イスラエルvs.ユダヤ人――中東版「アパルトヘイト」とハイテク軍事産業

制作 : 高橋 和夫 
  • 明石書店
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750352992

作品紹介・あらすじ

イスラエルがパレスチナ自治区を占領してから半世紀が経過した。そのかんに、グローバリゼーションは世界各地でナショナリズムと外国人排斥を引き起こし、イスラエルで合流した。ユダヤ人ジャーナリストである著者は、人種差別、軍事産業の台頭、宗教分裂、右傾化など、イスラエル社会の日常から法制度までを横断し、今後の中東の国際関係を見通す。

感想・レビュー・書評

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  • イスラエルVSユダヤ人 シルヴァン・シペル著 - 日本経済新聞(2022年3月12日 会員限定記事)
    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO58999630R10C22A3MY6000/

    『イスラエルvs.ユダヤ人――中東版「アパルトヘイト」とハイテク軍事産業』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/19201234

    Author | Sylvain Cypel
    https://otherpress.com/author/sylvain-cypel-87915/

    イスラエル vs. ユダヤ人 - 株式会社 明石書店
    https://www.akashi.co.jp/book/b598356.html
    --------------―
    Michiyo Kさんの本棚から

  • 2023/10/7 に起きたハマスによるテロ攻撃の背景を理解すのに役に立った内容。昨今のイスラエル政府と軍によるパレスチナ人に対する人権侵害、武力弾圧、植民地化の行為はアパルトヘイトに値すると言われる所以がよく分かる取材内容。紛争を武力でしか解決出来ないという考え方を改めないと、この地域の紛争はいつまで経っても終わらないと、国際社会から圧力をかけ続ける必要がある。そしてトランプが大統領時代に取ったイスラエル右派よりの行為の代償は大きい。

  • 今日、イスラエル当局が拷問を実施したという話はあまり耳にしないが、これはイスラエルに拷問が存在しないという意味ではない。拷問は今でも行われている。しかし政府の拷問禁止委員会が述べるように拷問はかつてほど頻繁には行われていない。なぜならこの20年間にイスラエル治安当局の捜査手法が大きく変化したからだ。その最たる変化はサイバー監視技術の高度な利用だ。イスラエルがこの20年間で世界的な評価を得たのは、主にサイバー空間における国民の管理の分野だ。この分野においてイスラエルは経済、政治、外交の面で著しい成果を上げた。

  • 日経新聞2022312掲載
    東洋経済202242掲載 評者:船津靖(広島修道大学教授)

  • 【書誌情報】
    『イスラエルvs.ユダヤ人――中東版「アパルトヘイト」とハイテク軍事産業』
    シルヴァン・シペル 著
    林昌宏 訳
    高橋和夫 解説
    本体2,500円+税
    ISBN 9784750352992
    判型・ページ数 4-6・400ページ
    出版年月日 2022/01/25

    イスラエルがパレスチナ自治区を占領してから半世紀が経過した。そのかんに、グローバリゼーションは世界各地でナショナリズムと外国人排斥を引き起こし、イスラエルで合流した。ユダヤ人ジャーナリストである著者が、人種差別、軍事産業の台頭、権威主義、宗教分裂、右傾化など、イスラエル社会の日常から法制度までを横断し、今後の中東の国際関係を見通す、警鐘の書。
    https://www.akashi.co.jp/book/b598356.html

    【目次】
    本書を読み解くための基礎知識 前編[高橋和夫]

    イントロダクション――埋めることのできない溝
     最後まで考えを変えなかった父
     袋小路に陥った国
     武力で解決できなければ、さらに武力を行使する
     イスラエルに魅了された自民族中心主義者たち

    第1章 恐怖を植えつける――軍事支配
     世界で最も品行方正なイスラエル軍という嘘
     倫理観の喪失
     台頭するユダヤ版「クー・クラックス・クラン」
     テロとの戦いを指導するイスラエル

    第2章 プールの飛び込み台から小便する――イスラエルの変貌
     事実を否定するのをやめる
     アザリア事件が意味すること
     無処罰によって粗暴となるイスラエル社会
     ファシズムの香り

    第3章 血筋がものを言う――ユダヤ人国民国家
     「それはイスラエルとユダヤ人にとって悪法だ」
     自民族中心主義の勝利
     ユダヤ人にとっての「生存圏」

