- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750516233
作品紹介・あらすじ
弱さを肯定するところから、生まれるもの。
強くあるために勇気を振り絞ろうとする。
だが、そうやって強がろうとしても、勇気は湧いてこない。
勇気は自分の「弱さ」と向き合いつつ、大切な人のことを思ったとき、どこかから湧出してくる——。
弱さを克服し、強くなることが善とされてきたが、それは本当だろうか?
自分と他者の弱さを見つめ、受け入れることから、信頼やつながりを育む真の強さが生まれるのではないか?
現代に鋭い問いを投げかけ続ける批評家が、危機の時代を生き抜くための叡智を、やさしく語る。
【目次】
はじめに
1
・天耳(てんに)
・弱い自分
・おそれと向き合う
・弱さに学ぶ
・見えないものの復興
・賢者と「時」の感覚
・無常と情愛
2
・言葉のともしび
・遅れてきた新学期
・「弱さ」において「つながる」社会
・弱さの彼方にある光——敬意と愛と正義
・闇を照らす言葉
3
・いのちを守る
・いのちと経済をつなぐもの
・愛に渇く
・言葉に渇く
・言葉の護符
・仕事
おわりに
感想・レビュー・書評
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東日本大震災のとき、何も出来なくてもどかしかったこと、今回のコロナでむしろ動けなくなって、自分がダメになりそうだった。今まで「自分に武器を持ちなさい」と諭され、生き抜く事ばかりに執着していた自分が、武器も使えない、増やせない状況で気がついたのは、筆者と同じ「弱い自分をうけいれる」ことだった。もう自分は生きていて、揺るがないものがどんな形で、自分がどんな人間が認識することが必要なんだろう。と思った。若松先生の詩や文章はじっくりと自分と向き合う姿が伝わってきて好きだし、神谷美恵子さんの著者の解説などもとてもわかりやすく、過去の翻訳家だと思っている。そんな先生が、等身大の自分を曝け出したこの本はある意味「びっくり」「なんだかわかる」し、「共感」する。そんな一冊です。
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コロナ禍の中で私達は目に見えないものに心痛め、様々な事を経験した。そしてたくさんの事を学んだ。
立ち止まり、見回した時、見えてくる多くは新しいものではなく、見ていたはずなのに素通りしたもの‥
体を守るものは食物、心を守るものは言葉。自分を慰め、力をくれ支えてくれる言葉を自分で見つけ大切に。
強さを求めて勇気を奮うが真の強さとは自分の弱さと向き合い、人を愛し信頼し幸せを願う事。
(弱さ)こそ人を強くするものなんだと学びました。
泣いている人がいれば、そっと寄り添い黙って横にいられる、そんな人になりたい。
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私たちは強くあることを良いことと思って、弱さから目を背ける。
しかし強さを誇示することは強いのではなく脆いのだという。
私たちは皆平等に弱く、その事実の中にしか学べないことが多くある。それが弱さのちから。
「弱いことは力」という発想の転換。 -
「悲しみの秘義」「種まくひと」に比べて一歩劣る印象。
哲学史・思想史について描くことは優れているが、
今回はコロナ禍というリアルで起きている事象を取り上げている為、
なんだか浅く感じてしまう。
この本の中でも光っていると感じたのは、
他作品でもみられる引用や考察の部分。
とはいえ、救われる人がいるであろう作品にも間違いない。 -
タイトルで、今自分に必要な本だと思った。
"今、私たちもまた、さまざまな理由のために、心が砕かれているのではないでしょうか。しかし、内村はそうした心をこそ愛しめといいます。それだけでなく、神に贈る高貴なささげものにするがよい、と語るのです。
人は世にいう「よい」ときの自分を好み、そうではないときの自分から目を背けがちです。しかし、神の眼から見たとき、試練にあるときの心ほど美しく貴いものはない、ということも内村は私たちに伝えようとしているように思われてなりません。" 110ページ -
第一章読み終わり、コロナについて書かれすぎてて思ってたのと違う感。読み終わったけど、やっぱり思ってたのとは違った。世の中がコロナに怯えていた時があった、先がどうなるか分からない不安な日々だった、ということが思い出せた。
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痛みに耐えられる心なんて
もった人間は居ない。
なるべく痛みに出逢わない人生がいい。
でも現実は、そうもいかない。
果てしなく痛々しいのが人間ならば
弱いまま生きるということ以上に
強いことはない。
人間はもろいけどさ、つよいんだって。
愛がある。 -
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弱さが、人をつなげる。弱さを開示することで、楽になる。
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コロナ禍で人との関わりを見直さざるを得なくなった今、弱さに着目し向き合う事で、新しい繋がり方を考える一冊。