老害: 子ども世代は逃れられない

  • ミネルヴァ書房
3.62
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623060818

作品紹介・あらすじ

高齢者だって生まれつきの性格にしたがって生きている。ただし、若いときよりも強い個性となって-。高齢者が増えるとともに、多くの家庭を襲う「老害」は、もはや「年をとれば頑固になるから」「当事者でないとわからない」などの一般論ではすまされなくなっている。本書は、インタビューで得た8つのエピソードから「老害」の諸相を描いた話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 8編あって女性、男性それぞれ4例。
    女性は母娘の葛藤、男性は功成り名遂げた2例と対人関係が若い頃からダメな2例。
    男はいずれの例も生活能力が無い。
    いわゆる家事が出来ない。
    配偶者との関係がダメなところが共通している。
    なるほどな~、と思った。

    作品紹介・あらすじ
    高齢者だって生まれつきの性格にしたがって生きている。ただし、若いときよりも強い個性となって-。高齢者が増えるとともに、多くの家庭を襲う「老害」は、もはや「年をとれば頑固になるから」「当事者でないとわからない」などの一般論ではすまされなくなっている。本書は、インタビューで得た8つのエピソードから「老害」の諸相を描いた話題作。

  • 老害にまつわるエピソード8つ。
    母娘の話はピンと来なかったですが、4.5.7.8章に出てくる老人は強烈で、こういうのが読みたかったです。
    ただ、やはり時代が少し違うというか、昭和に現役時代を過ごされたモーレツサラリーマンで家事は一切出来ず、妻に頼るしかない残念な夫というステレオタイプみたいな人しか出てこず、もうちょいイマドキの老害は違う感じになってるんじゃないのかなと思ったりもしました。
    2011年の本なので、いまなのかもう10年後なのかは分かりませんが、また少し時代が変わったバージョンも読みたいものです。
    印象的だったのは、以下の二つ。
    ①年をとると人間は「個性が煮詰まる」
    ②老害にならない、老害から脱却する鍵は、つまるところ自分が楽しく、幸せになること
    自分が老害にならないための教えですね。

  • 老害・・・。
    これは、日本の問題の本質の一部である。
    政治経済・ビジネスの世界では特にそう。
    過去の栄光にしがみつき、今の変化に対応できない老年層が、いまだそれぞれ権力の中枢にいる。
    そのせいで、新陳代謝が活性化されず衰退の道をたどっている・・・。
    にもかかわらず、「年長者を敬え」という美しい日本文化の側面からタブー視され、大きく取り沙汰されることはない。

    著書では、老害が日本の将来に与える影響を取り上げ、大きくメスを入れてくれているのかと思いきや、そうではない。
    老害が主に家庭や生活に与えている問題についてのメッセージである。(後半は職場問題)
    8件の事例から、今起こっている問題を紹介している。

    仕事に明け暮れ、趣味や友達もいない状況の中で定年を迎え、それからの生活に苦しむ家庭。

    わがままな・・・。
    認められたい・・・。
    現実逃避・・・。
    権力と嫉妬・・・。

    など、生々しい現場の事例。
    将来にわたってありえなくはない諸問題に、対策を打っておく必要があるのかもしれない。

  • 「老害」を「老人の及ぼす害」という意味で使っている箇所と「害を及ぼす老人」という意味で使っている箇所がある。後者の意味が一般的かと思うが、この本が出版された当初は定義が定まってなかったのかな。

    自分や自分の家族に当てはめて考えると身に詰まされる部分もあり。

    ただ、これはどうしても許せないというレベルの誤認識・誤表記が1箇所。「バセドウ病の一種である膠原病」という文言がありましたが「膠原病の一種であるバセドウ病」の間違いでしょう。校閲さん仕事して!

