- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635047463
感想・レビュー・書評
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低体温症の恐ろしさよ。己が正常だと思っているが、徐々に判断がつかなくなるのは怖い。ふとした拍子に、簡単にひとはしんでしまう。
山岳ツアーの話は本当に難しい。
ツアーだからガイドが守るというだろうが、過剰に防衛して、登れたかもしれない山を取りやめることはクレームにつながらないだろうか。帰りの飛行機は予約しているのに行程を遅らせていいのかとか、本当に迷う。
もちろん命あっての物種なのだが、命を失うとは思っていないから難しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009年の大惨事となったトムラウシ山事故の詳細な報告本
低体温症で恐ろしいのは頭が悪くなってしまうというところであるということがよくわかる
残念なところは,当然ながら死人からの証言は取れないところで,こういうのは間違ったケースのほうが役に立ちそうだと思った -
山ノボラーとしては必読の本。
遭難事故があると、どうしても、
安易な登山者による、、、軽装による、、、危機意識のない、、と報道されがちだが、事実を紐解いていくと、登山者たちは、少なくともそこそこ経験があり、最低限の装備はされていたことが明らかになる。
報道って、要約してしまうが故に、真実は語られないのか?
さて、筆者自体はツアー登山の危険性について訴えるべく、話が展開していく、しかしながら、生存者の感覚とは、微妙なずれがあることに気づかざるを得なかったという。とにかく、便利が故に使われるツアー登山には、その特性が故に危険性を持っていることは留意すべきである、ただし、留意したうえで利用する登山者を否定できないとも思う。
どうでもよいところから語ってしまったが、この本は、遭難に関するドキュメントが証言によりまとめられていて、臨場感を感じながら読み進めることができる。ここまで来ると、決して語られることのない犠牲者たちの声を聞いてみたいものである。
そして、私としては、こうした経験談を読むことで、自分の山行を反省し、チャレンジしつつもより安全に危機管理した登山を目指したいと、強く思った。