想い雲: みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-3 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2010年3月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758434645
感想・レビュー・書評
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高田郁さんの「みをつくし料理帖 想い雲」読了。シリーズ三作目、安定の面白さ。今回は行方不明の若旦那、佐兵衛とかんざしの「豊年星~「う」尽くし」、大坂の鱧(はも)料理と吉原が舞台の「想い雲~ふっくら鱧の葛叩き」、つる屋の試練と又次の助っ人「花一輪~ふわり菊花雪」、ふきと弟の奉公話「初雁~こんがり焼き柿」の四編でした。つる屋に関わる人々が、少しずつ澪を成長させるような巻でした。りうから料理を作る心得を学び、小松原さまのことも、少し見えてきた。次巻では、つる屋の面々にどんなことが待っているのか。楽しみ♪
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トラブルはあってもそこまでことが大きくならずに収束する安心感が良い。あまりに突然再会したのにはびっくり!
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山芋の話が出たので、野菜室に眠っていた山芋を早速食べてしまった。やっぱり美味しいものって素晴らしい。
2018.11 -
みんな大好き鱧のエピソード収録です
思ったより澪ちゃん…小松原さまのことを思ってるんだな…恋… -
鱧、菊花雪など、季節を感じさせる料理が登場し、楽しませてくれる。
その一方、つる屋は風評被害やら、フキの弟、健坊の出奔やらで、決して安泰ではない。
困難からも料理人としての心得を学び取ろうとする澪の姿に、励まされる。
シリーズの第三作ではないか、と思うけれど、第二作を飛ばして読んでしまった。
とはいえ、ドラマで見ていたので、抜けているところもなんとかフォローできた。 -
シリーズ三作目。ここ十冊ほど殺伐とした作品ばかり読んでいたので、本シリーズの清涼感は正に胸に沁み渡る。佐兵衛の行方が澪と芳に不穏な陰を落とす「豊年星」も、小松原の正体に澪が近づく「花一輪」も相変わらず小気味良いが、澪と野江を描く表題作「想い雲」はやはり光る。刹那の邂逅にて野江から発せられる『澪ちゃん』の一声には分かっちゃいるけど胸が熱くなる。澪×又次の【三方よし】コンビのやり取りも軽快で、これまた続きが楽しみになる。安心して楽しめるシリーズだ。
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みをつくし料理帖シリーズ第3弾。
毎回、ジーンとし涙が出てくる。。
今回、電車の中で読んでたので大変でした(笑)
小松原さんの存在が凄く気になります。。。 -
第3巻。ぐいぐい読ませる。
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「う」尽くし、鱧の葛叩き、菊花雪、焼き柿......
さて一体どんな料理だろう?
今回は行方知れずの若旦那、佐兵衛のことを知っている富三と言う男が登場する。
この男、一流の料理人のはずだが、どうにも様子がおかしい。
包丁の研ぎ方、彼が語る佐兵衛の姿、人探しの代償。
確かに吉原は人を変える。
しかし富蔵が語る佐兵衛は、あの穏やかな若旦那の姿とは似ても似つかない。
そして澪が料理人として認められる一件となるのが、鱧だ。
あの淡白で、上品、美しく切られたプリッとした姿、ああ、夏はまだか!
なんでぃ、江戸っ子ならドジョウにアナゴだろ!ってか!
いやいや、ドジョウは実家にペットとして飼っていたもんで、あまり食べる気には。
え?うなぎも飼ってたのに目の前で食ってたじゃねぇか、だって?
知らないねえ!
さて、澪は愛する友を思いながら今日も腕を振るう。
そして身分違いだとはわかっていても、追わずにいられない想い人、小松原。
湯気の中に響く包丁の音の中、澪は何を思うのだろう。