雲のむこう、約束の場所

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  • エンターブレイン (2005年12月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757725881

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雲のむこう、約束の場所の感想・レビュー・書評

  • 17.01.28 後味が不思議

  • 新海誠監督の『雲のむこう、約束の場所』の小説化。
    青春や夢、喪失と挫折を描く。

  • 映画がすごく好きだったので、小説版があると聞いて購入。
    映画だけではわからなかった部分、わかりにくかった部分、描かれなかった部分など、様々な部分が補強されます。

  • 泣きながら北にはせゆく塔などのあるべき空のけはひならずや
     宮沢賢治

     2004年、新海誠監督のアニメーション映画「雲のむこう、約束の場所」が公開された。静ひつで、バイオリンの演奏が耳に残る美しい映像だった。その小説版では、巻頭に掲出歌が書かれている。「北」「塔」が、全編を通してのキーワードだ。
     舞台は青森県津軽半島の小さな町。浩紀と拓也は、中学生ながら、搭乗可能な小型飛行機を製作している。そこに、同級生のサユリが加わる。甘やかな三角関係をにおわせつつ、かれらの意識は北にそびえる高い塔に向いている。その塔が立つのは、海峡の向こう、「エゾ」と呼ばれる外国。そう、敗戦後、北海道が旧ソ連を中心とする「ユニオン圏」の占領下に置かれたという設定なのだ。
     津軽以南の日本を米軍が後押しし、1975年、完全に国交断絶となる。浩紀たちがアルバイトに通う製作所社長も、「エゾ」に住む妻と生き別れの状態だ。離散家族たちが遠い目をして望むユニオンの塔。その設計者は、サユリの祖父だった。
     数年後。塔を兵器だと主張する米軍は、ユニオンに宣戦布告し、「エゾ」に進軍しようとする。危機を回避できる鍵を握るのはサユリ。だが、サユリは今、原因不明の眠りにつき、特殊病棟のベッドにいる―。
     作品後半はSFふうの展開だが、宮沢賢治の詩「小岩井農場」の次の一節も引用されている「すべてさびしさと悲傷とを焚いて/ひとは透明な軌道をすすむ」。分断国家の「さびしさと悲傷」を思わせる内容で、大切な何かを指摘されたような読後感だ。

    (2013年10月27日掲載)

  • 世界の半分を覆う巨大な共産国家群ユニオンによって、日本が津軽海峡を隔てて南北に分断された世界。
    北海道はエゾと呼ばれ、すぐそこに見えるのに、決して行くことのできない、手の届かない空の果てだったころ。
    津軽半島の北端の町に生まれ育ったぼくは、親友の拓也と廃駅で飛行機を作っていた。
    ぼくらの目の前に横たわる国家的断絶を飛び越えて、たどり着きたい美しい場所があったから。
    あの夏、ぼくと拓也、飛行機に、白い翼──ヴェラシーラと名づけたサユリ。
    ぼくら3人は、小さな約束を交わした。

    しかしサユリは突然姿を消し、ぼくらの飛行機にかける情熱は失われ、歳月は無為に流れる。
    ──失い、損ない、捨て、別れ、離れ、忘れ、すべては遠くなってゆくままのように思えた3人。
    果たされないまま残されたひとつの約束は、それぞれの思い出のなかで燻ぶり続け、やがてぼくらが再生するための翼となって蘇る──。


    文中に挿入される宮沢賢治の詩がさらに感動と郷愁をよぶ、透明感溢れるセカイ系小説の代表作。

  • これもある種のメディアミックスなのかもしれません。人気映像作家の新海誠氏が描く映像物語は、映像としての美しさとモノローグの語り口などで、とても秀逸な出来のものが多いですが、その実、物語の背景把握や、突飛な設定の理解に苦しむ時があります。

    それはそれで、そういう作品、と割り切ることも出来るのですが、氏の作品をノベライズしたものを読むと、映像の尺では説明されなかった様々な要素を把握することが出来るので、映像作品側への理解が深まります。

