大人が知らない ネットいじめの真実

著者 :
  • ミネルヴァ書房
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本棚登録 : 56
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623052264

作品紹介・あらすじ

24時間逃れられない子どもの残酷な日常に、大人はどう向き合えばいいのか?中高生への取材から新たな打開策を、気鋭のジャーナリストが伝える。

感想・レビュー・書評

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  • 三葛館一般 371.4||WA

    インターネットが普及し、その便利さを考えるとネットのない生活など考えられないほどの世の中になりました。ネットを通じて友達になったという方も多いでしょう。でもその裏にあるいじめの問題。メールの返信は5分以内にしなければ仲間はずれ、不幸のメールや悪質な悪口メール、性犯罪を助長するような動画など、その嫌がらせの内容やいじめ方の巧みさは想像をはるかに超えています。それが子どもたちの間で起こっているのだとしたら、大人はどうすればいいのか。だれもがネットでつながれる時代、私には関係ない、そんなの知らないふりをしていればいい、そうはいえないと思います。
                                  (ゆず)
                                   
    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=52203

  • 読んでいて泣きそうになっちゃった
    もうこんなのいじめとかじゃなくて犯罪だよね
    犯罪少年は莫大なお金をかけて更生の機会が与えられるのに、いじめ加害者は話も聞いてもらえなくて可哀想だなって感じた
    わたしはもっと傍観者が動けると思うのだよ〜
    メディアの内容・規制問題も、身近な親とか教育機関でもっと伝えられることってあると思うな

  • この本で書かれていることは、確かに大切なことだと思うが、あまりにも筆者の主観的な憶測で物を言いすぎていると思う。
    加害者に対してのケアや、どうしていじめを行うのか、といった視点は大切だ。力づくでいじめをやめさせることはできるかもしれないが、原因を取り除いていくこと、克服していくことが真に教育的な行為と言えるだろう。
    暴力的、差別的、いじり系のお笑いや性を売りにしたグラビア雑誌に関しても、同じのように不快感がある。
    しかし、これらのメディアがどれほどの影響があるのかを示すデータがない以上、性犯罪とグラビア雑誌、いじめとお笑いの因果関係を言い切ることはできないと思う。
    暴力的傾向のある人間が暴力的なものを好んでいる、あるいはポルノ雑誌によって性的衝動を抑えるといった論調もあるのだから。

    普通の子供達の置かれた環境や、統計的データが必要なのだと思う。ろくな参文献もあげず、筆者の体験談や意見ばかりが先立っているという印象が拭えない。

  • ●中高生の合唱祭練習風景で起こったいじめ
    youtubeでピアノの動画を探していて意図せずいじめの動画にあたってしまったことがあります。

    その動画では合唱祭等催し物の集合練習で中高生と思われる男子生徒がピアノを弾いていました。演奏している男子生徒に向かってやじを飛ばしたり頭を小突いたりする等のいじめが行われていました。

    いじめている方はいじめている意識はなく、ただからかっているだけ、と言う説明をするかもわかりませんが、そういった状況で似たような経験をした私にはよくわかります。あれは間違いなくいじめです。

    ●いじめにインターネットが用いられると、どの部分でより問題となるのか
    情報セキュリティのポストでも話題にしましたが、いじめの手段にインターネットを用いることで、行為が直接的でなくななるため、いじめる側の罪悪感が薄れることで、いじめが助長されることは問題です。

    また、インターネットの特徴である、匿名性や効率性、高速な情報拡散。場所、時間を選ばない。そういったものがマイナス要素となっていじめの強力なツールとなります。

    ●メディアの責任(P156~)
    周囲の一部では有名な話ですが、私は極端なテレビ嫌悪者です。本にその理由が大変よくまとまっていました。

    エンターテインメント、お笑いについては2つのタイプがあり、1つは「優越型」もう一つは「救済型」です。

    日本のテレビ番組において私はほとんどが「優越型」であろうと捉えています。

    そして、その「優越型」の表現レベルがどんどん下がってきているとも想像しています。

    理由は大衆のテレビ離れによる広告収入減により番組制作会社が出演者に対して低賃金しか支払うことが出来ない。低賃金しか支払われないということは高いお笑いスキルをもった役者に出演依頼できない。

    そのスパイラルでますます優越型低品質の番組が量産されるのだろうと見ています。

    放送作家の田中イデア氏著「お笑い芸人に学ぶ いじり・いじられ術」という本を読みましたが、本来、”笑い”は高度な技術が要求されるもの。そのために真のエンターティナーは大変な勉強を重ねているものなのです。

    ●ネットいじめの相談は親に出来ない
    ケータイを親に取り上げられることを避けたいがために相談できないケースも少なくないようです。

    であるならば、「親は子どもとケータイやネットに関係するトラブルでどんなことがあってもケータイは取り上げないから心配なことがあったら私に相談しなさい。」と取り決めておくことが良いのでしょうか。

