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冷血(上)

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  • 132レビュー
著者 : 高村薫
  • 毎日新聞社 (2012年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107899

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冷血(上)の感想・レビュー・書評

  • 久しぶりに女史の小説を読みましたが、高村節は健在でした。合田刑事も齢を重ねるにつれ、暴発することなく中年の渋さが滲み出てきたようです。個人的には「照柿」のころの合田刑事が好きでした。この作品に2カ所ほどふれている『パリテキサス』もライクーダーの音楽とともにとても印象的な大好きな映画でした。また観たくなってきました。そう、このように女史は私のこころをくすぐって来るのです。だから、女史の小説は時々読まないと。

  • 動機のない犯罪の不気味さと死刑制度についても考えさせられた。以下に詳しい感想があります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/neta6705.html

  • 長くて読むのに一苦労。独特の書き方で読み慣れるのに少し時間がかかった。

  • 久しぶりに読み応えのある大作。後半は、もういいとチョット食傷だけどね。

  • 文体変わった?今作は(行ったことがある、という意味で)知ってる地名がいっぱい出てきて、そういう意味でちょっとわくわく。

  • カポーティは読んで無いのでどこ迄なぞってるか分かりませんが、一家四人惨殺事件を背景にした合田警部もの。合田が出てくるまでの前半はひたすら鬱。読んでて鬱になりかけました。
    川崎の中1殺害事件の犯人像と井上の姿が二重写しになる既視感というか残像感(もちろん世田谷の方がより近いのだが)。作家の想像力ではなく、最近は少なくなったけど昔はこういう意味の無い凶悪な殺人が多かったのだろうなと。

  • 久々にお会いしても、やっぱりいつもの合田さんな感じ。
    下巻は、何が起こったのかを、ひたすら時間との戦いで追っていくことになるんかな?

  • 時期が時期だけにしんみりと読んだ。警察の捜査の描写の細かさは相変わらずだ。私、合田は好きなキャラクターではないんだが、今回は意外と嫌いじゃない。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2014.8.29読了

    うーん、高村薫、わりとファンだったんだけどね〜。

    まず、文体が以前からの、べったりと貼り付くように細かく丁寧に記述されるスタイルに加え、最近の風潮を取り入れようとしたのか、妙な書き方が混じっているように思えるものになり、読みにくいし見苦しく、そして、今の感じからはズレているのが、余計目立ってしまっている。
    やはり、高村さんには以前のままのスタイルで、少し昔のことを深く掘り下げて書く、というのが良いと思います。

    内容も、上巻では強盗殺人事件の犯人側からの状況や心象を書き、上巻の途中からと下巻には、前の小説から既出の合田雄一郎、特捜の係長になったようだが、からの視点で事件と犯人を書いているのだけれど、とにかく長いです。
    作者はミステリーを書いているつもりはないと言われているようですが、あまりにも平板な、平板というのは小説としてだけど、事件とその犯人を、作者の特徴で良質な点でもあるのだけれど、丁寧に、言い方を変えればネチネチと書いて行くので、本当に読むのが辛い。
    読んで行くといろいろなことを考えさせられる中身のある小説なのだけれど、読むことが楽しくないのだ。

    そして、犯罪と刑罰、特に死刑について、取調べの調書や裁判での言葉のやり取りで、その本質を捉えられるのか、極刑で裁けるのか?というのも、なかなか難しいところだけれど、そもそも、実際には、こんなに丁寧に捜査してるんでしょうか?と思うだけになってしまう。

    作者の最近の作品は、ちょっと面白くないと思ってしまうかな。でも、人物や心象の記述では素晴らしい作家さんなので、次回作にも期待したいな。合田がズック靴を洗っているところなんかは、今でも印象に残っているぐらいなので。

  • 前半は犯人と被害者の日常が描かれていて、不謹慎にも睡魔に襲われっぱなし。ギブアップ寸前で後半に入った途端目が離せなくなったが、前半に描かれた犯人の異常さは理解の範囲を超えていたので、逮捕後の合田刑事とのやり取りがどうなるのか楽しみでもあり不安でもある。