    逆にいうと、これが小説単体として見た時にどこまで面白いか、というのは難しいところで、読んでる側もどうしても原作となる映像作品に引っ張られてしまうので、それも善し悪しだな、と思うのです。

    本作も、きちんとノベライズしていると思いますし、表現のそこかしこにいわゆる「新海節」が挟まり空気感を共通させているのは面白い。でもそれって「技巧」の問題で、小説としての物語性で言ってしまうと、類型的な設定の寄せ集めに感じてしまう。

    映像の足りなかったところを補完し、小説の足りていないところは映像で表現されている……そう考えると、映像と小説、両方併せて一作と言った感覚になってしまい、それも悪くは無いのですが、単体としての★はこうなってしまうかな、と。

  • 専門的なことも文できちんと説明されているのでアニメよりわかりやすく理解度が高まります。

  • 悩みながら、迷いながら生きていた「ぼく」が、ある出来事を境に拓也と別れ、空白の時間を経て再会する。

    「ぼく」の日常で感じていた疎外感やもの足りなさが、かつて自分の前から姿を消してしまった少女への執着をより強くする。

    求めあう二人。一度失ったものを取り戻すために、自分に正直に、まっすぐ突き進む姿にハッとさせられた。

    出会いと別れは必然で、それぞれに意味があり、自分たちの生きる糧になっていることを強く感じた一冊。

  • 新海誠先生『雲の向こう、約束の場所』の小説版です。

    小説版は映画版と若干内容が異なっている上に、その後も描かれており、映画版とは違った観点を楽しむことが出来ます。
    ぜひ、両方チェックする事をお勧め致します(^O^)

  •  アニメ映画『雲のむこう、約束の場所』のノベライズ版。
     アニメという、ものによっては四時間とか連作にすることで補完ができるものもありますが殆どは言葉足らずのもので完結したと思われた作品が、それらをすべて拾い上げていってパズルを完成させたような、きちんとした『まとめ』が成されているのが此方の作品です。
     塔についての説明とか少しあやふやな部分もありましたが、映画のあとにこの作品をみれば、『雲のむこう、約束の場所』のことがもう少しだけ詳しくわかる、かもしれません。

  • 新海さんの作品です。
    新海ファンで同じ部活の後輩から借りて読んでます。

  • 空の景色が浮かぶ小説 凄く人物と世界観に惹かれた。佐原ミズキさんの漫画化を期待したい

  • 新海誠ときくと、なぜかしら興奮するが、理由はなんででしょう? 読みやすそうだった。 眼が通った。

  • これは映画を見てから見ることをオススメする。
    著者の新海誠さん自信もそれを期待していると思う。
    どちらも心に響く名作だ

    映画であまり触れなかった部分まで細かく小説では扱っている。
    より深くこの物語の世界に入り込めるだろう。

    どこか切なくしかし読むことをやめられない。そんな一冊です。

    新海誠さんを気に入れば、今年5月上映予定の「星を追うこども」も見逃せない。

  •  新海誠による同名の映画のノベライズである。これは監督自身ではなく、他の人が書いている。
     この本を読むことによって、映画のディテールがようやく理解できた。冒頭の、浩紀が一人で廃駅を訪れる場面、佐由理が突然彼ら二人の前からいなくなった衝撃、彼女の眠りの理由、浩紀が東京で生活する描写での、新しい彼女らしい人物との関係、ウィルタに拓也が加入し、活動している理由、そして塔へ佐由理を連れて行った時に、彼女が覚醒するいきさつ、それらの映画では示唆程度でしか語られなかったことが全て理解できた。さらにこの本では、佐由理が覚醒した後の、三人の足跡まで語られている。これにより、ようやく冒頭のシーンの意味が理解できる。だが、それはずいぶんと寂しいことだ。
     うーん、映画を観終わった時の、余韻の残る感情と、小説を読み終わった後の、全てが理解できた明晰さと、どちらも必要なのかな。映画を観て、小説を読むという順番が崩さないことが肝要である。
     これは、『ほしのこえ』の小説版も読まなきゃいけないかな。(^^ゞ

