国際紛争: 理論と歴史

  • 有斐閣
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784641076570

作品紹介・あらすじ

20世紀の2つの世界大戦や冷戦を経た後も、人類はアラブ=イスラエル紛争やアメリカでの9.11テロなど、地域紛争やテロに見舞われている。なぜこのような紛争が起こるのだろうか。また、今後もこのような紛争が起こるのだろうか。経済や環境の面で相互依存が進展し、脱国家的および国際的組織が増加し、民主的価値が広まることで、新たな世界秩序が達成されるのだろうか。国際関係を学ぶ学生がこうした問いへの自らの回答を作り上げうるように、理論と歴史の相互検証を通して分析の道具を提供する。ハーバード大学での講義のために執筆され、全米の多くの大学で用いられ版を重ねてきた、「国際政治」への定評ある入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 安全保障のジレンマこそ、国際政治の本質、無政府的組織すなわち上位の政府が存在しないことにかかわる事態にほかならない。無政府状態の下では、自らの安全保障を向上させようとする1国独自の行動はすべての国家の安全保障を低下させる可能性がある。
    バランスオブパワーの考慮が両者をして、イデオロギー的尺度でいえば中間の国々を結ばせたのである。
    集団安全保障とバランスオブパワーのアプローチの間には3つの重要な相違がある。1.集団案是本保障での焦点は、国家の能力ではなく、その攻撃的政策にあった。バランスオブパワーの政治では、あまりに協力になりつつあるいかなる国に対しても同盟が形成されるのであり、この点で対照的である。2.集団安全保障システムでは、同盟が事前に組まれることはない。3.集団安全保障は、グローバルかつ普遍的に構想されており、中立やただ乗りは認められていなかった。

    ヒトラーが駄目だったのは、アメリカが多民族国家であるということを理解できなかったこと。

    戦争終結に際して米ソは異なった目標を抱いていた。ソ連は目に見える所有、つまり領土を求めていた。アメリカは目に見えない環境的な目標を持っていた。アメリカは世界政治の全体的な文脈に関心を抱いていた。

    情報革命の主要な特徴は情報伝達コストの大幅削減。情報の役割の拡大は、国家権力をその源泉で判断する際にも影響を与える。情報革命は分散効果を持っている。情報革命でコスト、規模経済、そして市場参入障壁が下がるにつれて、大国パワーが低下し、小国パワーが拡大するはずである。

  • とにかく国際政治が分からん!と思って読んだ本。というか教科書だね。
    リアリズムとかリベラルとか安全保障とか、前期にやってたことがやっとすっきり。
    政治の理論がどういう風に成り立っているのかをつかめたのが一番の収穫かな。

  • 尊敬するジョセフ・ナイ

    国際関係論の講義で扱いました。
    安全保障論の基礎となる本かと・・

    ソフトパワーとハードパワー
    多国間関係におけるBOPに焦点を当てた本。

    よかった。

  • 国際関係論の入門書としては、現時点で最良の書だと思う。リアリズムとリベラリズムの二つの理論的伝統を基軸として歴史を綴りつつ、後者の伝統をやや幅広く取ることによって国際関係における規則や制度、道義の問題まで射程に収めている。表立って名前を出さずとも、何気にHedley BullのAnarchical Societyもきちんと踏まえているところがナイの「憎らしさ」。しかし何よりも特筆すべきは、読み易さであろう。

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