  •  死刑制度について議論するのに欠かせないというツイ友の勧めで読み始めたものの、殺人事件の加害者と被害者の日常を淡々と描写する最初の50ページで一旦挫折。というのも、一見幸せな歯科医一家の家族が惨殺される筋書きが読め、そのシーンを見たくなかったから、ジェットコースターが坂の頂上に上りきる前に下りようと思ったんです。僕、因みにホラー映画は嫌いです。
     それでも社会学者としての「義務感」で読み直し、殺人もそのプロセスはぼかしてあったので、何とかクリア。
     ただし、死刑廃止論者で知られる著者のポイントは下巻にあるので、この時点でレビューを書くのはとても難しい。犯人2人と被害者の生い立ち、警察内部の確執などがてんこ盛りの印象。
     面白かったのは、犯人が首都圏をぐるっと回る国道16号線に沿って移動し、沿線のコンビニ、ファミレス、スロット店、温泉ランドを利用する様子が、この間読んだ「ファスト風土化する日本―郊外化とその病理」の描写と重なること。地名で言うと、町田、相模原、八王子、福生、入間、川越、春日部、柏、千葉あたり。本の中でも、町田はのっぺらぼうな、個性のない街として描かれている。
     たぶん加速度がつく下巻に期待。

  • 救いようのない二人組の犯人

  • 長い長い取り調べと判決文

  • レディジョーカーに比べるとイマイチ感が
    下巻に期待

  • ネット社会の危うさ

  • 医者夫婦、素直で賢い子どもたち
    そんな幸せを絵に描いたような家庭。
    そして気分で犯罪をおかすふたりの男たち

    こんな2組が運命のいたずらでひとつになったとき
    凄惨な事件が起こる・・


    感想は下巻で

  • 初 高村薫でスリルを期待して読み始めたものの、後半に進むにつれなかなかページが進まず間延びした感じになってしまった。
    幸せな家庭の代表のような高梨家の日常の風景から始まり、その温かな描写に感情移入していただけに、惨殺事件の被害者となった展開には気持ちがついていけなくなってしまった。

  • 読書でこれほど感慨深い、重い感情が残ったのは、本当に久しぶりだった。
    事件が発生するまで、被害者家族について女の子の視線を通して語られ、エリート一家でありながら、そのへんにありふれた、温かい一家の模様が描かれるため、惨殺が発覚したシーンは鳥肌が立つほど衝撃だった。警察は地道な捜査を積み重ね、犯人は逮捕され、読者は犯人たちには厳罰が下されるべきだし、死刑になればいいと思う。
    普通の映画やドラマはここで終わる。また、実際に起こった事件の報道もだいたいはここで終わる。でもこの小説はそここからが本当の始まりと言ってもよいと思う。
    合田刑事は犯人二人の取り調べに地道に付き合い、警察の手を離れてからも、静かに寄り添い続ける。そんな合田の目を通して、不思議と、気付いたら自分も二人に寄り添っている。冷酷な犯罪を起こした犯人に対して、不思議と愛着のようなものが湧いてくる。
    合田がこつこつと二人の過去を追い求め、地道なやりとりを続けて、二人の人間は読者の手の中で確かな重みを持ってくる。そして、二人の死をそっと見届けたところで物語が終わる。
    私は単純な性格なので、死刑は別に反対じゃない。冷酷な犯罪をして反省のない人間など死刑になって当然と思ったりする。けれど、この物語を読んで、ただ単に死刑を反対とか賛成とかそういう問題ではなく、死刑囚の命にも確かな重みがあるのだということを、初めて理解したような気がする。
    私は、戸田にも井上にも、死んでほしくなかった。二人に再会してほしかったし、井上が葉書を出したということを、戸田に知ってほしかった。
    「子どもを二人も殺した私ですが、生きよ、生きよという声が聞こえるのです」
    命とは何なんだろうか?刑事と、死刑囚とその相棒によって、そんな問いが深く深く突きつけられた、不思議な読書体験だった。また読みたい。

  • 下巻にコメント

  • 「ミステリーを描いているつもりはない」という筆者のコメントを読んだ事がありますが。
    これはミステリーだと思います。
    理屈の通らない、有象無象が蠢く心の闇を解き明かすミステリー。
    冷酷な強盗殺人を犯したにしては、哀れささえ催すような卑小な存在である犯人2人。何が彼らを犯罪へと駆り立てたのか?
    終盤に全てを解明する推理ショーが用意されているとは思えません。
    でも問い続けること、理解できない底辺の人間だと彼らを切り捨てないこと、そこらへんに意味があるのかなと思います。
    管理職になって、少し枯れた感のある合田さんも見所です。

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冷血(上)の作品紹介

『レディ・ジョーカー』(1997)『太陽を曳く馬』(2009)に続く、"合田雄一郎"シリーズ最新刊!

2002年クリスマス前夜。東京郊外で発生した「医師一家殺人事件」。衝動のままATMを破壊し、通りすがりのコンビニを襲い、目についた住宅に侵入、一家殺害という凶行におよんだ犯人たち。彼らはいったいどういう人間か?何のために一家を殺害したのか?ひとつの事件をめぐり、幾層にも重なっていく事実。都市の外れに広がる<荒野>を前に、合田刑事は立ちすくむ― 人間存在の根源を問う、高村文学の金字塔!

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