の人々の中で自国の彼彼女をねめつけ回すのか・・これ保dまでに酸鼻極める手法で。
    理屈に合わないから面白いのか、悪魔の仕業だから既に人間性を凌駕して理解を超えるのか。
    ハンニバル博士の場合は何となく「悍ましきこじつけ」が感じられたが、人間の皮を被った彼は手足のある幽鬼としか思えない。

    情は既に1頁目から無い。
    極めるしかない・・あと2作読んでみよう。

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著者プロフィール

ラーシュ・ケプレル
アレクサンドラ・コエーリョ・アンドリルとアレクサンデル・アンドリルの作家夫婦が共作するときのペンネーム。国際的なベストセラーとなったヨーナ・リンナシリーズは、40以上の言語に翻訳され、1500万部以上も売れている。アンドリル夫妻は、ラーシュ・ケプレルのペンネームで執筆する以前も、それぞれが単独で書いた作品が出版され高い評価を受けている。3人の娘とスウェーデンのストックホルムに在住。

〈扶桑社ミステリーのラーシュ・ケプレル作品〉
『砂男』上下
『つけ狙う者』上下
『ウサギ狩り人』上下
『墓から蘇った男』上下

「2023年 『鏡の男 (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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