  • 何ともショッキングな題名だ。字が大きくてすらすら読める。しかし、これを人間ドックの合間に読んでいたわけで。病院で読むには厳しいか…。しかし、老害という言葉を初めて知ったけど、一般的なのかな。老害のエピソード8話。実話なんだろうけど、何とも切ないというか、よくやるなーというのも。介護をね。こんなひどい目にあって、よく世話する気になるよな。うちの親もひどくなりそうだから、ほんとぽっくり逝ってほしい。

  • 親の介護が気になりだし、自分の老後もなんだか不安になって、
    友人の勧めるままに読んでみました。

    ああ、本当に、よそごとではありませんでした。
    経験・知識・財産、そして人格まで
    時間をかけて個性の強くなった高齢者たちの
    わがまま、自分勝手は石よりも頑固です。
    身内にかかるその迷惑を「老害」と言う表現は
    うまいなあと思いました。

    どこかで聞いたような話だと思ったのですが、
    それもそのはず、
    親であったり、夫であったり、祖母であったり、親戚であったりと、
    老害で悩む人々の実例を
    作者が取材をして描き表わしたのが本書です。

    高齢化社会となっている現代、
    このような「老害」に悩む人々も多いのです。
    身内の親ならどうしょうか、
    実際にこんな風になったら、どう対応しようかと、
    いろいろ考えさせられました。

    そしてその次には、
    自分も「老害予備軍」だという恐怖が襲います。

    おわりの章で作者も述べられていますが、
    さまざまな形で多くの家族を襲う「老害」。
    この本を読んで
    その高齢者のつらさと家族のつらさが理解できました。

    高齢者とどう接するのが一番ベターなのか、
    模範解答は無いと思いますが、
    少しでも、本人と家族が心地よい暮らしができるように
    務めることが大切なのだと思いました。

  • 「年寄りを敬え」「年寄りを大切にしろ」
    この言葉が乱舞しているように思えてならない。しかしそう思えて仕方ない、ともいえる。事実、電車やバスの中、はたまたカフェの中でもそういったことに遭遇してしまう。
    本書は著者に「グループわいふ」とあるだけあり、身内にまつわる「老害」について取り上げられている。赤の他人であれば無視したり、他人に任せたりする事もできるのだが、身内となれば無視することができない。様々な諍いも避けられず、様々なところで「疲れ」を生じてしまう。本書はその「老害」を避けるため、8世帯のインタビューとともに、その活路を見いだす一冊である。介護だけではなく、会社の「二代目」などケースは多様にあるため、身内に関して悩んでいる人にとってはうってつけの一冊といえる。

  • 帯文:"もはや「よそごと」ではない" "経験・知識・財産、そして人格。時間をかけて個性の強くなった高齢者たちによる「老害」が、すでに多くの家庭を襲っている"

    目次:はじめに、第1章 娘がつくった?「老害」の親、第2章 「可哀そう」が最強の武器に、第3章 自分の人生が肯定できない78歳、第4章 定年退職した夫に束縛され続けて20年、第5章 人生から逃げ続けた従兄、第6章 祖母の老害に絡めとられた母と娘の45年、…他

  • 女性を支援する団体「グループわいふ」が共著者として携わった、「老害」をテーマにした本。八つのエピソードから構成されています。
    読んでいて何度となく「なんだこの人は・・・」と不快になりましたが、それと同時に、自分も老いてからこの様な性格・振る舞いをしないと断言することは出来ないので、憂鬱になった。
    特に三章の「他人が悪口を言っている」と嘘をついてしまう人、五章の嫌なことから逃げてばかり、最終的に孤独な余生を送った人のエピソードはこの先増えていきそうだと感じた。
    「おわりに」で綴られている、高齢者をいたわりと保護の対象として眺める姿勢は、角度を変えれば高齢者を弱者と規定する視点以外のなにものでもないという下りは、胸に留めておきたい。

  • めざせ、かわいいばあさん。

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著者プロフィール

1976年設立。

「2017年 『夫の定年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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