  • 良いですね。淡い恋とか切ない青春とか。良質なジュブナイル小説として見ていいと思います。そして、飛行機好きな者としては、どうしても彼らの仲間に入りたかった……。 前進翼にはロマンが詰まっているんだぜ?(笑)

  • 新海誠監督の映画、「雲のむこう、約束の場所」の小説版。
    映画の雰囲気を大切にしつつ、かつ映画では語られなかった背景も同時に描かれている。

  • この本を読む前に、映像を先に見ました。
    見方としては、それが良かったのかと思います。
    なぜなら、映像では、想像するしかなかった部分や浩紀とサユリのその後が描かれているからです。
    その後は、想像よりも悲しいものであったけれども。
    この本を読んでいて、確かに、パラレルワールドは存在していて、そこに、違う自分がいる世界もあるのではと考えてしまいます。
    映像とともに、お薦めの作品です。

  • 新海誠さんの作品。
    学生の夏休みの真っただ中、ある日突然いなくなったヒロイン、その影を追い続ける主人公。主人公はヒロインと約束した塔に意識の無いヒロインと共に学生の頃から作り続けた飛行機に乗って向かう事に。

    全体的に切なさがあふれてきます、非常に繊細で透き通った。
    最後が明確に書かれていないのも自分で想像する楽しみが増えて自分は楽しかったです。

  • この映画を観に神戸に行って、映画を観終わったときには夜の10時くらいで人気の無くなった商店街を友達とぞろぞろと歩いたなぁとか思い出しました。
    当時、この映画を見て全てを理解できてなかったように思います。
    消化不良気味で、ただただ光の表現が綺麗で空が美しかったなぁとか思ってたような。
    映画の記憶も途切れ途切れ、なんとなくしかもう思い出せない状態でしたが、読んでいくうちにこういう映画だったなと思い出しました。
    映像だけでは分からなかったこと、伝わらなかったこと、理解できなかったことが小説を読んで「そうだったのか」と納得できました。
    映像から伝わるものもありますが、活字でないと伝わらないこともあるので読んで良かったと思います。
    この作品がどういうものなのかもやっと分かりました。はぁ、すっきり。
    ただ、活字からは伝わり難いものもありますので、やはり映画も観るとより「雲のむこう、約束の場所」がどんな作品なのかが分かると思います。
    ヴェラシーラの飛ぶ姿が観たくなってきました。

  • 戦争の影が忍び寄る中で白い飛行機を飛ばすという夢に向かってゆく三人に、読んでいてすごくわくわくした。ただし終わり方が何だか曖昧ですっきりしなかった。

  • 本線として前半に淡い恋を基層とした主人公たち中学生3人の夏物語があって、
    味付けとして後半に戦争(の足音)やSF的な展開を足してあるという感じです。
    人物の心情の変化やストーリーが読んでいてハラハラしました。

  • 数年前に制作されたアニメーション映画の原作をメディアミックス的に展開した小説のひとつらしい。
    らしいというのは、息子購入の本で、貸してもらうときにそのような説明を聞いたような気がするからだ。

    そのままゲームの原作にもなりそうな本というか、昨年映画化された「スカイ・クロラ」を彷彿とさせるようなイメージ。青少年だから、何をしても何を夢見ても許されるという独特の世界観。おばさんとしては、なんだかなあと思わずにはいられない。
    文章がくどいのも気になる。字数稼ぎかと思えるほどに、くどい。実際のところ、太宰だったらこの内容なら、1/5のページ数ですませるんじゃないかと思ったりする。
    最後まで読むのが苦痛だった数少ない小説だ。こういうものを受け付けないって、年をとった証拠かなあ。

  • 新海作品は、遠い昔に感じたことのある切なさだとか甘酸っぱさだとかを自然に呼び起こさせる不思議な力があります。美しい描写力だけじゃなく、そういう細かい心情を表現するのがとてもうまい。私は男ではないけれど主人公に共感できる部分がたくさんあって2,3行読んでスーっと引き込まれていきました。

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