れんげ荘

著者 :
  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758411356

感想・レビュー・書評

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  • 2009年刊。40代半ばでキャリアウーマンを卒業、身勝手な母とも距離をとる為に退職して預金生活にシフトした主人公。預金を維持するために超安価な木造アパート「れんげ荘」を生活基盤とし、訳ありな他の住人達との関係も面白い。小説だけど有り得ない設定でも無く、表現も自然で堅苦しさが無い。老朽アパートでの生活表現も面白いし、「やることが無い」日々が何気なく冒険的でもある。ページ数が250足らずなので、楽しくサクッと読めてしまった。

  • 独身女が 会社を 40歳で 辞めて質素に暮らしてゆく話!
    賛成できる生き方ではないし、 非現実的な話だった。

  • こちらで知って、読んでみた本。
    良かった。

    職場の人間関係も性格のきつい母親との同居も嫌になった主人公が45歳で仕事を辞めて家賃三万円のれんげ荘に引っ越して月10万円で生活を送るお話。

    最初から最後までお母さんが強烈で、平坦な生活を綴る文章のアクセントになっています。出てくると「またか」とうんざりする気持ちと「今度は何を言い出すのか」とハラハラする気持ちになります。
    お母さんは強いけど、お兄さん家族は常識的で優しい人たちで家族での食事会に誘ってくれたり母を牽制してくれたり、キョウコを心配してくれて「まっとうだなぁ…」と感心してしまいます。

    私が好きだったのはマユちゃんで、弱っているキョウコに淡々と諭すくだりはいつもさすがマユちゃん、と私も諭されている気分になりました。

    腹が立つことも、辛いことも軽妙な書き口で語られるとクスッと笑えてしまったり、癒されるときもありました。
    ラストシーンがよくて、今もじわじわ余韻に浸っています。

  • 共感はできないけど
    嫌いではない。

  • 45歳にして仕事を辞めて貯金を切り崩しながら老朽アパートで暮らす主人公。45歳というまだまだこれからというときにその選択をした主人公にいまいち感情移入出来なかった。ただ生きることって大変だな〜とつくづく思った。主人公の母以外の取り巻く人々がみんな主人公に理解を示してくれることに安堵しながら読み進められた。

  • 結局キョウコはどうなるのかが気になって一気に読んだ。読み終わって、そういうことを気にしてるうちはまだまだだな、と気がついた。そういうことではないのだ。

  • オススメとお友達に紹介されて読み始めた。
    ほっこりする本だった。
    働かない事を選択した主人公。
    仕事も物も住むとことも捨てて、何もしない事を決める。
    自然の厳しさに耐えつつ、実母からの嫌味にも耐えつつ何を得ることが出来たのだろう。
    長い人生そんな時間もあっていいのだろう。

    気付きtodo
    主人公と同じ生活が出来るかというと出来ないだろうなw
    なぜ出来ないのか。
    性格の問題もあるのだろうけど、色んなことを捨てれないんだろうな。
    それは良くないことだろうな。
    もっとシンプルに生きる事を考えたい一冊だった。

  • 背景や状況はキョウコさんと全く異なるけれど、今休職中で似たような状態。
    心を少しでも明るくしたくて、群ようこさんの小説を手に取った。
    貯金を切り崩して働かない選択をしたキョウコさん、古くて過酷なれんげ荘だけど、周囲の人は親切で温かい。
    彼女が清貧な環境で少しずつ心をリハビリしていくのを読むのが嬉しい。

    私もまだ何をすれば良いのか分からないし、何もやる気が起きない状況…。これからどうなるのかな。

  • それなりの蓄えがないと不可能なことだけど、何もせずに暮らすのはやはり憧れる。
    けど悲しいかな、自分は無理だろうなぁ。
    収入がない不安と孤独で逆にストレスがのしかかりそう。
    だけど、想像はしてみると楽しい。
    この本はその想像の手助けをしてくれる気がする。リアルな経済状況や暮らし方、心の動きなど面白いし想像力がかきたてられる。

    真似できないだけに読んでて面白かったので続編も読もう。

  • 高齢毒母のもとから離脱した、子供部屋脳おばさんの物語とでもいったところだろうか。
    遅れてきた反抗期(自立のための期間、むやみやたらにはむかうものではない)を描いていると思えた。

    自分を受け入れない母(家)を離れ、社会でやっていくにはぎりぎりの自分がれんげ荘に反映されているようにみえる。
    親や家など、自分が安心できるはずの相手がトラブルの原因だというのが面白い。

    キョウコ(主人公)の実家はにちゃんねるの相対性のような場所だ。
    母の都合でつくられたご近所さん向けの「長期出張に行った娘」を演じてしまうあたり、キョウコはまだ母に幻想を抱き愛されたい気持ちが残っているのだろう。
    可哀そうな人だと思う。

    【これから読む人のためのシリーズメモ】
    ①れんげ荘
    ②働かないの れんげ荘物語
    ③ネコと昼寝 れんげ荘物語
    ④散歩するネコ れんげ荘物語
    ⑤おたがいさま れんげ荘物語
    ⑥おネコさま御一行 れんげ荘物語
    ⑦今日はいい天気ですね。 れんげ荘物語

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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