オトナの片思い (ハルキ文庫 い 12-1)

  • 角川春樹事務所
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758434072

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  • 短編11本のオムニバス。
    題名通り『オトナの片思い』ばかりだった。
    どうやって落とすとか両想いを熱望するという様な物語ではなく、
    『色々な片想いの愉しみ方』みたいな感じに思えた。
    恋愛に焦ってる人は、逆に、読むとちょうど良いと思う。
    冷静になれると思うから。
    でも、心配は要らない。
    しっかり、恋愛はしたくなると思う。
    笑。

  • 既婚者である彼のことを好きになっては、絶対にだめだ。
    あの背中を捕まえて、後ろから抱きしめたかった。思った途端に哀しみがこみ上げてきた。絶対にできないことを自分が一番よく知っていた。実らない方が甘美な恋もある。そっとしておくのがいい思いもある。ふたりでスコールを一緒に見た。それだけで充分だと自分に言いきかせた。
    いろいろな思いが浮かぶ。けれど心はまだ定まらない。
    たいがいが、どうでもいいようなつまらないことだ。お米はどこで買うかとか、金曜日の夜はどのテレビ番組を見るかとか。それでも、そんなふうなつまらないことの積み重ねこそが、二人にとっては恋愛だったのだと思う。

  • 大人の恋って色々面倒ですよね、当たって砕けろとわいかないと思います。
    色々な大人の恋の小説、今後を予感させる終わりは会ってもハッピーエンドはなかったと思います。
    そういう意味で、切ない気分を感じたい人におすすめ。

  • 11人の作家の大人の恋愛アンソロジー。
    好きだったのは、『Enak!/三崎亜記』と『わか葉の恋/角田光代』。

    2016.1.3

  • 大人の片思いは片思いのままで終わらせた方がいいのかも…

  • 恋をしたくなります。
    素敵な作品ばかりで、友人にプレゼントしたくなります。

  • 片思いって言葉を久しく聞いていなかった気がする。死語ではないだろうが、あまりそんな話を聞かない。まああたりませか、この年になっていまだそんな事をしているやつもいないのかもしれないが。おとなのちょっともの哀しい片思いの物語を気鋭の作家達が書き綴った短編集です。気軽に読めて週末の読書にはぴったりだった。

  • 角田さん目当てで読みました。
    短い中にも、1人で飲食店で食事できなかった女性が年齢を重ね食堂で食事できるようになり、そこで若い男の子と顔見知りになる……ただ、それだけの話なのに、こういう心の移り変わりってあるなあと、しみじみきました。
    三崎さんの作品は、少し変わった設定。
    以前、読んだ作品も現代なのに変わった設定で書いていたので、こういった作風なのかな?

  • フィンガー・ボウル 石田衣良さん
    やさしい背中 山田あかねさん
    Enak! 三崎亜記さん
    小さな誇り 大島真寿美さん
    ゆっくりさよなら 大崎知仁さん

    この5篇がとても気に入りました。

    恋していて、必ず何かの大きな結果が伴わなくとも
    心のなかで静かに揺れる想いがあるだけで。
    もちろん応えてもらいたいと、思わないわけではないけど。

    想って、自分の中で決着をつけて。
    そのかわりずっと憶えていたい。

    そんなふうに思うものかもしれません。

    恋に似合う年齢じゃなくなったと、外から思われそうな
    年齢や状況になると、すぐに両想いとか、ベッド、とかを
    思い起こすことはしなくなっていきます。

    その恋を、安っぽい汚いものにしたくないから。

    心は意外といつまでも瑞々しく、恋してる時の心は
    淡く透明だから。相手に、

    「あ、浮ついてる」

    とか

    「欲しいんだ」

    とか思われたくななくないし。
    鼻で笑われるのはもっと嫌だもん。
    だから、心で揺れるだけ。

    でも、痛くときめいているのは、ままならぬ恋だからこそ。
    制服の似合ったあの頃と同じ。

    違うのはね。
    何かを求めた途端、その恋は壊れると知ってること。

    片想う。そのことを。
    貶めるよりは秘める方を選ぶ、そんな季節を生きて。

    純度の高い透明さ、意外にもあるものです。

    さらりと冷たい水を飲むように読んで下さいませ。
    小説の中身?それはあなたご自身でどうぞ。

  • 誰かと恋愛がしたくなる短編集。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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