    子どもの立場だったら、そんな取り決めくらいでは、安心して親に相談しようなどとはならないでしょう。

    もし、親が子どもの何倍もIT事情に詳しかったらどうでしょうか。子どもはITの事ならうちの親を頼れると考えて相談してくれるでしょうか。

    ●まとめ インターネット匿名性といじめ撲滅
    インターネットの大きな特徴に匿名性がありますが、この先未来永劫インターネットは匿名のものなのでしょうか。情報セキュリティの勉強にも関係しますが、将来も間違いなく匿名性が継続されるとは言えない部分はあるのではないかと思います。

    ただし、仮にインターネットの匿名性がなくなったところで、いじめそのものはなくならないでしょう。

    インターネットがない時代にもいじめは問題でした。

    その原因に明確な根拠を示すことは出来ませんが、個人的には行き過ぎたニ分法思考教育にあるのではないかと思います。グレーの部分を許さない教育です。

    自動車のハンドルには必ず遊びという部分があります。遊びがないとちょっとハンドルを切っただけで大きく車が曲がってしまいます。

    インターネットでいうところのバッファーです。動画サイトで細い携帯回線でも映像・音声が途切れないで視聴可能なのは、前もって先読みしてデータを格納しておく部分=バッファーがあるからです。

    バッファーも遊びと同じ意味。グレーの部分と言えるでしょう。

    その部分がないのです。なので、いじめる側は人生の運転中に大きく車を曲げてしまうし、自分と相手の人間関係ドラマを鑑賞中に映像・音声を突然ブッツリと切ることに容赦ないのです。

    物事白黒ではっきり理解割り切れば気持ち良いですし、楽かもしれません。ところが世の中そうなってはいないのです。

    その部分を認めないと様々なところで歪が生じますが、その一つがいじめではなかろうかと私は考えています。

    どうして子どもたちが二分法的思考に陥ってしまうのかを考えるとそのように家庭、学校、社会、世の中、メディア、インターネットが影響を与えているからでしょう。

    童話浦島太郎は亀をいじめている子どもたちから亀を救いました。童話の時代からいじめという行為は存在するのです。

    過去に反省していじめを少なくする時代になってきているのであればまだしもネットを用いることでいじめにブーストがかかっているとは皮肉なものです。

  • いじめ被害者にばっかり求める打開策に偏ってることを指摘。
    そう。本当は加害者対策をちゃんとやる事こそ、唯一の解決策じゃないかしらんと思う。
    最後の、それぞれの立場の人に直接語りかける章、ちょっと泣きそうになる。きれいごとじゃない、本音で語りかけてるのが…いい。

  • 2008年当時の主流は携帯。カナダのネットリテラシー、ノルウェーのいじめ防止プログラムなど、この分野の先進事例も紹介。様々な日本の子どもたちのケースをはさみながらネットいじめの実態を説いている。

  • 「教育」分野第16位...(幼児教育分野を除く)

  • ネットいじめ・・・読んでて辛い気持ちになった。
    今の時代に中高生じゃなくてよかったと思うと同時に、今中高生の子たちの生きづらさを感じた。
    こういうことが今は普通にあるんだということを教師は知っておく必要があると思う。

  • 採用試験面接に向けて読んでみたのだが、我が子の将来に置き換えて考え、非常に落ち込んだ。書かれてから2年でネット状況は大きく変わっている。恐ろしい。

  • 2年前に発行された本なので、比較的新しいネットがらみの事件にも触れている。読んで特に新しい発見があったわけではないが、作者が主張する以下の点は、社会でも見過ごされがちなので大きく評価

    ― ネットはあくまでいじめの媒体に過ぎず、ネットいじめをなくすには「ネット」でなく「いじめ」のほうに対処する必要がある
    ― いじめられる側が変わろうが強くなろうが、いじめる側がどうにかならない限り問題は解決しない=いじめる側の子供の救済、いじめの風潮を作る大人世界やメディアの改善の必要性

    まあ、文中、子供にはケータイを持たせないといけない、という前提があること、誰もがネットいじめに巻き込まれるような印象を与えること、が、自分自身ケータイなしでやってる田舎に住んでる小学生の母親としては疑問があるのだけど(ケータイないと生活成り立たない!というのは、今の時点では真実でないと思ってる)、ケータイ持たないと仲間はずれ、ケータイ持たせるとメールやプロフを介したpeer pressureやいじめ…と、子供を守るには何が最良の策なのか、頭を悩ませる。まあ、今、そういう世界で翻弄されてる子たちが4,5歳だったころは親たちはまさかこんな形のいじめが我が子を苦しめることになるだろうなんて想像してなかったわけで、自分の子が高校生くらいになることには、まったく違ったタイプのメディアと、それを利用したいじめが登場しているんだろう。となると、ケータイ持たせるか持たせないかを今から悩むより、最初に上げた2つの点に、親が中心に積極的に対処するのが得策なのかもしれない。

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著者プロフィール

渡辺 真由子(わたなべ まゆこ)
1975年生まれ. 2013年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得後退学/博士(政策・メディア). 現在:星磋大学大学院客員教授. 主著:『リベンジポルノ――性を拡散される若者たち』(2015年, 弘文堂), 『大人が知らない ネットいじめの真実』(2008年, ミネルヴァ書房).

「2018年 『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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