極北へ (毎日文庫)

著者 :
  • 毎日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620210360

作品紹介・あらすじ

二十歳で登頂したデナリ山。アラスカ、グリーンランド、カナダ、ノルウェー、そして、二度目のデナリへ 。
地球の極北地域に魅せられた長い旅の軌跡。
世界を駆け抜ける写真家が《 原点 》 を綴った珠玉 のエッセイ 、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 2023/7/26購入

  • 人間誰しも、安全なところから一歩踏み出して、その外側に身を晒したくなる。不良も、不倫も、そして冒険家も、根っこは同じ衝動から来ている気がする。
    もちろん、この方の純粋な好奇心はとても素晴らしく、またこうやって記録に残してくれるからこそ、他の人間も見果てぬ世界を夢みれるのだと思う。

  • 写真家だけど、冒険家のような一面もあって、好奇心旺盛さを持ち合わせた石川直樹さんのエッセイ。決してうまい文章ではないし、特別ドラマティックな何かがあるわけではない。新たな旅で過去の旅を振り返ることもあるし、身勝手なことを思って見ることもある。極寒の地を好んで訪れるが、雄大な自然のある場所は必然的に不便な土地でもあるわけで、悪天候で飛行機が飛ばないこともあれば、レンタカーでドライブするその道のりがなかなかスリリングだったり、なんで好んでそんな土地に行くのだろうかと不思議に思うが、彼の撮った写真を見ると、荒涼とした土地にある魅力を垣間見ることはできる。

  • 簡潔で無駄がないのに無味乾燥ではなく淡い詩情も感じるような文章。自然や自然の中に生きる人々へのリスペクトに溢れ、生活習慣や食べ物、道具などへの着目も鋭い。たまに思い出しては読み返したい僻地への紀行ものだといえる。

  • 野田知佑、星野道夫、植村直己、河野兵市、今野道博ら
    地球遊びの達人たちに教えを受ける若者の地球記録

  • 297-I
    文庫

  • グリーンランドが出てくる本にはどうしよもなく惹かれてしまい手に取り。冒険家を志すきっかけからその道を進みだす過程が描かれ。デナリへの最初の登頂、グリーンランド、スヴァールバル諸島、北極圏への冒険から、デナリ登頂ふたたびまで。グリーンランドといえど、もちろん中心都市ヌークは普通の都市のようなたたずまいで意外の感にうたれ。もちろんいつまでも自然のままでいてほしいだなんて、旅行者の傲慢だということはわかった上で。フェアバンクスでみたオーロラ。シトカのインディアンの語り部が来日した時に籠った小樽のフゴッペ洞窟。気候変動でなくなりつつあるシシュマレフの村。星野道夫が送った一通の手紙でアラスカと結ばれた縁。スノーモービルを使わないのかと問われた犬ぞりのマッシャーの「機械は壊れたら終わりだよ」という回答。みなが知らないことを伝えようとしたら、まとまらない雑談のようになるのはあたりまえではないか、という解説のフレーズ。といったあたりが印象に。

  • コロナ禍で海外訪問が難しくなってしまったな中、石川さんの本書で、北極圏を頭のなかで想像しつつグッとくる紙上冒険をさせてもらった。
    同世代ということや著者の経験、知識、文書力もあってだが、石川さんは純粋に自身に刺激を与えてくれる一人となっている。
    最後のデナリのエッセイが特に読みごたえがあった。長期縦走、自分も心の中で温めていて、日本の山になるが何とかここ数年でチャレンジしてみたいと思っている。(トレーニングと体の鍛えを頑張らなきゃ。。。)

  •  石川直樹さんの著作を読むのは初めてだが、何か懐かしい場所に戻ってきた感覚。

     タルキートナ、シシュマレフ・・・植村直己さんや星野道夫さんの著作で何度となく目にした地名。そして故河野兵一さん、船津圭三さんら僕らが若いころ活躍されていた冒険家の方々が登場される。青春に帰った感覚。

     街に住む僕らが極北のエッセイを読むと、そこだけにしかない極北の時間の流れに没入できる。十分に浸ることができた。

  • 旅とは途上にあること

    石川直樹の生き方は、それこそ旅だと思う。
    その時々の流れと気持ちに正直に動かされ、その時々をぷかぷかと邁進している。

    エッセイもぷかぷかしている。どこか、人間くさいというか。強靭な人、すごい人であるのは間違いないけど、僕らの延長線上にいる感じがしてしまう。こんな文章、すごく好きだ。

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著者プロフィール

冒険家、写真家

「2019年 『いま生きているという冒険 増補新版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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