    第4章 白人の国――純血主義の台頭
     黒人「潜入者」に降りかかる災い
     白人至上主義者とのつながり
     「ユダヤ人遺伝子」を求めて

    第5章 イスラエルの新たな武器――サイバー・セキュリティ
     武器輸出という伝統
     最先端のサイバー監視技術
     制約なく活動する
     イスラエルとカショギ殺害事件
     パレスチナ人の次は、イスラエルの反体制派

    第6章 公安国家――権威主義的な民主主義
     パレスチナ人だけでなく反体制派ユダヤ人も対象
     国内の敵「ベツェレム」
     「ボイコット、投資撤収、制裁(BDS)運動」という「張りぼて」
     公安機能の滑稽なまでの強化

    第7章 絶滅危惧種――イスラエル法制度の危機
     最高裁判所は「最後の砦」でなくなったのか
     反体制派の当惑

    第8章 ヒトラーはユダヤ人を根絶したかったのではない――ネタニヤフの歴史捏造、反ユダヤ主義者たちとの親交
     ホロコーストを扇動したのは、エルサレムのイスラム法官なのか
     イスラム嫌悪という絆
     アメリカの福音派とユダヤ人
     東ヨーロッパに古くから存在する反ユダヤ主義者との絆
     ソロスに対する非難:トランプは反ユダヤ主義者か

    第9章 黙ってはいられない――反旗を翻すアメリカのユダヤ人
     イスラエルに背を向けたアメリカのユダヤ人たち
     なぜ今、この変化が生じたのか
     民主党の危機
     イスラエルを非難するアメリカ人たち

    第10章 今のはオフレコだよ――臆病なフランスのユダヤ人
     フランス革命から極右のシオニズムへ
     CRIF(フランス・ユダヤ人団体代表評議会)の正体
     臆病なフランスのユダヤ系知識人

    第11章 イスラエルにはもううんざり――ユダヤ教は分裂するのか
     あなたの将来のイスラエル像は?
     虚構の上に成り立つ牙城
     アメリカにおけるディアスポラの再生
     ユダヤ教は分裂するのか

    第12章 鍵を握るアメリカの外交政策――トランプ後の中東情勢
     トランプの置き土産
     バイデンの挑戦:アパルトヘイト国家への対応
     イランとの核合意に賭ける

    結論 イスラエル vs. ユダヤ人
     トニー・ジャットを悼んで

     謝辞
     本書を読み解くための基礎知識 後編[高橋和夫]
     訳者あとがき
     原注

  • タイトルは「イスラエルとユダヤ人」ではなく、「イスラエル vs. ユダヤ人」。

    イスラエルの社会が、いかに全体主義的、人種主義的に変質し、もはやナチス・ドイツ的なものになっているかということがよくわかる。

    この変化は、これまでイスラエルを支持してきたユダヤ人にとっても望ましいものではなく、イスラエルにとっても望ましいものではなくなっている。

    という感じの本。細かい記述はわからないというか、めんどくさい部分もあるが、説得力のある議論だと思う。

    ただ、著者が主張するほど、アメリカのユダヤ人がイスラエルから離れようとしているかは、わからない感じ。

    1960年代の初めにハンナ・アーレントがアイヒマン裁判について書き、イスラエルに対して批判的というか、皮肉まじりの本を出した時、彼女はユダヤ人の友人を全て失ったという。

    それから50年くらいたって、ジュディス・バトラーが、イスラエルと距離を置いた時にも、ユダヤ人社会から相当のバッシングを受けたようで、まだまだユダヤ人とイスラエルとの関係はそこまで対立的になっているとは言えない気がする。

    それは、選挙において、親イスラエルなスタンスを取らないと、当選できないという状況からしても、そうなんじゃないかと思う。(選挙に関係するほど、イスラエルを支持しているのは、ユダヤ人というより、キリスト教福音派のようだが。)

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000055751

  • 東2法経図・6F開架:302.27A/C99i//K

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著者プロフィール

パリを拠点とするフリーのジャーナリスト。フランスの新聞『ルモンド』の国際報道部の副部長を経て副編集長を歴任。2007年から2013年にかけて同紙のニューヨーク特派員を務めた。エルサレム大学で国際関係の学位を取得するなど、イスラエルには12年間滞在したことがある。

「2022年 『イスラエル vs. ユダヤ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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