世界史の中の日露戦争 (戦争の日本史)

著者 :
  • 吉川弘文館
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642063302

作品紹介・あらすじ

百年前に極東で勃発した日露戦争。その様子は通信網により翌日には欧米諸国で報道された。この戦争を国際政治の力学と情報・報道戦の側面から見直し、各地での作戦や軍事システムを豊富な図表を駆使して描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 日露戦争ものは何冊か読んだけど、海外の報道からみた戦争の記述が目新しいかな。同時は、兵器の進化と同時に、世界中に海底ケーブルが引かれて、地球の裏側で起きたことが翌日には新聞で報道されていた、というのは興味深い(現在におけるインターネット革命か)。
    まぁ、戦争自体は辛勝を繰り返えして継戦能力がなくなったところで、日本海海戦の大勝と国際世論の後押しで何とか講和に持ち込めたという、一般的な流れですな。
    日露戦争当時、陸軍はむしろ火力重視だったとのこと。ただ、中途半端な火力と劣悪な補給で苦戦したために、却って白兵主義や精神主義に傾いてしまったと。失敗に学ぶ姿勢が欠如していたつうことかな。

  •  本書は「日露戦争」の戦闘経緯は詳細に紹介しているが、その戦略的側面については「日英同盟」は触れてはいるものの、その後の日本の針路を決定づけた「大陸政策」という面からの考察はあまりないように思える。
     確かに「軍事史」としてはよくわかるものだが、「世界史の中の・・・」となると単にロシアとの「帝国主義同士の争い」と単純化する視点にはちょっと疑問を持った。
     最近の研究ではロシア内部では「韓国の支配をめぐる譲歩を準備していたが、時間切れで戦争になった」とされている。だとしたならば、日露戦争は避けられた戦争だったのだろうか。
     この戦争における日本の勝利が、「昭和の大破綻」につながったことを思うと、日本はなんと愚かな戦争をおこしたものかと痛感したが、本書はそういう意味ではちょっと物足りなくも思えた。

  • [ 内容 ]
    百年前に極東で勃発した日露戦争。
    その様子は通信網により翌日には欧米諸国で報道された。
    この戦争を国際政治の力学と情報・報道戦の側面から見直し、各地での作戦や軍事システムを豊富な図表を駆使して描き出す。

    [ 目次 ]
    戦争と情報―プロローグ
    1 日露戦争への道
    2 ロシア地上軍撃破と制海権確保のための戦い
    3 陸海での決戦と戦争の終結
    4 日露戦争の世界史的意味
    5 日露戦争と日本軍
    戦争による歴史観の変容―エピローグ

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著者プロフィール

1956年、大阪府生まれ。明治大学文学部教授、平和教育登戸研究所資料館館長、歴史教育者協議会会長。博士(史学)。日本現代史・軍事史を専攻。おもな著書に、『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社)、『兵士たちの戦場』(岩波書店)、『日本の戦争』(新日本出版社)、『軍備拡張の近代史』(吉川弘文館)、『世界史の中の日露戦争』(吉川弘文館)などがある。

「2021年 『聞かせて、おじいちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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